駒井研司が聞く プロの自己管理術

第9回

体調管理は自分より周囲のために 経営者・渡辺光五さん(最終回)

駒井 研司 2013年12月2日
 

 現場のIT(情報技術)全般に対応するウェバートンの渡辺光五さん。徹底的に突き詰め、品質とは「どれだけ顧客を満足させられるか」であり、この考え方が独自の強みという結論に至った。

 --顧客満足への意識は、経営者の個人的なポリシーの反映でしょうか

 「確かに、社長の荒木一将も私も、ホスピタリティーを強く意識する性格だと思います。周囲の人が満足しないと自分が満足できない。相手に対して、さりげなく、できるだけのことをしたい気持ちが常にあります。例えば、東京に進出した30歳の頃から周囲に『忙しそう』と思われないよう注意しています。忙しそうな人に何かを頼むのは不安だろうと気づいたからです。また体調管理も自分のためというより、周囲のためという意識がありますね。相手に気遣いや心配などはさせたくありません。どんなときも元気で、周囲の人にとって安心できる相手でいたい。そういう努力は、一切気づかれないようにする。若い頃から自然とこうした考え方をしています」

 --体調管理が他人のためというのは驚きですね。今、大学院に通っていると聞きました

 「36歳になった3年前から英ウェールズ大学のMBA(経営学修士)コースに通っています。ちょうど東京で週末に受けられるカリキュラムを見つけたので。これまで時期や状況に応じて自分たちなりに考え、会社を成長させてきました。でも、体系的な考え方も、理論的な裏付けもない。何がどう正しかったのか検証したい。また足りないものを発見し、組織やルールに落とし込んでいきたい。そうして、次世代にも引き継げる会社を築き上げていきたいと考えています」

                   ◇

 逆境にあっても嘆いたり恨んだりすることなく、状況を受け入れ、懸命に考え、次々と行動を起こす。こうして渡辺光五さんは、ウェバートンを成長させ、また自身も成長させてきたのだということが分かった。

 素敵な笑顔と周囲へのさりげない気配りで誰もが好きになってしまう渡辺さんの内側にある、強い意志やプライドを垣間みることもできた。渡辺さんの生き方の根底には、自分なりの「かっこよさ」への強いこだわりがある。そんな印象を受けた。(駒井研司)



【プロフィル】渡辺光五 わたなべ・こういつ ウェバートン専務取締役。39歳、愛知県出身。学生時代に創業に参画し、社長とともに、経験・知識ゼロの状態から年商10億を超える企業を育て上げた。

2013年12月2日「フジサンケイビジネスアイ」掲載
 
 

プロフィール

株式会社ネオレックス
CEO 駒井研司

こまい・けんじ 自己管理のためのiPhoneアプリ「MyStats」(マイスタッツ)発案者。


HP:株式会社ネオレックス

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