第74回
子育てしながら専門学校に入学、インテリアコーディネーターへ
サポートプラス社会保険労務士事務所 長橋 知世
このコラムは、どん底を経験した女性がなぜ起業に至ったか、そして今何のために、どんな思いで働いているのかを、サポートプラス社会保険労務士事務所の代表を務める長橋知世がインタビューしていきます。
今回のゲストは、Lyric Interior インテリアコーディネーターの朝比奈 菜々子(あさひな ななこ)さんです。
お仕事について教えてください
現在、インテリアコーディネーターとして活動しています。美しい空間を整えることはもちろん、暮らしをより豊かにするデザインを提案することを大切にしています。
たとえば、子育て中のお母さんからよく聞く「きれいに保ちたいけれど、子どもがすぐに散らかしてしまう」という悩み…
ご家庭の様子を丁寧にヒアリングし、生活動線や収納を工夫することで、家族みんなが自然と家事に参加しやすい空間づくりを心がけています。
また、照明にも力を入れています。お部屋をキャンバスのように捉え、光の種類や配置を工夫することで、空間はドラマチックに変化します。「想像以上に心地よくなった」とお客様から言っていただける瞬間が、何よりの喜びです。
インテリアの道を志したきっかけは?
幼い頃からアートが身近にある環境で育ちました。父が美術書をそばに置いてくれたり、祖父の使っていた本格的な彫刻刀を与えてくれたりして、自然と「創ることの楽しさ」を感じていました。
ただ、進路を選ぶ際は、「美術の世界は厳しい」という父のアドバイスを聞き、文系大学へ進学しました。
その大学の近くに美大があり、好奇心からよく美大のキャンパスに潜り込んでいました。
美大に集う学生たちの自由でセンスあふれる姿にすっかり心を奪われました。
「生活に美しさを届ける仕事に就きたい」と強く思い、インテリアの世界を目指すようになったのです。
子育てしながら専門学校に入学したのですか?
新卒でカーテンメーカーに就職し、国内外の高品質なファブリックに触れました。商品開発にも挑戦しましたが、専門的に学んできた先輩たちとの実力差に圧倒され、自分への劣等感が募りました。
結婚・出産を経て「専門的に学び直したい」という思いが強くなり、インテリアデザインの専門学校に入学しました。
義母からは最初こそ驚かれましたが、家族と一緒に子育てを支えてくれました。
学校では家具や建築、ランドスケープまで幅広く学び、イタリアのキッチンブランドAlessi のワークショップにも参加して世界の若手デザイナーの作品に触れる機会もありました。
在学中に第2子を妊娠した際は、出産予定日が夏休み中なのを良しとして、産まれるぎりぎりまで学び、出産後すぐに復学、卒業制作を仕上げて無事に卒業できました。
振り返れば無謀でしたが、それほどまでに「早く経験を積みたい」という思いが強かったです。
その後のキャリアについて教えてください
卒業後は建築設計事務所でアシスタントとして勤務し、家具や雑貨、内装材の選定など幅広い業務に携わりました。
富裕層の邸宅での高級素材を扱う経験は、感性を大いに刺激されました。
しかし第3子出産の後、復職を望んだ時期にリーマンショックの影響で「仕事がない」と告げられ、やむなく転職を決意しました。
次の職場に選んだのは照明メーカーです。住宅や競技場などの照明デザインを経験し、光が生み出す空間の魅力を改めて実感しました。
その後は業務委託でのコーディネーターや、イタリア高級家具ブランドの店長としての勤務も経験しました。
育児との両立という時間的制約、収入面での厳しさ、大手不動産会社との理不尽なやり取りなど、苦しい時期も多々ありましたが、「インテリアが好き」という情熱を支えに歩んできました。
そして2024年4月、これまでの経験をもとにフリーランスとして独立。
SNSでの発信や紹介を通じて、遠方の方へはオンラインで、都内近郊の方へは対面で提案を行っています。
最初は「センスがいいから」とご依頼をいただくことが多いのですが、暮らしの本質的な課題に気づくことで、サプライズのように喜びを感じていただける…それが嬉しい瞬間です。
今後の目標についてお聞かせください
私の人生は、クライアントが日々幸せを感じる空間をつくる挑戦の連続です。
インテリアの枠を超え、ブランディングを意識したスタイリングやセミナー、コラボレーションの依頼など活動の幅も広がってきています。
業界内外のさまざまな人とつながりながら、オートクチュールのように一人ひとりに合わせたインテリアを提案していきたいと考えています。
これからも、私のアンテナがキャッチするあらゆる刺激をデザインに活かし、質感・色彩・光を融合させた新しいアイデアを生み出したい。
感動と心躍る楽しさを原動力に、挑戦はまだまだ続いていきます。
【インテリアコーディネーター 朝比奈菜々子さんのプロフィール 】
Lyric Interior 代表
Lyricには「抒情的な」「音楽的な」という意味があります
色彩、素材、光が音楽のように響きあう、心地よい空間
秋の日差しにカーテンのファブリックを通した光が、室内のグリーンの翳を壁に映し出すひととき
日が落ちたあと、灯をともすと浮かび上がる、昼間とは違う表情のドラマチックな空間
毎日過ごしていて、本当に心地よいと感じる空間をご提案いたします
今回インタビューした朝比奈菜々子さんのことをもっと知りたい方は、こちら女性起業家デジタルBookをご覧ください
Lyric Interior 代表 インテリアコーディネーター 朝比奈菜々子さん
プロフィール
【インタビュアー】
サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
アラフィフ女性に特化した人材紹介「ララ・ワーク」
代表 長橋 知世
静岡県立沼津東高校卒
立教大学社会学部観光学科卒
一般企業、商業高校の教員として勤務したのち、出産を機に退職し家庭に入る。
2児の子育てが終わってから、社会保険労務士資格を取得。
2018年に横浜で社労士事務所の開業に至る。
40代50代女性がもっと社会で活躍すべきと、セカンドキャリアの女性コミュニティを立ち上げ、一年でメンバー100名とする。
主婦はキャリアだと認められる社会を目指し、アラフィフ女性に特化した人材紹介業を立ち上げ、企業とのマッチングを進めている。
Webサイト:サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
主婦の就職支援「ララワーク」
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」とは、人生経験を積み、さまざまなキャリアを経験した女性の第二の人生を応援していくコミュニティです。
ビジネスセミナーや食事会、交流会など、プライベートを楽しみながらビジネスをひろげていくための機会を提供しています。
自己成長できる場、仲間づくり、協業できる環境であり、女性の新しい生き方を承認し、これから社会に踏み出す女性にエールを送りたいと思っています。
◆ララ・コンシェルジュについてはこちらから
・HP
・女性起業家デジタルbook
・ポットキャスト:え?わたしも働ける?人生薔薇色ラジオ
・YouTube:「ララ・コンシェルジュ」チャンネル
・インスタグラム :ララ・コンシェルジュ
・Facebook:ララ・コンシェルジュ
・公式ライン:ララ・コンシェルジュ
主婦はキャリア!
ララワークは、40代からの女性の再就職を応援します。
その方に合った就職先を一緒に探し、就職後もフォローアップします。
子育てがひと段落した主婦の方が、当たり前に活躍する社会を目指します!
◆ララワークについてはこちらから
・HP:主婦の就職支援「ララワーク」
女性の採用「ララワーク」
・公式ライン:主婦の就職支援「ララワーク」
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