ララ・コンシェルジュ~女性起業家STORY~

第33回

苦しんでいる人に寄り添いたい、トラウマケア専門家へ…

サポートプラス社会保険労務士事務所  長橋 知世

 

このコラムは、どん底を経験した女性がなぜ起業に至ったか、そして今何のために、どんな思いで働いているのかを、サポートプラス社会保険労務士事務所の代表を務める長橋知世がインタビューしていきます。

今回のゲストは、親のトラウマケアの専門家 一般社団法人 国際セルフコーチング協会 代表理事の畑中映理子(はたなかえりこ)さんです。

一般社団法人 国際セルフコーチング協会 代表理事の畑中映理子さん

お仕事について教えてください

私は現在、国際セルフコーチング協会の代表理事をしています。

脳科学に基づいた心理学をベースに、ストレスやコミュニケーションに悩む人たちに講座やコーチングなどを通して様々なサポートを提供しています。

コロナ以降は、オンラインでの個人セッションや講座、講演もスタートし、全国からお集まりいただいています。


トラウマを経験されたとのことですが?

九州佐賀の今では過疎化に近い田舎で、私は育ちました。

本来の私は、積極的でチャレンジすることが大好きでした。

しかし父は九州男児で、教師という職業柄かなり厳しくしつけられました。

狭い田舎ですから、なにかあれば、すぐに父の耳に入ります。

いつも、父と世間の目を意識して過ごしていました。

「枠」からは外にはみ出してはいけない…父に恥をかかせたらいけないという見えない圧力がずっとかかっていました。

大学紛争の終わりかけの大学時代、卒業式を潰しにきた学生と機動隊の争いを目の当たりにし、この恐怖に満ちた体験が私に強烈なトラウマを残しました。

同時期に、住んでいた下宿の隣人が自殺未遂をし出火、身一つで焼け出されました。あまりのショックにしばらく食事を受け付けず体重が激減し、様々な人生の暗闇を垣間見る体験をしました。


トラウマから抜け出すことができましたか?

実は私は、その後産後鬱で電車も一人では乗れない、子育てもできないという状況を経験しています。

「また症状がでたらどうしよう…」という気持ちがいつもあり、多くの病院を受診しますが快方には進みませんでした。カウンセリングにより回復はしますが、完全に薬を手放せるようにはなりませんでした。

20年経っても時々やってくる不安定な状態は、いつも私を恐がらせていました。


50歳の頃、心身の不調から、カウンセリングを受けようと心療内科を受診。

その先生から「あなたもう鬱じゃないわよ」と言われます。

この一言が、「またあの症状がでたらどうしよう…」というトラウマ、あの暗闇から私を引き上げてくれました。

そしてさらに、「あなた、仕事したら」と。

考えてもみなかったことでした。でもそれは、鬱ではない、その先の未来に導かれていく自分を垣間見た瞬間でした。


東洋医学の療法で、自然治癒力を高めていくレイキヒーリングのスキルがあったことから、スペースを借りてヒーリングサロンを始めることにしました。

かつての積極的でチャレンジ精神旺盛の私が蘇ってきたのです。


そして、数年後にNLP(神経言語プログラミング)に出会います。

NLP(神経言語プログラミング)とは、成功している人の「心理のパターン」から、誰もが結果を出せるように体系化した「脳の取扱説明書」などと呼ばれる脳科学に基づいた実践心理学です。

これを学んだことで、恐れを手放すことができ、さらに未来ビジョンも見え、思ったことがどんどん実現していきました。

潜在意識の中に隠れている思い込み、恐れ…これがトラウマと呼ばれるものです。

私自身が、そのトラウマに苦しみ、そして抜け出せたからこそ、私は人々の「心の足枷」を全力で外していきたいと強く思うようになります。


国際セルフコーチング協会を立ち上げたきっかけは?

SNSもまだなかった時代、地域のフリーペーパーに広告を載せることから始まりました。

辛い思いをしてる人達を助けたいという想いが伝わったのか、応援してくれる人、ご紹介も増えていきました。

仕事はどんどん忙しくなっていき、自分ひとりでは限界を感じ始めます。

私のような人を増やせばもっと多くの人達を助けることができる…そんな思いから、2014年に協会を立ち上げ、講師の育成に想いを注いでいきます。

とにかく、人が元気になり、希望に満ち溢れた姿に変化していく…この瞬間に立ち会えることがなんとも幸せなんです。

「洞窟に入って苦しんだことのある人だけが、洞窟に入って苦しんでいる人を助けることができる」

学びの恩師からもらった一言が忘れられません。

辛かった過去を書き換えた経験者である自分だからこそ、苦しんでいる人に寄り添うことができると自負しています。


畑中さんのミッションは何ですか?

目の前にいる人々と共に愛を体験し、分かち合うことです。

人生の目的は、「愛」で生きることだと思っています。

生きていると色々な課題がやってきて、ストレスに感じることがあるでしょう。

でも、全ての物事を俯瞰して、愛の眼差しで見ることを習慣にし、潜在意識の深いところにある「心の足枷」を外していく。

すると、全ては人生を豊かにするための必然だったと思えるようになります。

これからも、愛の心で、多くの人と繋がり分かち合っていきたいと思っています。



【親のトラウマケアの専門家 畑中映理子さんのプロフィール】

一般社団法人国際セルフコーチング協会 代表理事

人は、もともと完全な存在です。
その完全な形に自分をRe-creation (再創造)する事によって家族や周りがさらに充たされ、潤い、その先にある社会も潤い、充たされていきます。
私達大人が、充たされた状態で、次世代を育成する事で、日本にとどまる事なく、国際社会へと羽ばたいて行く自信に充ち溢れた若者たちにバトンが渡され、未来へと繋がっていくと信じます。

著書 親子の意味―「親の呪縛」から自由になる方法

本の詳細はこちら



今回インタビューした畑中映理子さんのことをもっと知りたい方は、こちら女性起業家デジタルBookをご覧ください

親のトラウマケアの専門家 一般社団法人国際セルフコーチング協会 代表理事 畑中映理子さん


 

プロフィール

【インタビュアー】
サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
アラフィフ女性に特化した人材紹介「ララ・ワーク」
代表 長橋 知世

静岡県立沼津東高校卒
立教大学社会学部観光学科卒

一般企業、商業高校の教員として勤務したのち、出産を機に退職し家庭に入る。

2児の子育てが終わってから、社会保険労務士資格を取得。

2018年に横浜で社労士事務所の開業に至る。

40代50代女性がもっと社会で活躍すべきと、セカンドキャリアの女性コミュニティを立ち上げ、一年でメンバー100名とする。

主婦はキャリアだと認められる社会を目指し、アラフィフ女性に特化した人材紹介業を立ち上げ、企業とのマッチングを進めている。

Webサイト:サポートプラス社会保険労務士事務所
      セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ

セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」とは、人生経験を積み、さまざまなキャリアを経験した女性の第二の人生を応援していくコミュニティです。

ビジネスセミナーや食事会、交流会など、プライベートを楽しみながらビジネスをひろげていくための機会を提供しています。

自己成長できる場、仲間づくり、協業できる環境であり、女性の新しい生き方を承認し、これから社会に踏み出す女性にエールを送りたいと思っています。

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