第78回
元CA専門人材派遣会社Human Bank、日本のおもてなしを世界に届ける
サポートプラス社会保険労務士事務所 長橋 知世
このコラムは、どん底を経験した女性がなぜ起業に至ったか、そして今何のために、どんな思いで働いているのかを、サポートプラス社会保険労務士事務所の代表を務める長橋知世がインタビューしていきます。
今回のゲストは、Human Bank株式会社 代表取締役 元CA専門人材派遣の堀口恵子(ほりぐちけいこ)さんです。

お仕事について教えてください
Human Bank株式会社は、キャビンアテンダント(CA)経験者を中心とした人材派遣サービスを展開しています。イベントでのVIPアテンドや受付、外国語対応など、質の高い「接遇・接客」をメイン業務としています。
私自身も前職はCAでした。お客様が何を求めているのかを瞬時に察知する直感力や洞察力は目に見えない部分ですが、CA時代に培った私の強みです。この能力は現在の事業運営においても大いに活かされています。
7年間のCA業務を経て結婚し退職。その後、離婚や夫の事業失敗による負債など、人生のスランプ期を経験しました。しかし、その困難を自力で乗り越えた経験が、どんな時でも前向きに進む力を私に与えてくれました。
起業のきっかけは?
フリーランスとしてサッカーのVIPエリアでの業務に携わっていた時、大きな転機が訪れました。日韓ワールドカップの開催を控え、「元CAの接遇力が活かせるのではないか」と提案いただいたのです。制作会社の先輩のサポートを受け、約100名の元CAを集めたチームを結成。このプロジェクトは大成功を収めました。
その経験から、CAが培ってきた能力は、たとえ現場を離れていても決して色褪せないことを確信しました。彼女たちの高いスキルを眠らせておくのはあまりにもったいない。その思いから、彼女たちに代わってそのスキルの高さを世の中にアピールしたいという強い使命感を抱き、Human Bank株式会社を設立するに至ったのです。
現在の活動について教えてください
ありがたいことに口コミでのご紹介が広がり、現在は約1,000名が登録しています。そのうち2割はCA経験のない方々で、語学が得意な方や海外赴任から戻った方なども活躍しています。
育児や介護などで一時的に働けない時期があっても、落ち着いてから戻ってきていただけるよう、スタッフとのご縁を大切にしています。3年、4年経ってから再び登録してくださる方もおり、その度に大きな喜びを感じています。
年齢を重ねても得意分野を活かして社会と関われる場を増やすことを目指しています。50歳、60歳になっても自身の能力を発揮してほしい。もちろん苦手なことを克服することも大切ですが、得意なことで「私にもできる」という自信を取り戻してほしいと思うのです。
「日本のおもてなしは最高だったよ、このチームは素晴らしいね、またお願いするよ」。このような嬉しいお声をいただくことが増えました。チームとしてスタッフの皆さんと分かち合う達成感は格別です。
失敗から学んだ経験があるとのことですが?
私が受付業務を担当した医療系の学会での出来事です。お気に入りのパンプスに履き替えようとシューズ袋を開けると、中にはなんとビーチサンダルが入っていました。ビーチサンダルで仕事をするわけにもいかず、通勤時に履いていたレオパード柄のショートブーツのまま業務にあたらざるを得ない状況に陥ったのです。
この窮地を救ってくれたのは、クライアントの女性社長でした。彼女は私のブーツを「素敵、可愛いじゃない」と褒め、受付デスクでは足元が見えないことを指摘。さらに、周囲の医療関係者にもブーツを話題にして、その場の空気を和ませてくれました。失敗を寛容に受け止め、ユーモアに変える社長の優しさと機転に深く感動しました。怒られても仕方ない状況で私を救ってくれたその対応は、私自身が目指すべき女性像として強く心に刻まれています。
今後、堀口さんが目指していることは?
年齢を重ねても輝き続けるためには、自分を磨くことも大切です。50代になった私も、常に気をつけなければならないと思っています。小綺麗でいること、元気でいること、そして「圧」を与えすぎないこと(笑)。少しの工夫で印象は大きく変わります。
私は『50代で素敵女性になるためのヒント』という本を出版し、定年後も活躍できる「プラチナ層」を目指すことを提案しています。
Human Bankは、年齢を重ねるごとに増す経験と知恵という「財産」を眠らせることなく、誰もが自分らしく堂々と活躍できる舞台を用意します。人生100年時代を仲間と共に最高の笑顔で謳歌する――そんな未来に向かって歩み続けていきたいと考えています。
【元CA専門人材派遣 堀口恵子さんのプロフィール】
Human Bank株式会社 代表取締役
Human Bank株式会社は、航空会社の客室乗務員として豊かな経験を積んだスタッフを中心に構成しております。
「世界品質のホスピタリティー」の技量とマインドを持ったスタッフが、主に国際的イベントやコンベンションにおけるVIP対応の場面で高品質な接遇サービスを提供させていただいております。
大切なお客様をお迎えする格調高い場面において、商品に付加価値を添える接遇を要する場面において、人と人をつなぐビジネスの場面において、客室乗務員として確かな対応力を身に付けてきた弊社スタッフの能力を、ぜひ企業様のおもてなしの場面でご活用いただければと願っております。
女性が魅力的に活躍できる場の提供を広げ、企業様のさらなるご成功に貢献できるよう努力して参ります。

今回インタビューした堀口恵子さんのことをもっと知りたい方は、こちら女性起業家デジタルBookをご覧ください
Human Bank株式会社 代表取締役 元CA専門人材派遣 堀口恵子さん
プロフィール

【インタビュアー】
サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
アラフィフ女性に特化した人材紹介「ララ・ワーク」
代表 長橋 知世
静岡県立沼津東高校卒
立教大学社会学部観光学科卒
一般企業、商業高校の教員として勤務したのち、出産を機に退職し家庭に入る。
2児の子育てが終わってから、社会保険労務士資格を取得。
2018年に横浜で社労士事務所の開業に至る。
40代50代女性がもっと社会で活躍すべきと、セカンドキャリアの女性コミュニティを立ち上げ、一年でメンバー100名とする。
主婦はキャリアだと認められる社会を目指し、アラフィフ女性に特化した人材紹介業を立ち上げ、企業とのマッチングを進めている。
Webサイト:サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
主婦の就職支援「ララワーク」
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」とは、人生経験を積み、さまざまなキャリアを経験した女性の第二の人生を応援していくコミュニティです。
ビジネスセミナーや食事会、交流会など、プライベートを楽しみながらビジネスをひろげていくための機会を提供しています。
自己成長できる場、仲間づくり、協業できる環境であり、女性の新しい生き方を承認し、これから社会に踏み出す女性にエールを送りたいと思っています。
◆ララ・コンシェルジュについてはこちらから
・HP
・女性起業家デジタルbook
・ポットキャスト:え?わたしも働ける?人生薔薇色ラジオ
・YouTube:「ララ・コンシェルジュ」チャンネル
・インスタグラム :ララ・コンシェルジュ
・Facebook:ララ・コンシェルジュ
・公式ライン:ララ・コンシェルジュ
主婦はキャリア!
ララワークは、40代からの女性の再就職を応援します。
その方に合った就職先を一緒に探し、就職後もフォローアップします。
子育てがひと段落した主婦の方が、当たり前に活躍する社会を目指します!
◆ララワークについてはこちらから
・HP:主婦の就職支援「ララワーク」
女性の採用「ララワーク」
・公式ライン:主婦の就職支援「ララワーク」
- 第78回 元CA専門人材派遣会社Human Bank、日本のおもてなしを世界に届ける
- 第77回 “かけるしかない眼鏡”から“かけたくなる眼鏡”へ、女性の人生を後押ししたい!
- 第76回 自分らしく働ける社会を、ともに育てていく ~社労士と森林浴、二つの視点で“人”に寄り添う~
- 第75回 引き継いだ実家の印刷会社… デザイン事業を立ち上げ、会社の新しい柱に!
- 第74回 子育てしながら専門学校に入学、インテリアコーディネーターへ
- 第73回 コロナ渦で仕事が待機に…光に導かれ人気YouTuber占い師へ
- 第72回 若年性更年期障害と潰瘍性大腸炎が導いたフェムテックへの挑戦
- 第71回 実家の終活で母の想いを初めて知った…“命と想いのバトン”を未来へつないでいきたい
- 第70回 開業100周年を目指して、病院のように頼られる美容院へ
- 第69回 主婦から社長に!フラワーバルーンで笑顔を作る
- 第68回 夫が残した言葉を胸に…パティシエを経て食生活改善ヘルシー料理研究家へ
- 第67回 専業主婦からオリジナル化粧品を開発、ツヤ肌作りスペシャリストへ
- 第66回 結婚出産、復帰後の葛藤…弁護士として、そんなことに悩まなくてよい世の中をつくりたい
- 第65回 ひとりの女性として自信になるような写真を届けたい…
- 第64回 いつまでも挑戦はできる…50才を過ぎてから行政書士受験、そして開業
- 第63回 青年海外協力隊でフィリピンへ…ご縁が繋ぐ陶芸人生
- 第62回 料理を通して子供の生きる力を育てます!ママパパは一緒に喜んでくれるだけでいい!
- 第61回 心身不調のどん底を経験、義母の声かけでアナウンサーへ…
- 第60回 書くことに追われた経験から、WEBライター集団の会社経営へ
- 第59回 会社を退社しテレビ局のアナウンサーに!話し方が変われば、見える世界がかわる!
- 第58回 フラメンコに注力した人生…40歳で出産を経て臓活ヨガインストラクターへ
- 第57回 CAとしてまた教官としての経験を経て、「人財の価値」を上げる研修講師へ
- 第56回 すぐ辞めるつもりで就職して10年…、経験したスキルを活かして独立へ
- 第55回 理不尽に失われた犬の命…犬とそのご家族が幸せになってほしい
- 第54回 CAから転職…シニアライフプランコンサルタントとして人生に寄り添いたい…
- 第53回 商社勤務からカラーコンサルタントとして独立、ブランディング会社を起業…
- 第52回 一瞬でなくなった300万円…私と同じ思いはしてほしくない
- 第51回 離婚、借金、3人の子育て…がむしゃらに働き、たどり着いた究極のイヤーエステ
- 第50回 幼児教室を開校して30年、子供たちの“ひらめき”を育てます!
- 第49回 40歳で不動産会社を設立!お客様の人生を豊かにしたい!
- 第48回 夫の転勤で中国に…養生茶療師へ
- 第47回 自由奔放なペルー人との結婚、そして離婚… だから今の私がある!
- 第46回 ガン闘病の娘の思いを引き継いで笑顔を届けるサロンを開設...
- 第45回 夫の失踪…自由なんだからやりたいことをやろうと東洋医学の道へ
- 第44回 ボウエンセラピストは日本で14人…足りないんです…
- 第43回 顔面神経麻痺の経験から表情筋トレーナーへ…
- 第42回 不妊治療、離婚…みんなが笑顔で囲める食卓を目指し料理研究家へ
- 第41回 100歳までハイヒールでエレガントに美しく!
- 第40回 女性が自由に生きるためには、精神的に・経済的に賢く自立してほしい…
- 第39回 サバゲーの実力が目にとまり、トレーナーに…
- 第38回 40代・50代の女性をサポートしたい…結婚相談所開業
- 第37回 あなたらしい「素敵さ」の瞬間を、私が切り撮って伝えたい
- 第36回 昔飼っていた犬や猫に導かれ、どうぶつ心理療法士に…
- 第35回 若い方がいい…ではなく、私は私のままでいい! アラフィフ女性へコンパスノート術
- 第34回 ヒプノセラピーで多くの方を癒したい
- 第33回 苦しんでいる人に寄り添いたい、トラウマケア専門家へ…
- 第32回 薬剤師として今をより良く生きる「棺桶ワーク」を広めたい!
- 第31回 都会から田舎への移住、そしてシステム開発会社を起業...
- 第30回 楽しみながら自分をいかせる道、相続専門税理士へ…
- 第29回 子供のアトピーからたどり着いた風水鑑定士
- 第28回 現看護師として食生活と身体の関係を伝えていきたい
- 第27回 何もかも上手くいかない人生…筆跡鑑定が変えてくれた
- 第26回 育児だけじゃなくて仕事がしたい…リサイクルブティック経営へ
- 第25回 嗅覚反応分析で、もっと自分らしく、キラキラ輝く素敵な笑顔に…
- 第24回 実家は三代続く真珠屋、家業に全く興味がなかった…
- 第23回 働く人がイキイキと自分らしい人生を…キャリアコンサルタントへ
- 第22回 狭山市にママコミュニティ「さやマンセ」を立ち上げ、ママたちを元気に!
- 第21回 ナレーターとして出会うべき声とご縁を繋いでいきたい!
- 第20回 日体大なのに体操嫌い…短所をウリに変え人気体操インストラクターへ
- 第19回 すっぴんでルート営業をしていた私がエステシャンに…
- 第18回 着物は人のために着る…それは日本のおもてなしの心
- 第17回 定年と母の介護をきっかけに建物管理会社からエステサロンオーナーに…
- 第16回 離婚を決意した時、子供のために定年のない職業が必要だった…
- 第15回 子供の時から数字が大好き!そして経理のプロに…
- 第14回 30代後半で日本語教師に…アジアの学生の夢に寄り添いたい!
- 第13回 夫の永眠、コロナを経て、WEB制作の道へ…
- 第12回 どんな素敵なことを考えているのだろう…それを聴いてあげたい
- 第11回 ママたちの才能が埋もれること、それがもったいなくてしょうがない…
- 第10回 主婦からリハビリメイクの講師へ…
- 第9回 36才、アロマセラピストへの人生の決断
- 第8回 両親を亡くした時の後悔…生前整理アドバイザーへ…
- 第7回 1人のスーパースターをつくるより、10人のスターをつくりたい…
- 第6回 母から受け継ぎ、子育てから学んだ「家元」としての在り方…
- 第5回 専業主婦から、まさかの社会復帰…
- 第4回 結婚相手で人生がこんなに変わりました…
- 第3回 社会を造る建設業から想いを表現するカメラマンへ…
- 第2回 『やりたくないコト』を探して行政書士の勉強を始めました…
- 第1回 意地から始まった弁護士試験の挑戦だった…

