第7回
1人のスーパースターをつくるより、10人のスターをつくりたい…
サポートプラス社会保険労務士事務所 長橋 知世
このコラムは、どん底を経験した女性がなぜ起業に至ったか、そして今何のために、どんな思いで働いているのかを、サポートプラス社会保険労務士事務所の代表を務める長橋知世がインタビューしていきます。今回のゲストは、組織強化コンサルタント Office Yumi 片野由美子さんです。
なぜコンサルタントを目指されたのですか?
私は現在、中小企業の人材育成によって、その企業の発展を請け負う仕事をしています。
30年前、私は、大手アパレル企業のプロジェクトリーダーをしていました。
百貨店に入っている自社テナントの販売員教育が私の仕事です。
販売員は派遣会社から送られてくる販売のスペシャリスト。しかし、ファッションの専門家ではありません。
派遣であるがゆえ、彼女たちは帰属意識が薄い。そのため、会社のためにする「勉強」をあまり好みません。
日本中のお店で働く販売職が同じレベルの知識&スキルを身につけてお客様に接することが理想、だけど伝えられる人材が不足しており、システムでの解決が不可欠でした。
しかし、それをどうやって進めていくかが分からなかったのです。
そんな時、外部のビジネス交流会でコンサルタントのH先生と出会いました。
会社の状況を話すと、彼女は私に営業をかけてきました。
「あなたが考える教育システムを、私は創ることができます」
理想はあるけれども、作ることが出来なかった教育システムは、H先生のサポートを得て完成することになります。
まだNLPやコーチングが日本に知られていない時代、その技法を使って、各支店の担当を巻き込み、一年たらずで構築しまうその手腕。
私の発想は、彼女によって実現したのです。
私の感動は、システムが完成したことではなく、H先生その人と一緒に創り上げたことでした。
彼女と一緒に、人に教える仕事がしたい…それは、絶対に面白い!
そのときに生まれた小さな気持ちは、一年後に大きな決断となります。
私は、H先生と仕事を共にすることになります。
人に教えることの信条として持っているのは、「共育」ということ。
共に伸びる、共に育つ、これで組織が成長していくと信じています。
Office Yumiの「人材育成」とは?
「研修」をやって、この通りやりなさいではなく、受講する本人の納得感が大切です。この納得感を得てもらうために、まだやるの⁈というくらいくり返す、言い続ける、あきらめずに。
納得することで、それは自分の考え方となり、その人の自主性に繋がっていく。
ここまできて、やっと、スキルとして身に付くことになります。
世の中には、身に付かないスキルがほとんどです。
ひとり一人の成長にかかわっていくことが、身に付くスキルを手に入れる「共育」だという考えを、経験で学びました。
とあるスポーツジムで、組織の強化として、スタッフの教育を行いました。
マニュアルで動くのではなく、スタッフひとり一人が、自主性という自分の想いをもって、接客をするようになりました。
そのことで、退会者の減少、来店頻度の増加へと繋がり、売り上げもアップしていきました。
私の行った「共育」で、お客さんが喜ぶのはもちろん、スタッフ達が笑顔で仕事をしている…それが売り上げに繋がっている…こんなに嬉しいことはありません。
私がやっているのは、スキル研修ではなく共育。
教えるということは、その場での「わかった」ではないのです。
「わかった」を「できる」にすることが、私が必要とされている理由だと考えています。
今後、片野さんが目指していることは?
一緒に仕事をするようになって数年後、H先生が病に伏します。
お見舞いに伺ったときに、あの交流会で、なぜ私のことをロックオンしたのかを尋ねました。
「1人のスーパースターをつくるより、10人のスターをつくりたいと話すあなたの発想にいっしょに挑戦したかった」という言葉をもらいました。
そして、「あなたは仕事でもプライベートでも夢を実現させてください」という言葉を最後に、亡くなりました。
私はこれからも、先生の言葉を胸に、自分自身の学びを欠かさず、関わる人の「夢の発掘」のサポートを実践していきたいと思っています。
自分の生涯をかけて…そして、みんながスターになる社会を目指し…。
【組織強化コンサルタント 片野由美子さんのプロフィール】
Office Yumi 代表
プロジェクトリーダー育成や、会社組織化に手が回らない社長さまに、目標設定と目標を達成するための実行計画作りや人の力の借り方を、実務のプロジェクトサポート(進捗管理)をして、経営を前進させることが当社の仕事です。
今回インタビューした片野由美子さんのことをもっと知りたい方は、こちら女性起業家デジタルbookをご覧ください
プロフィール
【インタビュアー】
サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
アラフィフ女性に特化した人材紹介「ララ・ワーク」
代表 長橋 知世
静岡県立沼津東高校卒
立教大学社会学部観光学科卒
一般企業、商業高校の教員として勤務したのち、出産を機に退職し家庭に入る。
2児の子育てが終わってから、社会保険労務士資格を取得。
2018年に横浜で社労士事務所の開業に至る。
40代50代女性がもっと社会で活躍すべきと、セカンドキャリアの女性コミュニティを立ち上げ、一年でメンバー100名とする。
主婦はキャリアだと認められる社会を目指し、アラフィフ女性に特化した人材紹介業を立ち上げ、企業とのマッチングを進めている。
Webサイト:サポートプラス社会保険労務士事務所
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」とは、人生経験を積み、さまざまなキャリアを経験した女性の第二の人生を応援していくコミュニティです。
ビジネスセミナーや食事会、交流会など、プライベートを楽しみながらビジネスをひろげていくための機会を提供しています。
自己成長できる場、仲間づくり、協業できる環境であり、女性の新しい生き方を承認し、これから社会に踏み出す女性にエールを送りたいと思っています。
◆ララコンシェルジュについてはこちらから
・女性起業家デジタルbook
・ポットキャスト:え?わたしも働ける?人生薔薇色ラジオ
・YouTube:「ララ・コンシェルジュ」チャンネル
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・公式ライン:ララ・コンシェルジュ
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