日本・ASEANだより

第76回

【タイ】BOI恩典下で就労する外国人の給与額規定について

朝日税理士法人  執筆

 

概 要

2025年6月5日(公布日)、タイ投資委員会(BOI)は、承認された恩典下で就労するタイ人の適切な雇用割合や、外国人の就労に係る諸規定として、通知第 8/2568号を発行しました。

就労する外国人に影響するものとして、以下の表に記載の毎月の最低限の給与額(平均月収)が定められ、施行月は次の通りです。

公布日以前に承認された恩典については、2026年1月分の給与から適用

公布日以後の場合は2025年10月分の給与から適用

実務的には、就労ビザや労働許可の更新時にチェックされると考えます。

外国人の最低平均月収額:主なポジション毎に次の通り規定されました。


解説:留意事項

当該給与をタイ法人から外国人に全額支払う必要があるか否かについては、BOIの意図としては、タイ法人からの全額の支払を想定しているように理解できます。

一方で、タイ国外の本社等で支払われる留守宅手当等の給与があり、タイの個人所得税の確定申告で合算申告している場合において、合算することで上記の給与額を充足する場合に本通達を順守したことになるのか否か、についての具体的な解釈等は今のところ出ておりません。

しかしながら本通達の中で、就労ビザや労働許可の更新時には、通年タイで就労している外国人については年間給与所得の合計表(PND1Kor)にて、1年未満の者は月次の給与所得に係る源泉税申告書(PND1)にて、この最低平均月収の充足を考慮すると規定されています。従って、前者の場合は年間給与所得額を12ヵ月で割って1月当りの給与額を算定することになりますので、私見ではありますが、海外払いの所得を合算して月当たり15万バーツ以上となっていれば実質的には問題ない可能性が高いと考えられます。

結果として、タイ法人からの毎月の給与払いが最低平均月収に満たないものの、海外払いの給与がある場合には、所得税の確定申告(PND91、期限は翌年3月末)において年に一度に合算申告するのではなく、海外払い給与を毎月合算する必要が生じることになったと考えられますので、今後の実務の一助とください。

英語版はこちら

この記事の提供元:朝日税理士法人グループ

執筆
ASAHI Networks (Thailand) Co., Ltd.

朝日ネットワークス(タイランド)株式会社は、日本の税務・会計の専門家集団である朝日税理士法人グループと当社とをネットワークで結び、タイに「これから進出されようとするお客様」、「すでに進出されているお客様」に、高品質の会計・税務・法務のサービスを提供する会計事務所です。 オフィスはBTSサラデーン駅近く(徒歩3分)にあります。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 

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