多言語化を制するものがグローバル化を制する
筆者:WIPジャパン株式会社 上田 輝彦
グローバル化の新たな局面を解説するとともに、その波に乗る、あるいはその波に呑み込まれないための方法論を、事例を交えながら論じる
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お国なまり事情(オーストラリア編) グッダイマイト!日本でも旅行先として人気の高いオーストラリア。最近都市部や若い年齢層の間で強い方言が見られなくなってきたとはいえ、まだまだオージーイングリッシュと呼ばれる英語は健在。
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お国なまり事情(カナダ編) 仏語が公用語となっているケベック州や、ニューフィーといわれる独特のなまりがあるニューファンドランド州など、地方によっては強いアクセントをもつエリアもありますが、歴史的にはイギリス、地理的にはアメリカの影響が強いカナダでは、全般にクセがなくニュートラルで理解しやすい国際標準的な英語が使われています。
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お国なまり事情(アメリカ編) アメリカには英国のような複雑な方言分布はありませんが、エリアや人種によりさまざまなバリエーションがあります。
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第32回 世界の英語:お国なまり事情(英国・イングランド編)
お国なまり事情(英国・イングランド編) 現在の標準英国英語は、もともとイングランド南部(およびロンドン)の教養ある人々によって話されていたアクセント。
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通訳と翻訳、通訳者と翻訳者。この間には、役割と業務内容に明確な違いがあります。
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第30回 英語が苦手だからといって、海外との会議を避けていませんか?
海外とのビジネスチャンス、通訳者を利用することで、コミュニケーションの壁を取り除き、ビジネスの可能性を広げることができます。
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第29回 通訳サービス、使ったことありますか?:海外開催のセミナー受講
海外で開催されるセミナーや会議に参加する際、言語の壁が大きな課題となることがありますが、ネット環境さえあれば、自分のスマホ上でZoomを立ち上げ、通訳者に通訳してもらうことで簡単に解決できます。
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最近、オンライン会議の場においてもセクハラに該当する行為が問題になっています。
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第27回 通訳サービス、使ったことありますか?:逐次通訳と同時通訳
逐次通訳の場合は、発言を1~2分間程度で区切るようにしましょう。同時通訳の場合は、早口になりすぎないように話してください。
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第26回 通訳サービス、使ったことありますか?:通訳者が分かるように話す
訳者は、発言の内容を理解して初めて、正しく円滑な通訳をすることができます。正確で正しい日本語で話すことで、より効果的に通訳者に内容を伝えられます。
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第25回 通訳サービス、使ったことありますか?:事前打ち合わせが成功のカギ
通訳を依頼する際は、会議が始まる前に通訳者が関係者に質問をする時間をできるだけ設けるなど、事前の打ち合わせをすることを強くお勧めします。その方が通訳の品質が向上するからです。
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第24回 通訳サービス、使ったことありますか?:事前の情報提供が不可欠
通訳者は、会議参加者の発言をできるだけ正確に伝え、双方のスムーズなコミュニケーションを実現するために最大限の努力を払います。したがって、議題、会議目的、参加者/講演者に関する情報、これまでの経緯、専門用語などを把握する必要があり、事前準備において、お客様のご協力が欠かせません。
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第23回 通訳サービス、使ったことありますか?:同時通訳は2名
通訳には「逐次通訳」「同時通訳」がありますが、20-30分を超える同時通訳の場合は、通訳者2名が必要になります。なぜなら、同時通訳は、高い集中力が求められ、途中で交代しなければならないからです。通訳の交代のタイミングについても事前に通訳者と必ずお打ち合わせください。
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第22回 通訳サービス、使ったことありますか?:通訳者の労働条件
1日に8時間を超える場合、休憩、終了時間と延長について
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第21回 2022年4月 WIPニュースレター Think More Globally
1. 社長よりごあいさつ 「いつもお世話になっています」 2. 世界のオンラインミーティング:トルコ 3. 翻訳プロセスで意外と大切な「申し送り」とは? 4. WIPライブラリー:今月のおススメ本
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第20回 2022年3月 WIPニュースレター Think More Globally
1. 社長よりごあいさつ 「いつもお世話になっています」 2. 世界のオンラインミーティング:ロシア 3. 海外の競合会社、どのように調査するか? 4. WIPライブラリー:今月のおススメ本
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第19回 2022年2月 WIPニュースレター Think More Globally
1. 社長よりごあいさつ 「寒中お見舞い申し上げます」 2. 世界のオンラインミーティング:中国 3. 本当に実力のある翻訳会社の見分け方とは 4. WIPライブラリー:今月のおススメ本
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第18回 2022年1月 WIPニュースレター Think More Globally
1. あけましておめでとうございます!2022年は大荒れになりそう 2. 多言語・インテリジェンスで課題解決提案をする会社へ 3. その英語で大丈夫? 街中で見つかるおかしな英語
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第17回 2021年8月 WIPニュースレター Thin More Globally
1. 社長よりごあいさつ 「暑中お見舞い申し上げます」 2. 海外展開したい経営者105名に聞きました 3. 世界の商談ミーティング ― 豪州 ― 4. ワンストップで利用できる動画字幕翻訳サービスを開始
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1. コロナなかりせば、今月24日東京五輪開会式でしたね 2. そもそも、なぜ私たちが翻訳サービスを始めたのか、という話 3. BOOK Review:「日本語が世界を平和にするこれだけの理由」 4. “social” :「社会」という訳語の前に「人と人が会うこと」を想像したい
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連休中はWEBブラウザから注文できるクラウド翻訳がおススメです
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第14回 ビジネスを多言語化するには何をどうすればいいのか?
ひとまずのゴールは、4~5言語で日本語と同等のオペレーションができるようになること。そのための第一歩として、ウェブサイトや会社案内など自社が発信するツールを日本語以外でも用意すること。
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「翻訳」には色んな手法があり、それぞれに一長一短があります。
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もし日本語市場以外での事業機会獲得にご関心がおありでしたら、まずは売上の1%を多言語化に投資することをお勧めします。きっと十分なリターンが得られるでしょう。
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短い文章であれば精度が良くなっているが、長い文章、ニュアンスや感情に響くような表現が必要なものについてはまだまだ誤訳や訳抜けが多い。今後も人の手を介する翻訳の必要性がある。
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貴社のビジネスを多言語化するとどんなことが起きると思いますか?もし日本語市場以外の売上増にご関心がおありでしたら、売上の1%を多言語化に投資することをお勧めします。打ち手は沢山あります。経営戦略の次元から考え、手間・コストがかからず期待効果が高い項目から着実に展開していきましょう。
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2016年6月現在、世界のインターネットユーザーは約36億人、そのうち英語が約9.4億人(全体の26%)、英語以外が26.6億人(全体の76%)。非英語のユーザーの絶対数が圧倒的に増えている。日本企業は英語で何でも済ませる時代が終了していることに早く気付かなければならない。
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世界の言語を話者の多い順に並べると、日本人には馴染みのない言語が上位にたくさん登場する。 ほとんどが南アジアや東南アジアで使われている言語で、これまでは話者が多いものの一人当たりの所得が低く経済的に注目されてこなかった。しかしこれらの言語が使われている国/地域の多くは、将来的に経済成長が見込まれており、になると予測されている。その流れが鮮明になるにつれ、個別の言語でマーケティングを展開する必要性が高まるだろう。
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世界には約3千から8千の言語があると言われているが、そのうち90%が今世紀中に絶滅すると予測されている。言語は話者が百万人以上いないと衰退に向かうと言われているが、絶滅危惧種の保護が盛んな生物と異なり、言語の保護には世界の耳目が集まっていないのが現状だ。経済的なメリットがない言語は繋ぎ手が見つからないが、言語の多様性が失われるということは、生物的な多様性が失われることにもつながる。少数言語の保護についても、「私たちに何ができるか」という感覚を養うべきではないだろうか。
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世界には様々な言葉があり、言語ごとに、モノ・色・感情・天気・動植物・食べ物の呼び名が違う。加えて、周辺世界の「区別」「切り取り方」も変わる。このように、言語によって、見ている「世界」が違う。「区別」が違う。「切り取り方」が違う。つまり、「世界」をどう見ているか、が違うということ。それぞれの言語ごとに、日常的に重要で身近なものについては極めて豊かな「世界」がある。
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グローバル化に対応し、新たな事業機会を発見・獲得するには具体的にどのように動けばいいのだろうか?そのための最強にして必須の戦略が「多言語化」であり、その要諦は、「自分の伝えたい内容を、相手の言語特性・文化慣習・状況などに最適な形にする」ことである。言語や文化によって、世界の切り取り方は異なるので、単に直訳するだけであったり文法的に正しかったりするだけでは、コミュニケーションとしては不十分となる。 「自分が伝えたいメッセージや価値は何か」という点に立ち返り、「そのメッセージや価値は、相手の言葉や価値観においてはどうすれば伝わるか」を考えることが肝要である。
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視野を柔らかくするとは、いろいろな立場から物事を捉える・考えることを意味する。 人間は誰しも、自分が生まれ育った環境やこれまでの経験に囚われがちで、相当意識していないと、ついつい自分の慣れた視点のみで物事を判断しようとしてしまうが、多言語化によって、視点を柔らかくする習慣を身に付けることができる。 多言語化に取り組むことでこのような差異に気づくこと、それは自分の視点の数を増やし、価値観を柔軟で豊かなものにしてくれる。そしてそのような視点や価値観を持つことで、既存の製品やサービスへの見方も変わり、新たな提供方法が思いつく可能性が高まるし、新たな提供価値を見出せる機会も増えるだろう。
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「視野を広くする」とは、例えば、自身の事業領域とは異なる事業領域のこと、自身の市場とは異なる市場のことなどにも関心を持ち、知ろうとすることである。視野を少し広くするだけで、新たな投資をせずとも業績にプラスになるアイデアはたくさん見つかる。さまざまな市場や業界に関心を持ち、自社の提供価値とそれらを組み合わせたらどうなるかという思考実験を繰り返すことが大切だ。
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グローバル化をチャンスとして捉え、活用するには、「視座を高くする」「視野を広くする」「視点を柔らかくする」の3つの考え方を習慣づけることが肝要だ。そしてこれらは、むしろ、これからも国内だけで事業なり活動なりを続けていくことを想定している方にこそ、グローバル化の波に翻弄されないように心がけてほしいスタンスである。
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グローバル化の新たな局面を解説するとともに、その波に乗る、あるいはその波に呑み込まれないための方法論を、事例を交えながら論じる
WIPジャパン株式会社
代表取締役会長 上田輝彦(うえだ てるひこ)
福井・兼業農家出身。中・高では卓球選手。数学・世界史・世界地理を愛好。上智大学(法学部)在学中、欧州各国や中国等を跋渉、その後、住友銀行(大阪)、英国ケンブリッジ大学大学院留学(歴史学部)を経てWIP創業。オリンピック関連調査を端緒として、多言語および海外市場を対象にした事業のみに特化し現在に至る。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。
◆ 一般社団法人クールジャパン協議会 専務理事
Webサイト:WIPジャパン株式会社