第56回
【インドネシア】【再延長】景気刺激策の期間延長
朝日税理士法人 執筆
新型コロナウィルスの景気刺激策として従来から税金の減免制度が継続して施行されていることはご承知の通りです。
2022年度の減免税制度は、財務大臣令(No.3/PMK03/2022” PMK-3”) が公布されていますが、この減免税期間が延長される趣旨で2022年7月11日付け財務大臣令(No.114/PMK03/2022”PMK-114”)が公布されましたので以下お知らせ致します。
PMK-114の主な内容は下記のとおりです。
* 減免税制度の内容はPMK-3から変更はない
* 減免税制度が適用される会社はPMK-3から変更はない
* 減免税の対象期間が2022年12月まで延長
以下PMK-114の規定内容および改正点については太字で記載しています。
PPH25(法人税予納)の納税額の軽減
特定事業分野に該当する会社はPPH25の要納税額の50%が軽減できます。
【適用可能企業】
適用企業数は従来と同様156業種に限定されています。
特定の事業分野156業種についてはPMK-3の付表Lampiran Fをご確認下さい。
【軽減対象期間】
2022年12月度までに延長されました。
【適用を受けるための手続】
・ 軽減申請は原則租税総局www.pajak.go.idのオンラインから申請します。従来軽減適用されていても2022年12月度に恩典を受ける場合は改めて申請が必要となります。
・ PPH25の軽減許可を受けた後にオンラインによる実施報告書提出が必要となります。
・ 実施報告書の報告期限は軽減を受けた月の翌月20日となります。
・ 2022年7月度よりPPH25の軽減を受ける場合、PMK-114の公布日後30日以内(2022年8月10日まで)にオンライン申請が必要となります(申請メニューは本日時点でオープンしていません)。
PPH22(輸入時の前払法人税)の不徴収
特定事業分野に該当する会社のPPH22は免除を受けることができます。
【適用可能企業】
適用企業は従来と同様72業種に限定されています。
特定の事業分野72業種についてはPMK-3の付表Lampiran Aをご確認下さい。
【免除対象期間】
免除申請を行った日から2022年12月末までに延長されました。
【適用を受けるための手続】
・ 免除申請は原則租税総局www.pajak.go.idのオンラインから申請します。従来免税の適用を受けていても2022年12月末まで恩典を受ける場合は改めて申請が必要となります。
・ PPH22の免除を受けた後オンラインによる実施報告書提出が必要となります。
・ 実施報告書の報告期限は軽減を受けた月の翌月20日となります。
特定の建設サービス売上にかかるファイナルタックスの免除
建設業では、その事業規模やサービスの形態に応じて売上に対して2%~6%の法人税がファイナルタックス(PPH4-2)として課されています。
今回の規定では、このうち農業用水などの灌漑関連施設建設など極めて限られた建設サービスについてファイナルタックスの免除を受けることができます。
【適用可能企業】
建設業者のうち、農業用水(灌漑)設備の修繕、改良等に関する建設サービス売上についてはファイナルタックスが免除されます。
(弊社注記: 免除対象となるサービスが極めて限定的であることから、この税務恩典を受ける企業は少数に留まるものと思われます)
【免除対象期間】
2022年12月度まで延長されました。
【適用を受けるための手続】
・ 免除申請は原則租税総局www.pajak.go.idのオンラインから申請します。従来免税の適用を受けていても2022年度に恩典を受ける場合は改めて申請が必要となります。
・ PPH4-2の免除を受けた後オンラインによる実施報告書提出が必要となります。
・ 実施報告書の報告および修正申告の期限は2023年1月31日です。
以上は執筆時点(2022年7月26日時点)の情報に基づいて作成していますが、適時変更される可能性がありますので、実際の税務対応については個別にご相談ください。
以 上
この記事の提供元:朝日税理士法人グループ
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