多言語化を制するものがグローバル化を制する

第80回

世界の商談ミーティング: チュニジア (独断と偏見シリーズ)

WIPジャパン株式会社  上田 輝彦

 

世界の商談ミーティング: チュニジア (独断と偏見シリーズ)

「アフリカ」というより「南欧」の風が吹く、かつてローマ帝国と覇権を争った商業国家「カルタゴ」

2026年W杯、日本と同組になった「カルタゴの鷲」ことチュニジア。 サハラ砂漠のイメージがありますが、ビジネスの現場は驚くほど「地中海的」かつ「フレンチ」です。元フランス領のため、商談は流暢なフランス語で進み、パリのカフェのようなスマートな雰囲気で幕を開けます。

しかし、彼らの血管には、かつてローマ帝国と覇権を争った商業国家「カルタゴ」の血が流れています。

まずは名物の「松の実入りミントティー」でもてなされます。表面に松の実が浮く甘いお茶を飲みながら、彼らは非常に人懐っこい笑顔で「友よ!」と肩を抱いてきます。 ですが、ここからが本番。彼らは笑顔のまま、価格交渉では一歩も引かないタフな「商人」へと変貌します。人情派に見えて、計算は緻密。

時間感覚は、アラブ特有の「インシャアッラー(神が望めば)」のゆったりリズムを持ちつつも、欧州に近い地理的感覚からか、そこまでの遅刻はしません(あくまで「そこまで」ですが)。

甘いお茶と地中海の陽気さにリラックスしていると、気づけば相手のペースで契約させられているかも。 歴史ある商売人のしたたかさを味わえる国です。

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WIPジャパン株式会社
代表取締役会長 上田輝彦(うえだ てるひこ)

福井・兼業農家出身。中・高では卓球選手。数学・世界史・世界地理を愛好。上智大学(法学部)在学中、欧州各国や中国等を跋渉、その後、住友銀行(大阪)、英国ケンブリッジ大学大学院留学(歴史学部)を経てWIP創業。オリンピック関連調査を端緒として、多言語および海外市場を対象にした事業のみに特化し現在に至る。「グローバルビジネスほど面白いものはない」が信条。

一般社団法人クールジャパン協議会 専務理事


Webサイト:WIPジャパン株式会社

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