プロコーチが紐解く部下育成の視点

第6回

「人の輪」を築けば、会社はすべて上手くいく

五十嵐 久 2015年6月3日
 

 仕事の現場において、日頃から社員の人たちは地道な努力を重ね学習し力をつけていきます。しかし会社というのは個人プレーだけが秀でていても成長は見込めません。チームワークを損なってはせっかくの持てる力を集団の力として発揮することはできません。

 人の輪を築くこと、すなわちチーム・スピリットを持ち、連帯を深めること。

 これができれば、会社は必ずよい方向へ動いていきます。

 人の輪の形成と聞いて、仲良しクラブ的なイメージを抱く人がいるかもしれませんが、「仲良し」とはまったく異なります。全員が等しく士気旺盛に仕事に取組み、仕事のやり方について十分に討議し、自由な発想で意見や主張や反論を述べ、個性を重んじそれを否定せず、個々の苦手な部分は他の仲間が補完する、といった強固な連携のことを言うのです。

 何でも一人でやろうと一匹狼を気取っても、一人の力など、会社全体で見れば些細なものです。仲間同士の個性を認め合い助け合ってこそ、全体が輝くのです。「会社の成長のために頑張ろう」というコンセンサスが社員同士の中に芽生えるのです。

それでは、経営者は「人の輪」を築くためにどのようなことを試みなければならないのでしょうか。

①  社員各人の性格や得意分野を把握した上で、それぞれに見合ったアドバイス、動機付けを行う

②  社員同士は心の拠りどころとして連帯感を持たせるが、一方でライバルとして切磋琢磨させる

③  社員に対する自分の言動、行動を常に意識する(社員を公平に扱っているかなど)

④  社員同士、上司と部下が互いに自由な雰囲気で話し合える場を作ることを常に心がける

⑤  会社のビジョン、組織・チームのミッションを明確にする

⑥  常に社員とのコミュニケーションを活発にする

 

「どのような小さな約束でも守る」

このような項目が挙げられると思いますが、実はもっと大切なことがあります。

社員としての規範、社会人としてのルールを守ることを徹底させることです。そんなこと当たり前と感じるかもしれませんが、実はその部分が意外とルーズになっている企業が、大会社でも見受けられるのです。

 その中でも特に注意を払わなければいけないのは「社員にちゃんと約束を守ること」を肝に命じさせているかということです。

 待ち合わせ場所、朝礼、ミーティング、会議への遅刻、お客様の依頼への不履行、上司から命じられた仕事を約束の日時までに終わらせられない、などをそれほど悪気がなく繰り返す社員がいればそれは上司の管理責任を問われることであり、社長の会社を思う気持が社員に届いていないという証拠でもあります。

 会社の中で社員が一体となって人の輪を築くためには、「どのような小さな約束でも守らなければならない」が社内のコンセンサスになっていなければなりません。約束事が成立するには、社員同士が信頼し合うという意思が働くからです。信頼のおけない人とは誰も約束などしません。信頼を一度失うと取り返しがつかなくなることは皆さんもご存知だと思います。約束を守れない社員が一人でも出ると、人の輪に綻びが生じます。

 
 

株式会社コーチビジネス研究所
五十嵐 久

新潟県小千谷市出身、埼玉県川口市在住。
大学卒業後、公的な中小企業支援機関に勤務。
中小企業診断士として、経営相談、資金調達支援、創業支援、再生支援業務、人材育成などに従事。2007年から、銀座コーチングスクールにてコーチングを学び、同年10月同スクール認定コーチとなる。以後、起業を目指す方や中小企業経営者の方を主な対象に、コンサルティングとコーチングを融合させたコンサルティング・コーチとしてサポートする傍ら、埼玉県浦和駅前並びに東京・池袋にてプロコーチ養成のためのコーチングスクールなどを運営している。2014年3月(株)コーチビジネス研究所設立、代表取締役就任。銀座コーチングスクール埼玉校、池袋校共同代表。中小企業診断士、銀座コーチングスクール認定プロフェッショナルコーチ、日本マーケティングコーチ協会認定マスターコーチ、産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

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