人材アセスメントの時代

第13回

これからのアセスメントプログラムに必要な視点-2

金野 美香 2013年8月21日
 

 これからの時代に必要なリーダー人材を見極めるアセスメントを行なう上で必要な視点として、「ファシリテーション力」があげられます。

 ファシリテーション力とは、会議などの場で話し合いがスムーズに進むように発言を促したり流れを整理したりしながら合意形成や理解を促す力のことです。リーダーがこの力を発揮することによって、会議等の場を通して組織活性化や組織全体による協働を促進させることができます。

 人材アセスメントにおいては、特に「グループ討議」の科目でこの力を見極めることができます。例えば、ある企業の管理職登用試験でグループ討議を行なった際に、和気藹々と話し合いが進むグループと、各自の発言が途切れて沈黙ばかりが続くグループ、という大きな違いが見えてきました。更に観察してみると、どうやら進行役を担う人の討議の進め方によってそのような違いが生まれてきたということが分かりました。前者のグループは、進行役がメンバー全員に対して意識的に発言を促し、まずは多くの意見を出していきます。そしてフセンを使って全員が手を動かして整理しながら、たくさんの意見を徐々にまとめ上げていきます。対して後者のグループでは、進行役が順番に発言を促しますが、誰か一人の意見に対して「私も〇〇さんと同じです」と続くばかりで、意見が増えていきません。そして皆がそれぞれにメモをとっているので、話し合いのプロセスを共有できないままに、いつの間にか制限時間に近づいてしまいました。

 組織において“話し合い”の場は不可欠です。多くの場合で進行役・仕切り役を務めるリーダーの話し合いの“かじ取り”次第で、限られた時間の中でも成果を生み出す有意義な話し合いになるかどうかが決まります。その“かじ取り”の力がファシリテーション力であると言えます。ファシリテーションの具体的な手法については様々な書籍が出ていますのでこのコーナーでの説明は省きますが、リーダーがファシリテーションの大切さを認識しているかどうかで、組織の生産性にも大きな違いが出てくるのではないかと思います。

 
 

プロフィール

金野美香(きんの みか)

(有)人事・労務 ヘッドESコンサルタント
厚生労働省認定CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
日本ES開発協会(JES) 専務理事
グリーン経営者フォーラム 会員

日本初のES(従業員満足)コンサルタントとして、「会社と社員の懸け橋」という信念のもと、クレドを柱としたES向上プログラム“クレボリューション”の実績を重ねる。また、インバスケット等を活用したリーダーコーチングも実施。最近は「はたらく元気は、地域の元気・日本の元気!」をテーマに、ESにSS(社会的満足)の要素を加えた“ESR”の視点からの組織づくり手法を企業で実践し、高い評価を得る。宮城県仙台市出身。
http://www.jinji-roumu.com/inbp.html

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