人材アセスメントの“科目”には、これまでお伝えしてきたように「インバスケットテスト」による問題解決力・意思決定力の見極め、「ケーススタディ」による課題抽出力の見極めに加えて、「面接」「グループ討議」もあります。今回は「面接」についてお伝えしていきたいと思います。
面接と聞くと、面接官の前で自分の考えを述べる場面を想像するかもしれませんが、実は面接には大きくは二種類あります。一つは、面接官との面接内容を評価するもの。そしてもう一つは、面接のロールプレイングを評価するものです。
前述の形式の場合は、予め面接での質問項目を用意しておき、それを投げかけながら、受験者の適性を見極めます。例えば「過去の自己の業務を棚卸しした中で一番成果に結びついたと考えられるものについて」という質問。どのような業務をテーマに取り上げるのか、どの程度のことを成果と捉えているのか、等を掘り下げながら、受験者が成果を上げる上でどのような行動特性を発揮するのかを見極めていきます。この時、中には「何が自分の成果と言えるのかが分からない」という人が出てきます。自分の業務が補佐的だから直接成果には結びついたとは言えない、あるいは自分に自信がないので成果とは言い切れない、といった意見です。これでは、そもそも管理職としての役割は任せられません。表には見えないプロセスの大切さや仕事の誇りを見失っている人が部下たちの成長を促すのは難しいのです。
対して「面接ロールプレイング」では、問題行動のある部下を動機付けする上司役を演じたり、互いに思惑のある立場同士で一つの案件の落としどころを探ったり、という形式です。この場合、「演じる」場面を通して受験者の行動特性を見極めていきますので、なるべく負荷のかかるシナリオを設定する必要があります。
いずれの面接においても、重要なのは「自社の管理職としての人材像」を具体的に描いておくことです。“チャレンジ精神”や“スピード”といった望ましい行動特性を明確にしておくことで、面接の場を通して表現される本人の特性を正しく評価することができるのです。