女性活躍企業100選 ~女性の採用「ララワーク」~

第8回

「人を活かす経営」で多様な人材が活躍する組織づくり――介護人材の定着率が高い福祉創造株式会社の取り組みとは

株式会社With us  執筆

 


このコラムは、女性が活躍し成長を遂げている企業が、今どのような取り組みをしているのか、女性活躍に対する企業の思い、今後の展望などを、女性の採用「ララワーク」の長橋と福田が女性目線でインタビューしていきます。

今回は、福祉創造株式会社 代表取締役社長 石河 幾久雄様に話を伺いました。

女性が働きやすく、人材が定着する環境づくり

― まずは、御社の事業内容を教えてください。

介護・福祉の事業を行っています。具体的には、訪問介護、障害居宅介護、介護タクシー、サービス付き高齢者向け住宅(※)や就労継続支援B型事業所(※)などを運営しています。

(※)サービス付き高齢者向け住宅とは:介護サービスや医療サービスを利用できる高齢者向けの住宅

(※)就労継続支援B型事業所とは:障害などの理由で就労が難しい人が、自分の体調や能力に合わせて作業に取り組める福祉サービスの事業所。事業所にはA型とB型があり、B型の場合は雇用契約がなく、作業に応じた工賃が支払われる。

サービス付高齢者向け住宅「光明」


― 職員の方の男女比はどれくらいですか。また、女性が多い職場と伺っていますが、人材の定着のためにされていることはありますでしょうか。

職員の9割が女性です。子育て世代の従業員も多いので、時間通りに帰宅できる仕組みを作ったり、PTAなど学校行事を考慮してシフトを組んだりと、子育てと仕事を両立しやすいように環境整備に努めています。

皆に長く働いてもらうために、「この会社は居心地がいい」「ここで頑張りたい」と思ってもらえるような組織にしたいですね。

― 有給休暇の取得については、どのような取り組みをされていますか。

休暇を取りやすい雰囲気にするために、管理者に積極的に取得してもらうようにしています。ただし、介護事業のため常に一定数の人手は必要なので、他のスタッフと調整しながら取得してもらっています。

― パートから社員になる方も多いと伺いました。

そうですね。たとえば、事務のパート社員がヘルパー資格の介護職員初任者研修を取得し、少しずつ仕事の幅を広げて最終的に正社員になるといったケースは多いです。

資格を取得する際は、費用は会社が全額負担して、受講中も出勤扱いにするなど、会社が全面的に支援しています。

― 介護業界は社員の定着率が低いといわれていますが、会社が費用を負担して資格を取ってもらっても、その方が辞めてしまうことはないのでしょうか。

以前はそのようなこともありましたが、最近はスタッフが定着するようになってきました。ですので、今はさらに上のヘルパー資格である介護福祉士実務者研修の取得も推進しています。

「人を活かす経営」で多様な人材が活躍

― 人材が定着するようになった要因は、どのような点にあるとお考えですか。

そうですね。「人を活かす経営」に重きを置いているからかもしれません。

弊社では、社員を最も信頼できるパートナーと捉えて、共に育ち合うことを大切にしています。また、ただ同じ仕事を毎日繰り返すのではなく、全員で同じ方向を向いて、同じ目標を持って事業を進められるように、年に一度全員集合してもらい、次の1年間は何を目指し、どういう活動をするのかを伝えるようにしています。


― 「人を活かす経営」は、御社の障がい者雇用への取り組みにも表れていますね。

障がい者雇用については、今は国の制度がありますが、その制度ができる前から取り組んでいました。障がい者の方にはそれぞれ特性がありますが、その特性を理解して生かすようにしているので、それぞれに活躍してくれていて、とても助かっています。

障がい者の方には植栽や掃除の仕事からスタートしてもらっているのですが、ある職員は、介護福祉士実務者研修の資格を取得して、弊社の就労継続支援B型事業所「ファースト」に勤務しています。障がい者枠で採用したのですが、今は本人の希望でその枠から外し、健常者として勤務していますよ。

また、弊社では近隣のインクルーシブ教育実践推進校(※)の実習を引き受けているのですが、その担当をしているのも、障がい者として採用した職員です。

もしかしたら、多くの職員は、彼らが障がい者であるという認識を持っていないかもしれません。それくらい、健常者と同じように活躍してくれています。

(※)インクルーシブ教育実践推進校とは:生徒同士が互いに認め合い、多様性を尊重し、お互いのよさを生かして協働できるようになることを目指す高校。

― 御社が今後取り組みたいことや目指したいことは、どのようなことですか。

そうですね。まず、就労継続支援B型事業所の工賃を上げたいです。弊社の事業所は神奈川県大和市にあるのですが、現在はおそらく大和市で2番目くらいだと思っています。これを、神奈川県内で最も高い水準にまで引き上げたいですね。そして、就労継続支援B型事業所のモデルとなって、業界全体の底上げができるようにしたいと考えています。

また、会社全体としては研修を積極的に取り入れていきたいです。弊社の旭事業所ではすでに研修を取り入れていて、全員で参加してもらっているのですが、目に見えて職場の雰囲気や仕事のクオリティが高くなりました。ですので、他の事業所でも研修を取り入れて、働きやすく、地域や関係者からも信頼される組織にしていきたいですね。


インタビュー企業:福祉創造株式会社


 

プロフィール

【インタビュアー】
株式会社With us 女性の採用「ララワーク

女性の採用「ララワーク」とは…
子育て経験のある女性が、当たり前に社会で活躍する、そんな女性活躍社会を目指して、女性がいきいきと働く企業を増やします!子育てというキャリアをもった女性人材を企業に紹介し、定着のサポートまでお任せください。

◆ララワークについてはこちらから

 ・HP:主婦の就職支援「ララワーク」
     女性の採用「ララワーク」
 ・公式ライン:主婦の就職支援「ララワーク」


株式会社With us 代表取締役 長橋 知世
静岡県立沼津東高校卒
立教大学社会学部観光学科卒

一般企業、商業高校の教員として勤務したのち、出産を機に退職し家庭に入る。2児の子育てが終わってから、社会保険労務士資格を取得。

2018年に横浜で社労士事務所の開業に至る。

40代50代女性がもっと社会で活躍すべきと、セカンドキャリアの女性コミュニティを立ち上げ、一年でメンバー100名とする。

主婦はキャリアだと認められる社会を目指し、アラフィフ女性に特化した人材紹介業を立ち上げ、女性が活躍する企業を増やし、本当の意味の女性活躍社会の実現を目指して活動している。

Webサイト:女性の採用「ララワーク」
      主婦の就職支援「ララワーク」
      セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」
      サポートプラス社会保険労務士事務所


株式会社With us 取締役 福田 由季子
桐蔭学園高等学校卒
立教大学理学部数学科卒

IT企業に勤務後、退職して夫の海外駐在に帯同。現地で出産・子育てに専念する。

帰国後、専業主婦の在宅ワークチームを立ち上げ、PCスキル指導を通じて再就職を支援。

現在は、IT企業で企業ホームページの集客支援や採用サイト制作を手掛けるほか、企業研修講師として人材開発にも携わる。

Webサイト:株式会社ウェブリックハウス


セカンドキャリアの女性コミュニティ「ララ・コンシェルジュ」とは、人生経験を積み、さまざまなキャリアを経験した女性の第二の人生を応援していくコミュニティです。

ビジネスセミナーや食事会、交流会など、プライベートを楽しみながらビジネスをひろげていくための機会を提供しています。

自己成長できる場、仲間づくり、協業できる環境であり、女性の新しい生き方を承認し、これから社会に踏み出す女性にエールを送りたいと思っています。

◆ララ・コンシェルジュについてはこちらから

 ・HP
 ・女性起業家デジタルbook
 ・ポットキャスト:え?わたしも働ける?人生薔薇色ラジオ
 ・YouTube:「ララ・コンシェルジュ」チャンネル
 ・インスタグラム :ララ・コンシェルジュ
 ・Facebook:ララ・コンシェルジュ
 ・公式ライン:ララ・コンシェルジュ


サポートプラス社会保険労務士事務所は、横浜を拠点に、企業様の保険関係手続き、給与計算、人事労務相談、助成金のサポートをしております。
事務所開設当時から、スタッフは全員女性で、テレワーク雇用を可能としており、子育てと両立しながら働くことができる環境づくりを実践しております。
サポートしている顧問先様の成長が一番の喜びです。

◆サポートプラス社会保険労務士事務所についてはこちらから

・HP:サポートプラス社会保険労務士事務所


株式会社ウェブリックハウスは、SEO対策を柱とし、戦略コンサルティング、企業研修を行う企業です。
毎月40万人を集客するライター集団が、お客様の会社の売上アップに貢献します。

◆株式会社ウェブリックハウスについてはこちらから

・HP:株式会社ウェブリックハウス

女性活躍企業100選 ~女性の採用「ララワーク」~

同じカテゴリのコラム

おすすめコンテンツ

商品・サービスのビジネスデータベース

bizDB

あなたのビジネスを「円滑にする・強化する・飛躍させる」商品・サービスが見つかるコンテンツ

新聞社が教える

プレスリリースの書き方

記者はどのような視点でプレスリリースに目を通し、新聞に掲載するまでに至るのでしょうか? 新聞社の目線で、プレスリリースの書き方をお教えします。

広報機能を強化しませんか?

広報(Public Relations)とは?

広報は、企業と社会の良好な関係を築くための継続的なコミュニケーション活動です。広報の役割や位置づけ、広報部門の設置から強化まで、幅広く解説します。