外国人材採用への道

第7回

【ユニバーサル協同組合】代表理事:狩野牧人さん

株式会社アゴラ  柏木 太郎

 

コラム「外国人材採用への道」は、外国人材のプロフェッショナルである「監理団体」や「登録支援機関」の代表に外国人材採用に関するノウハウを教えていただくインタビューコラムです。今回のインタビューは、介護技能実習に特化している、ユニバーサル協同組合の狩野代表理事に外国人材採用に関するお話を伺いました。

世界の企業と人による、夢の懸け橋を

ユニバーサル協同組合:狩野代表

「監理団体を立ち上げた経緯」

当法人グループは、高齢者福祉事業、児童福祉事業、障がい福祉事業、飲食事業等を展開しております。

ユニバーサル協同組合は、今後の日本国内での人材不足を見据えて、 8年前に設立いたしました。当初は、当法人向けに作った監理団体でありましたが、昨今では同業種を始め、多くの他事業者様からの人材不足に関する相談が増えてきました。

設立前、いくつかの協同組合様よりお話を伺いましたが、教育の状況や人材の状況等、あまりに不透明な点が多く、料金設定も曖昧で十分な理解には至りませんでした。 

このことから、直接送出し機関へ出向き現地調査をしなければならないと考え、ベトナムに詳しい方のご紹介で、ベトナムの日本語学校と送出し機関を、20社ほど訪問させて頂きました。そこで、驚かされたのが、ベトナムでは、学生から3,600USドル以上徴収してはならないという国の法律が守られておらず、ブローカーを雇っている送出し機関等も発覚し、日本人の先生や現地のN2レベルの先生、学校によって教え方、指導の仕方が異なる等、送出し機関の選定が最も重要になると感じました。 

企業は、送出し機関を指定はできないことから、送出し機関の選定は、協同組合の責任になってしまいます。そうしたことから、他の協同組合へ依頼するのではなく、自社で組合を設立するに至りました。

「優良な送出し機関との提携が重要」

介護人材については、工場、建設業、食品加工等と違い、介護技術とコミュニケーションが大切になる為、当施設への受け入れを考えました。

言葉の壁はどこまで解消されるのか?・・・日常会話だけではなく、専門用語を覚えていただかなければならないことから、事前に資料を実習生本人へ送り、回覧してもらったり、企業への配属前に出来る限り多くの学びが得られるよう努めました。 

送出し機関の選定には、相当の時間を費やし、慎重に検討しましたが、最終的には、送出し機関を30社訪問させていただき、3社との契約に至りました。 

柔軟に対応ができるか、ブローカーを雇っていないか、日本人の講師がいるのか、生徒数や、生徒との説明を十分に伝えているのか、(トラブル防止)家族との面談は行っているのか、ただ単に、自己紹介だけ教えて面接をしていないか等を契約における検討材料と致しました。

「監理団体の特徴」

当法人は、介護に特化した監理団体です。 

有資格者(介護福祉士の資格を持った者)がいることや、予め、どのような教育が必要なのか等、介護経験がない監理団体とは、全く異なると考えております。 

介護に特化した専門スタッフが多い為、入国前・入国後講習や配属してからのフォロー等、しっかりとした対応を行うことができます。そのため、介護技術においては、他団体より上達しやすい環境であると自負しており、一例ではございますが、①介護事故について、②感染症の予防について、③身体拘束、褥瘡の予防について等、介護の知識をしっかり教育することが出来るものと考えております。


「監理団体のビジョンやミッション」

現状の技能実習の業務を、責任をもって進めていき、企業側からも実習生側からも、良い監理団体であることの評価を受け、口コミだけでも利用者が増えていくような、信頼できる監理団体になれればと思い、今後は技能実習修了後の海外での雇用先の推進も出来ればと考えております。

「充実したサポート体制」

①外国人1人1人に対して細やかなサポ-ト体制の充実 

訪問時に常に実習生にヒアリング。LINEでいつでも連絡が取れるようにして、質問や問題(体調管理含む)に迅速に応え行動しています。 

②信頼できる送り出し機関との連携で速やかな入国と入国後サポ-ト 

まずは、送出し機関の担当者が信頼できる人物であるか否か、日本語はどれぐらい話せるか、しっかり会話します。入国前講習をきちんと実施して、随時実習生毎の進行状況・日本語取得状況を虚偽なく報告する。又、書類等の組合側の依頼に迅速に対応し、実習生から定められた金額以外は徴収しない送出し機関と提携するよう努めます。このことからも、これらと逆の事を実施している送出し機関は、信用に欠けるものと判断致します。

③通訳を通して、企業と外国人との問題点の解決 

例えば、実習生に日本語で作業指示をした場合、日本語の意味を違う意味に受け取ってしまい、全く逆の事を行い上司とぎくしゃくした関係になってしまったことがありました。実習生は指示の通り作業をしたと思っているのに、企業側は指示通りしなかったと互いの考えがすれ違っていたことで溝が深まりましたが、きちんと通訳を介し、話し合いの場を設けることで解決致しました。 

実習生にとっては、ちょっとした日本語のはき違えで人間関係が悪くなるので、そういう問題が発生した時は、すぐに通訳を通して対応しています。 

④日本語教育指導、日本語検定JLPT検定の為のサポ-ト 

当組合では、独自にN5~N3別の「まいにちにほんご」という参考書形式の教材を作成しており、その各教材から問題を出題してテストを定期的に行い、JLPT検定対策として、JLPTの過去問題(文字・語彙・文法・読解・聴解)でテスト練習を実施しております。



「外国人材採用に関する注意点」

何の為に日本に来たのか、夢や目標はあるのか、将来どうなりたいか、徹底的に聞くこと。日本で何を学びたいか、マニュアルにはない質問をして、現状の日本語能力で答えてもらう。失踪防止の為にも、現状の借金状態等(送出し機関や、その他ブロ-カ-に多額のお金を徴収されていないか)の確認。普段の行動や言動に注意をはかり、企業側と常に情報交換を行うこと。 

失踪後のリスクがどのようなものかを伝えて、現状の企業で3年間働くことで、将来どんな可能性が生まれるか(特定技能1号・2号)、明るい未来のシュミレ-ションを提示する事で将来の夢を感じさせることが重要だと思います。 

「これから外国人材採用を考えている企業へ」

今後、日本国内では必ず、あらゆる業種の人材不足が起こりうる状態になります。その時になってから、どの国にするのか?などの国の選定の段階からスタ-トすると、すぐに採用できず時間がかかってしまいます。前もって色々な国の特性や国民性を吟味し、国内でどのような監理団体、登録支援機関が自分の企業にマッチしたサポ-ト業務をしてくれるか、実績はあるのか、コストはどうなのか、それらを早めに検討する事から始めることが重要になると考えます。 

インターネットで情報を調べることも大事ですが、できれば、実際に組合とお付き合いをしている企業から、どのようなサポ-トをしてくれるのか、監理費はいくらなのか、生の声を聞いて判断することがスム-ズではないかと思います。又、出来るだけ企業に近い監理団体を選ぶことで、対応がより一層スムーズになるものと考えております。



情報

ユニバーサル協同組合【本部】
広島県尾道市平原3丁目1-15
代表理事:狩野牧人

ユニバーサル協同組合【大阪支部 監理団体】
大阪府大阪市北区西天満1丁目10-16 酒信連ビル3階

送出し機関紹介
モンゴル注目の送出し機関
MONGOL YAPONY GUUR LLC
モンゴル・ヤポニー・グール

 

プロフィール

株式会社アゴラ
柏木 太郎

様々な業種業態(異業種)と交流し、共同で新規プロジェクト立上げに参加する。



Webサイト:株式会社アゴラ

外国人材採用への道

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