ダイバーシティ新時代のES組織変革

第3回

組織には4つの視点から力が働いている

矢萩大輔 2016年6月15日
 
 複雑で変化の早い時代、企業として未来を予測し、不確定性の高い経済環境をたくみに乗り越え、持続可能な経営を目指していくためにはどうすれば良いのでしょうか。このコラムでは、その解決の道筋として、“中小企業にとってイノベーションの基点となるダイバーシティ経営”についてお伝えしていますが、その軸となる「新たな目標管理」を推し進めるために理解すべき分野として、「組織開発」があります。

 組織には、大きく4つの視点から力が働いていると言われています。

(1)戦略 (2)業務プロセス (3)管理 (4)人間関係 

 組織の力学は、この4つが相互に関連し連動しながら動きます。そして、組織能力のポテンシャルはこの4つの視点の良し悪しによって決まってきます。

具体的には、
(1)戦略をしっかり立てられ、未来を創造するビジネスモデルになっているか
(2)その戦略・ビジネスモデルを実現化する部署や業務プロセスはしっかりしているか
(3)人材を管理する仕組みや評価システム、人事制度、社内ルールはしっかりつくられているか
(4)社内外の人間関係や行動基準、理念に向かう姿勢、モチベーション等は良好か
という四点です。

 組織能力は、いくら戦略が優れていても、それを評価する人事システムやそもそもその戦略を担う部署・チームが存在しない場合、その戦略に感情的な面で推進を妨げる要素等があることにより、組織のパフォーマンスが発揮されないということが見受けられます。そして、興味深いことにいくら(1)~(3)が優れていても、例えば(4)の質が悪いと、その組織のパフォーマンスは、その悪いカテゴリーでしか発揮されないというのが組織開発の考えです。

 私は理論的にも現実的にも、このことは実際そうなのだと思うのです。組織の一貫性が今の時代は大切と言われますが、例えば、弊社の顧問先においても、「社長がCSR戦略をビジネスモデルに組み込もうとしたけれどもそれを担う部署が存在しない」または、「誰も当事者意識を持っていなければ、絵に描いた餅に終わってしまう」というケースが見受けられます。ですから、目標を立てるために課題を設定する場合、この“組織の力学4つの視点”について、まず部門長やプロジェクトリーダーと話し合い、その後メンバーとすり合わせ、4つのカテゴリーごとに課題を設定していくという方法を採用してみてはいかがでしょうか?

2016年6月15日 フジサンケイビジネスアイ掲載
 
 

プロフィール

矢萩大輔(やはぎ だいすけ)

有限会社 人事・労務 代表取締役
一般社団法人日本ES開発協会 会長
社会保険労務士


HP:有限会社 人事・労務

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