第11回
共創に取り組む方法
StrateCutions (ストラテキューションズ)グループ 落藤 伸夫

アメリカがイスラエルと共同でイランに大規模攻撃を仕掛け、イランが応酬して泥沼化しています。ホムルズ海峡に機雷を敷設したとの情報もあり、原油高騰をきっかけにした大きな経済ショックが、かなりの長期間にわたって続く可能性があります。こうした状況下、現状打破する方法として「共創」をご提案しました。今回は、その取組み方法について考えていきます。
今、改めて出せる打ち手とは
「自分のことは自分で解決する」は大原則です。他人に頼り環境の変化を期待すれば道が拓けると期待しても、実現は難しいでしょう。しかしそれは必ずしも「努力は自分一人・自社一社で行う必要がある」ことを意味しません。特に外部環境が激しく揺れ動く時代では「自社だけで完結させる」という常識が、時に経営の足かせになる可能性さえ、あります。改善のきっかけや原動力を自社の中だけに頼るといつの間にか思考の枠が固まってしまい、出口が見えなくなってしまうのです。
飛躍を模索する企業が最も避けるべき事態の一つは「変化のない堂々巡りの努力を続けること」です。努力を重ねても状況が好転しないなら、閉塞感の原因は努力不足ではありません。問いの立て方と、答えを探す範囲の固定化が疑われます。いつものメンバーと「どうすれば売上が上がるか」と議論しても、出てくるアイデアは過去の成功体験の焼き直しになりがちです。
どうしたら打開策が見つかるのか?「共創」というアプローチがあります。自分・自社以外の誰かと協力して新しい価値を創造するのです。パートナーとしては社員、顧客・取引先、地域、金融機関など多彩なメンバーが候補者です。お互いの弱みを他方の強みで補い合うことで、これまでになかった価値を生み出せる可能性があります。
共創を成功させるポイント
ポイントは最初から大きな計画を立て、完璧な成果を求めないことです。共創成功の要諦は「小さく始めて広げる」ことにあります。小さくとも成功した体験が次の協力者を引き寄せ、やがて大きなうねりとなって会社を変えていきます。共創は一度始まると連鎖反応を起こして次々と新しい可能性を生み出す性質があるからです。
手の込んだ計画を立て自分流のやり方にこだわると、パートナーの知恵や力が引っ込んでしまうかもしれません。パートナーの知恵を引き出し分かち合う「開かれた姿勢」が、今までの発想を超える道となるのです。
共創をスタートできる3基準
共創をスタートさせるには、次の3つの基準に基づいで言動していくことが勧められます。
第1の基準は「すぐ話せる相手」との共創を考えることです。新しい関係を一から構築するのはエネルギーが必要です。まずはすでに関係性があり、信頼関係が築けている相手との共創を考えましょう。
いつもそばにいる社員、長年通ってくれている顧客、気心の知れた取引先担当者、あるいは日頃から相談に乗ってくれる金融機関担当者など、「ちょっとしたアイデアがあるのですが聞いてくれませんか」と気負わずに声をかけられる相手こそ、最高の共創パートナー候補です。
第2の基準は「小さく試せるテーマ」であることです。多額の設備投資や組織改編を必要とするテーマではなく、日々の業務の延長線上で試行錯誤できるものを選びます。
例えば、既存サービスに手を加える改善案を顧客と一緒に考える、あるいは取引先と共同で小さな展示会を開いてみる。失敗しても痛手が少なく、すぐに修正が効く規模から始めることで円滑なスタートが切れます。
第3の基準は「双方にメリットがあるテーマ」であることです。共創はボランティアではありません。相手にとっても利益や意味があるものでなければ継続的な関係は築けないのです。
自社の困りごとを解決するだけでなく、相手の課題も同時に解決できるようなWin-Winの接点を見つけ出すことが、成功への近道となります。
共創を成功させる秘訣は「理論」ではありません、パートナーとの相互理解と歩み寄り、そして「共に成功しよう」との熱い想いです。
お互いを良く知ろうとするコミュニケーションを密にし、「どうすれば共に繁栄できるか?」という目標を共有し、相手に配慮しながら取組みを進めていくことで成功に近付けると考えられます。
本コラムの印刷版を用意しています
本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。
<印刷版のダウンロードはこちらから>
https://www.innovations-i.com/shien/id/panf_id/?id=833
【筆者へのご相談等はこちらから】
https://stratecutions.jp/index.php/contacts/
<日常営業や事業性評価でやりがいを感じる!企業支援のバイブル>
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DYDL46H6/
なお、冒頭の写真はChatGPTにより作成したものです。
プロフィール

落藤伸夫(おちふじ のぶお)
中小企業診断士事務所StrateCutions代表
合同会社StrateCutionsHRD代表
事業性評価支援士協会代表
中小企業診断士、MBA
日本政策金融公庫(中小企業金融公庫~中小企業信用保険公庫)に約30年勤務、金融機関として中小企業を支えた後、事業改善手法を身に付け業務・経営側面から支える専門家となる。現在は顧問として継続的に企業・経営者の伴走支援を行っている。顧問企業には財務改善・資金調達も支援する。
現在は金融機関職員研修も行うなど、事業改善と金融システム整備の両面からの中小企業支援態勢作りに尽力している。
新型コロナウイルス感染症が収束して社会的にも中小企業金融においても「平時」に戻ったとの声がある中、今後は「共創」を目指す企業が躍進していく時代になると確信、全ての中小企業がビジョンを描いて持続と発展を目指すよう提案することとして「共創型金融の時代!あなたはビジョンを描けますか?」コラムを2025年10月からスタートさせた。
【落藤伸夫 著書】

『日常営業や事業性評価でやりがいを感じる!企業支援のバイブル』
さまざまな融資制度や金融商品等や金融ルール、コンプライアンス、営業方法など多岐にわたって学びを続けながらノルマを達成するよう求められる地域金融機関渉外担当者が、仕事に意義を感じながら楽しく、自信とプライドを持って仕事ができることを目指した本。渉外担当者の成長を「日常営業」、「元気な企業への対応」、「不調な企業への対応(事業性評価)」、「伴走支援・経営支援」の5段階に分ける「渉外成熟度モデル」を縦軸に、各々の段階を前向きに捉え、成果を出せる考え方やノウハウを説明する。
Webサイト:StrateCutions