共創型金融の時代!あなたはビジョンを描けますか?

第1回

「共創型金融」コラムがスタート!

StrateCutions (ストラテキューションズ)グループ  落藤 伸夫

 

新コラム「共創型金融の時代!あなたはビジョンを描けますか?」をスタートします。中小企業金融が新たな時代を迎える中で、それをお伝えし、中小企業や税理士などの支援者などと共に対応方法をご一緒に考えるコラムです。ご期待ください。


中小企業金融が変化しつつある理由

「中小企業金融が新しい時代を迎えた?そんな話は聞いたことがない。」確かにそうです。筆者自身、政府などから公式には「中小企業金融を大きく変化させた」とは聞いていません。それなのになぜ、そう言えるのか?

第1は「別領域との境界線が明確に定められたことにより、中小企業金融が新時代を迎えた」と考えるからです。政府(経済産業省、金融庁、財務省)は2022年3月「中小企業活性化パッケージ」を、そして2022年10月「中小企業活性化パッケージNEXT」を発表しました。

当時はまだコロナ禍が猛威を振るう時、これら文書の第1部は金融支援に係る「経済環境の変化を踏まえた資金繰り支援の拡充」パートですが、もう1つ大きな柱がありました。「中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合的支援」パートです。

「中小企業活性化協議会」を設置して中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジを一元的に支援することとされました。その後に2023年8月及び2025年3月発表の「再生・再チャレンジ支援円滑化パッケージ」に引き継がれました。

第2は、金融支援においてコロナ禍時代の特別措置が廃止された(平時に戻った)ものの、少なからぬ中小企業が財務体質を弱体化させ、平時の金融措置を受けられなくなっているからです。

一方で、これを「金融排除」との言葉で処理するのは適切でないと考えます。民間金融は明治時代の原点から「企業の前向き資金に対応することで地域や産業、国への波及させ三方良し、四方良しを実現する」ための仕組みです。中小企業への金融支援において民間金融機関に過大なリスクを取らせないよう、政府系金融機関や信用保証協会が準備されているのです。


変化による穴を埋める方法

金融機関と企業との関係はこれまで(一部は過去)は、先に挙げた「①企業の前向き資金に対応して三方・四方良しを実現する」以外にも「②雇用など社会の公器としての役割を期待して、持続化資金を提供する」、「③不調は一時なので(リスクをヘッジしながら)金融支援する」、「④不調企業をリスクを覚悟しながら金融支援する」、「⑤長い付き合いで地域の運命共同体でもあるので金融支援を継続する」がありました。⑤は既に否定されていますが、前段の文書は④も、金融支援ではなく事業改善や再生などの経営支援に切り替えるよう勧めています。

一方で経営支援は、支援者にも受け手にも「負担の大きい」支援です。内部・外部の専門家の手を借りる費用が支援者にのしかかる一方で、企業には「経営に口出しされる(会社事情にマッチしないアドバイスである場合もある)」プレッシャーがあるのです。

このため今まで④に該当していた企業の全てに提供することは困難です。支援に穴が開いてしまう可能性があります。

これについて政府はどう、対応しようとしているのか。中小企業庁は2024年9月「今後の中小企業経営への提言及び中小企業政策の方向性」を発表しました。

この文書では、日本に経済構造が変化する中で中小企業も稼ぐ力を発揮して需要増加の好循環を形成する環として機能するよう期待、方向性(総論)として「経営力の強化」を提案しています。

各論は日本経済への貢献方向性別(社会的インパクト対応、スケールアップ等)に提示されていますが、筆者は「共創」が共通点だと読み取りました。「稼ぐ企業(我が社)を企業が金融機関と共創していく」、「地域活性化に貢献する企業を行政などと共創していく」、「事業を通じて社会的インパクトを起こす企業を地域の中核企業と共創していく」などです。

これに対応するためには企業からまず「我が社は○○で共創を築きたい」とビジョンを描く必要があります。その想いで中小企業を応援するコラム「共創型金融の時代!あなたはビジョンを描けますか?」がスタートします。

これから明るいビジョンを描いていきましょう。


本コラムの印刷版を用意しています

本コラムでは、印刷版を用意しています。印刷版はA4用紙一枚にまとまっているのでとても読みやすくなっています。印刷版を利用して、是非、資金調達する方法をしっかりと学んでみてください。


<印刷版のダウンロードはこちらから>

https://www.innovations-i.com/shien/id/panf_id/?id=802


【筆者へのご相談等はこちらから】

https://stratecutions.jp/index.php/contacts/


<日常営業や事業性評価でやりがいを感じる!企業支援のバイブル>

https://www.amazon.co.jp/dp/B0DYDL46H6/


なお、冒頭の写真はChatGPTにより作成したものです。

 

プロフィール

落藤伸夫(おちふじ のぶお)

中小企業診断士事務所StrateCutions代表
合同会社StrateCutionsHRD代表
事業性評価支援士協会代表
中小企業診断士、MBA

日本政策金融公庫(中小企業金融公庫~中小企業信用保険公庫)に約30年勤務、金融機関として中小企業を支えた後、事業改善手法を身に付け業務・経営側面から支える専門家となる。現在は顧問として継続的に企業・経営者の伴走支援を行っている。顧問企業には財務改善・資金調達も支援する。

現在は金融機関職員研修も行うなど、事業改善と金融システム整備の両面からの中小企業支援態勢作りに尽力している。

新型コロナウイルス感染症が収束して社会的にも中小企業金融においても「平時」に戻ったとの声がある中、今後は「共創」を目指す企業が躍進していく時代になると確信、全ての中小企業がビジョンを描いて持続と発展を目指すよう提案することとして「共創型金融の時代!あなたはビジョンを描けますか?」コラムを2025年10月からスタートさせた。

【落藤伸夫 著書】

日常営業や事業性評価でやりがいを感じる!企業支援のバイブル

さまざまな融資制度や金融商品等や金融ルール、コンプライアンス、営業方法など多岐にわたって学びを続けながらノルマを達成するよう求められる地域金融機関渉外担当者が、仕事に意義を感じながら楽しく、自信とプライドを持って仕事ができることを目指した本。渉外担当者の成長を「日常営業」、「元気な企業への対応」、「不調な企業への対応(事業性評価)」、「伴走支援・経営支援」の5段階に分ける「渉外成熟度モデル」を縦軸に、各々の段階を前向きに捉え、成果を出せる考え方やノウハウを説明する。

Webサイト:StrateCutions

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