第3回
ジェンガテスト:社長が抜けても大丈夫か?
仕組み経営株式会社 執筆
ジェンガというおもちゃをご存知だと思います。木片をタワーのように積み上げておき、一人一個ずつパーツを外していって、タワーを崩してしまった人の負け、というゲームです。
本日はこのジェンガを会社の経営に応用してみましょう。
ジェンガテストをやってもらえれば、どの業務が社長に過度に依存してしまっているのかが明確になり、その部分を強化することによって、“社長が交代してもうまく回る会社”にしていくことができます。
会社=パーツの塊
多くの中小企業では、社長自身が様々な業務に首を突っ込んでいて、社長業兼営業部長、社長業兼財務部長のような感じになっていると思います。
会社がそれほど大きくない場合には、これでも良いのですが、会社をさらに成長させていこう、または、会社を誰かに承継していこうと思ったら、社長が兼任している業務を他の誰かに任せていかなくてはいけません。
そこで、ジェンガのタワーを会社全体だと考えて見てください。
木片の一個一個は、会社のそれぞれの業務です。営業、開発、顧客サービス等々たくさんあると思います。
たとえば、社長が営業という業務から抜けたらどうなりますか?ジェンガのタワーはまだ立っていることができますでしょうか?また、社長が財務部長という業務から抜けたらどうなりますか?タワーはまだ立っていますか?
このようにして、自分がどの業務から抜けたら、タワーが崩れてしまうのかを明確にしていくのです。その部分が会社としてのウィークポイントになりますので、対策が必要になります。
ジェンガテストのステップ
1.業務のリストアップ
まず自社の業務をすべて洗い出し、リストにしてみましょう。細かくやるとキリがありませんので、組織図を見てみて、自社にどんな部門があるかという視点でリスト化してもらうといいかも知れません。たとえば、
・営業
・財務
・開発
・顧客サービス
・マーケティング
等々です。
2.危険な業務の特定
次に、書き出したリストの横に〇×△を入れてみましょう。
〇・・・すでに自分が抜けて回っている業務。
△・・・自分が首を突っ込んでいるが、抜けてもタワーは倒れない業務。
×・・・自分が首を突っ込んでいて、抜けるとタワーが倒れる危険な業務。
こんな感じです。
〇の業務はひとまず放っておいても良さそうなので△と×の業務を何とかしていきましょう。
3.なぜ業務から抜けられないのか?
△の業務は、自分が抜けてもタワーが崩れないわけですが、ではなぜいまだに首を突っ込んでいるのかを考える必要があります。本来、社員に任せられることは任せるべきで、社長は空いた時間をより付加価値の高い“社長業”の仕事に使ったほうが会社のためになります。
社長が△の業務から抜けられない理由としては、以下のようなものが挙げられます。
・その業務を自分で行うことによって、ヒーロー的な気分になっている
本当は社員に任せられるのですが、自分がやればもっとうまくやれるため、自分の存在価値を示すために自分で行っているパターンです。自分がその業務を高い基準で行うことによって、さすが社長、と思われたり、顧客から称賛されたりするので、そのヒーロー的な気分を味わいたくて首を突っ込んでいます。しかしこれは自己満足的な仕事でしかなく、会社のためにはなっていません。
・任せてもタワーは全部崩れないが、一部崩れるかも知れないという不安がある。 過去にその業務を任せたことがあるが、思ったような成果が出なかったというパターンです。この場合には、任せ方にも問題があるケースがあります。たとえば、仕事を任せたものの、フォローアップを怠った、出すべき基準を伝えなかった、等です。
4.抜けられない業務への対応
×の業務は高度なスキルや能力を求められる仕事である可能性が高いです。この場合、人を育てて任せられるようにすることも大切ですが、業務自体をもう一度見直してみることも大切でしょう。たとえば、
・ツールや技術を使って、もっと簡単にできませんか?
・業務を分解して、難易度の低い仕事に分解できませんか?
・本当にそこまでの高い基準が求められる業務ですか?
こういった視点で、業務を簡単にしていくことも必要です。そのうえで、誰かに任せるための仕組みを作ることです。
最後に残すのは社長業だけ
以上のような感じで、ジェンガテストをぜひやってみましょう。理想は、最終的に残る木片は社長業だけ、という状態です。
プロフィール
世界中で実証されているノウハウを基に、中小・成長企業を「仕組み」で成長する会社づくりをご支援しています。
□ 自分が現場で働き続けないと会社が運営できない。
□ 社員に仕事を任せられない。
□ 家業から事業へ成長させたい。
□ 成長の壁を乗り越えたい。
□ 熟練社員にしか出来ないブラックボックス業務がある。
□ 社長が代わっても大丈夫なようにして事業承継を成功させたい。
□ 自分の会社を高値で売却したい。
このような課題を抱えている経営者/経営陣の方向け専門のコーチングプログラムをご提供しています。
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