なぜ社長の「ヒト」の悩みは消えないのか?
経営者の、「ヒトの悩み」は尽きることがありません。
多くの経営者の方は、優秀な人材さえいれば、、、と考えますが、実際のところ、大半の会社では、優秀な人材を雇う余裕も、優秀な人がやってくるのをのんびり待っている余裕もないのが実態です。
「企業は人なり」
「人材こそが最大の財産である」
というのは良く知られた格言ですが、多くの経営者は逆に人の問題に常に悩まされ、人がかえって、問題の発生源になってしまっています。
なぜ大半の会社では「人に関する問題」がなくならないのか?
それは、大半の会社が「人依存」で創られているからです。継続的に成長する会社は、「仕組み依存」なのに対し、大半の会社は「人依存」です。
会社が人で成り立っている以上、「企業は人なり」というのは正しいかも知れませんが、それは、あなたの会社に人を活かす仕組みがある場合に限ります。
では会社が「人依存」だとどんな問題が起こるのでしょうか?
ここでは、人依存で起こる5大症状をご紹介していきます。
1.職人型ビジネス
いわゆる「手に職」をつけて独立した社長は職人型ビジネスに陥りがちです。税理士は税理士として、デザイナーはデザイナーとして、コンサルタントはコンサルタントとして独立します。
しかし、そのサービスを提供することが出来るのが会社の中で自分しか存在しないために、いつまでも自分が現場で働き続けることになります。職人型ビジネスは社長の時間と体力の限界が会社の限界になってしまい、事業がスケールしません。
2.ハブ型ビジネス
ハブ型社長はこだわりが強いために、業務に関するあらゆる意思決定が自分に集中しています。そのため、自立社員やリーダーが育たず、いつまでも仕事が自分に依存します。
いわゆる組織作りが出来ていないため、自分の代わりに意思決定できる人材がおらず、いざ事業承継を迎えた時には困難をきたします。
3.偽・委譲型ビジネス
偽・委譲型ビジネスの社長の口癖は、「ナンバー2に任せてるから、俺は何もやらなくていい」、「あいつがいるから俺は仕組み化できている」というものです。これは“たまたま”社長の意向に合う人が社内にいる場合に良く起こりがちです。実質、委譲しているのではなく、放任しているだけなので、最もトラブルに陥りやすい状態と言えます。
4.Hello, Goodbye型ビジネス
新入社員が入ってきたと思ったら、いつの間にか辞めてしまっている。人の入れ替わりが激しいビジネスがHello, Goodbye型です。このタイプのビジネスでは人の採用や退職の対応に追われて、前向きな仕事に集中することが出来ません。
5.烏合の衆型ビジネス
社長が“社員の自主性を重んじよう“、”自律的な組織を創ろう”と思って、安易に社員のやりたいことをやらせ始めると烏合の衆型ビジネスになりがちです。一見すると社員が生き生き働き、自由な社風のように思えます。しかし、会社としての一貫性や一体感がないために、組織としての力が分散し、やるべきことが為されないという状況になりがちです。また会社としてのビジョンが明確になっておらず、求心力がないために離職者が増えがちなパターンでもあります。
繰り返しになりますが、これらの5大症状に共通する原因は、経営者が優秀な人さえいればうちの会社はうまく行くのに、という人依存の発想で経営していることにあります。
仕組み化度合い簡易チェック
以下に御社がどれくらい仕組み化されているかを簡易的に判断するための質問事項を用意いしましたので、ぜひ考えてみてください。
● あなた個人と顧客の関係はどれくらい密接ですか?
⇒ もし一定数の顧客が、「いつも社長に対応してほしい」と思っているのであれば、社長が交代しても回る会社を作るのは難しいと言えます。
● 最大の大口顧客を失うとどうなりますか?
⇒ 少数の顧客に売り上げが依存している場合には事業の継続性に不安があります。新規顧客にも売れるような商品/サービスの設計、また、新規顧客開拓の仕組みが大切です。
● もし顧客が殺到して、いまより5倍の顧客に対応しなくてはならないとしたら対応できますか?
⇒ 仕組み化されている会社の特徴は、業務が拡張可能であることです。少子化の日本では、採用活動の難易度がますます上がっています。そのため、小さなチームで大きな仕事を出来る仕組みづくりが大切です。
● 販売分野で最大の貢献をしている社員を他の社員に置き換えるのはどれくらい難しいですか?
⇒ 先述した通り、人はどんな理由で御社を去ってしまうかわかりません。その場合に備え、ブラックボックス化、属人化している業務を把握し、いざというときの備えをしましょう。
● 製造/開発/サービス分野で最大の貢献をしている社員を他の社員に置き換えるのはどれくらい難しいですか?
⇒ 同上。
● もしあなたが3か月働けなくなったらどうなりますか?
⇒ 想定される問題やリスクを洗い出し、会社の存続が自分に依存しないように、いまから対策を打っておきましょう。
会社の持続可能性、成長可能性を高める仕組みづくりに取り組みましょう
会社は人が動かしていますので、経営において人が大切であることは疑いようがありません。しかし、一方、人というのは会社にとっての独占的な資産ではありません。いずれ何かしらの理由で退職してしまいます。一方、会社の仕組みというのは、自社の独占的資産です。一回仕組みを創れば、ずっと社内に残り続けます。
社長が交代してもうまく行く会社を作るためには、どんな仕組みが必要か?という視点で、業務を見直してみることをぜひお勧めいたします。
プロフィール
仕組み経営株式会社
世界中で実証されているノウハウを基に、中小・成長企業を「仕組み」で成長する会社づくりをご支援しています。
□ 自分が現場で働き続けないと会社が運営できない。
□ 社員に仕事を任せられない。
□ 家業から事業へ成長させたい。
□ 成長の壁を乗り越えたい。
□ 熟練社員にしか出来ないブラックボックス業務がある。
□ 社長が代わっても大丈夫なようにして事業承継を成功させたい。
□ 自分の会社を高値で売却したい。
このような課題を抱えている経営者/経営陣の方向け専門のコーチングプログラムをご提供しています。
Webサイト:仕組み経営株式会社