中小企業にSNS採用が「今」必要な理由

第1回

「採用コスト0円」地方の運送会社に若者の応募が殺到!

一般社団法人 大人のインフルエンサー協会  秋山 剛

 

近年、SNSを採用に活用する企業が増加し、東海ビジネスサービスが2023年におこなった調査では、採用活動にSNSを活用している企業は約60%。

SNSが当たり前の時代に、中小企業が若い人材を獲得するための「SNS採用戦略」の成功事例を本コラムでは紹介します。

今回は、株式会社 カワキタエクスプレス 代表取締役 川北辰実 氏にお話を伺いました。

SNSで若年層を採用

株式会社 カワキタエクスプレスは、「すべての人の笑顔のために今を自分らしく、ベストを尽くす」をビジョンに掲げる。三重県亀山市で一般貨物運送事業/海外引越し業務を行う。 SNS発信をはじめ、広告費0円で若年層の採用を行っている。

会社の平均年齢は?

国土交通省によると、運送業の平均年齢は、中型・小型トラックドライバーの平均年齢が45.4歳、大型の場合は47.5歳(平成28年)とほかの職業と比べて高い傾向になっています。その中でも、カワキタエクスプレスは平均年齢が29.8歳と若く、社員数33名のうち75%が10〜20代を占めている。

参考:トラック運送業の現況について(国土交通省)

運送業の若者の採用が難しいなかでうまく行っているポイントとは?

運送業の給料形態は歩合制、出来高制の業種のため、そもそもは若年層の採用はうまくいかなかった。15年前からその制度をやめて、一般的なサラリーマンと同じような月給制に変え、残業した場合も残業手当をもらえるので未経験の若年層からすると給与形態もイメージしやすくわかりやすいので応募が来るようになった。

歩合制のイメージがある中で、取り入れる上で大変だったことは?

採用ができるようになったとしても、定着が難しかった。以前の歩合制でない分、未経験者でも安定した給与がもらえるが、何年もすると他の運送業に引っ張られ辞めていくので出入りの激しい会社になってしまい、ドライバーの育成会社とも言われるように。

若年層を継続的に定着させるためには?

未経験でもしっかり育ててくれる、若い子が多い会社、というのをアピールしていた。未経験の方や若年層が見たときに「ここなら大丈夫そう」と感じられるように意識していた。

また歩合制にすると未経験が稼げないからやめていくため、給与制度を変え仕事が出来できないよりも挨拶や日常点検をするかの基本、協調性を大事にしていた。

若年層が入り出したきっかけは?

とにかく安心できるように未経験者歓迎というのを打ち出した。他の運送業などは「未経験者歓迎」と書きながら実際は経験者でないと採用しなかったり雰囲気が暗かったりが多いのでホームページでは雰囲気がわかり、若い子が多いというのをわかりやすく打ち出していた。

体制を変えていくのに必要な覚悟が持てる原動力とは?

この仕事は絶対に無くならない、無くなると経済が回らないという自信があった。重要な仕事をしているからにはそれに見合う相応しい人と一緒に働きたい。これから若い人たちに憧れられる業種にならなければならない。本当の品質が問われる時代にしていかないといけないという意思が原動力になった。

SNSを使った採用に取り掛かる経緯は?

ホームページでもSEO対策などあらゆることを実践し、求人媒体でもなかなか効果がなかった。若い人たちの求人が来るよう全て取り入れるものは取り入れ、TikTokを開始。社長自ら動画を発信。開始して1ヶ月で問い合わせが入り始めた。初見がTikTokで7名採用(すべて20代未経験者)東京、京都、大阪、北九州などから移住者4名を採用。

求人媒体からの違いは?

会社に入る前に会社の雰囲気がわかっているため、お金より社風を大事にしている人が残っている。ミスマッチがなく、採用につながっているため定着率は上がっている。年間300万円の広告費をかけていたがSNS発信では広告費0円で採用までつなげることができる。

SNS発信を躊躇している中小企業に

本当に増やしたいのであれば躊躇しない。やるしかない。できるところからだと思いますが、担当者をつけてSNSを見て興味を持ってやり始めてみるべきです。取り組み始めるかどうかは結局「採用を絶対増やす!」とい熱量次第。

SNSだと拡散力があるため、若年層だけでなくどんな層でも届きます。近隣都市だけでなく全国から問い合わせがあり広がりました。躊躇せずSNS発信していくべきです。

これからの川北さんのミッション

運送業界の中でトラック100台くらいになって、運送業界に影響を与えられる存在になる。また、現場職(ブルーカラー)がなんとなく虐げられているので、業界の垣根を超えて現場職として働いている人たちに光を当てていき現場力が強い日本にしていきたい

株式会社 カワキタエクスプレス

KAWA-EXP/トラックドライバーを夢の持てる仕事に!
@kawakitaexpress

 

プロフィール

一般社団法人 大人のインフルエンサー協会
代表理事 秋山 剛

1976年大阪生まれ。18歳で父親になり、仕事をしながらプロボクサーも経験。

電気工事会社、ボクシングジム、結婚相談所の異なる事業で様々な集客・採用方法を試行錯誤し、各事業で億単位の売上をあげる。

コロナ禍で業績が最悪の状況に転ずるなか、オンライン事業、TikTokを開始。売上ゼロの状態から半年で年商1億円の事業を構築、すべてSNSで集客。企業経営者、起業家6000名以上に SNS集客、ブランディング、SNS採用を支援。SNS運用の書籍4冊出版。現在は、厚生労働省管轄 認定訓練校として中小企業のSNS採用担当者育成のための「SNS採用プランナー」認定研修を実施。若者が自分らしく活躍できる社会づくりに取り組んでいる。

【著書】


企業のSNS運用

Webサイト:一般社団法人 大人のインフルエンサー協会

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