IoTキュレーション

第9回

自動運転車が生みだす未来のサービスとは

ピーエムグローバル株式会社 2019年12月17日
 

ウェイモの自動運転試作車Firefly=同社提供 

 次世代のサービスとして注目を集める自動運転技術。若者の方が年配者よりも抵抗感が少ない傾向があるようだ。ドイツの高級車大手アウディが行った意識調査によると、24歳未満(通称Z世代)のおよそ4人に3人が自動車技術について好意的にとらえている一方、40~60歳の年齢層で興味を持っていると回答しているのは59%だったという。また、エンジニアリングシミュレーションを手掛ける米Ansysの調査では、18~34歳の回答者のうちおよそ9割が「一生に一度は自動運転車に乗ってみたい」と回答したのとは対照的に、65歳以上では「自動運転車には乗りたくない」とする回答が43%に上った。

 

 スペインの著名ビジネススクールで教鞭をとるエンリケ・ダンス教授は米フォーブス誌の電子版(11月4日付)への寄稿‘How Reality Has Exceeded Our Expectations About Self-Driving Vehicles’の中で、自動運転技術の日進月歩ぶりを強調し、最新技術の導入に逡巡すべきではないと説く。自動運転車をベースにした交通サービスが普及し、車を買う必要性を感じる人が少なくなり、街の風景も一新するとの持論を展開しながら、「30年後の若者は、空気を汚す危険な自動車がなぜ野放しにされたのか、理解に苦しむだろう」と未来のモビリティ社会の到来を予言している。


 開発メーカーも若年層への啓もう活動を行っている。米ウェイモは自動車協会(AAA)と提携し、子ども向けに自動運転技術の認知度を高める取り組みを行うと発表している。若い世代の意見を吸い上げ、研究開発に活かすという。市場投入前の最新技術に触れられる子どもにとっても、自動運転車はより身近な存在として意識するきっかけになるはずだ。

子どもを一人きりにできるか?

 自動運転技術に偏見のない子どもたちが成長した社会では、自動運転技術はどのように受け入れられるのだろうか。

 

 人工知能(AI)や自動運転技術の専門家であるランス・エリオット氏は米フォーブス誌電子版(5月23日付)に寄せた記事‘Letting Your Kids Ride Alone In An Autonomous Self-Driving Car: Ever Or Never?’で、自動運転車への信頼度について興味深い視点を提供する。自動運転の車に子どもを一人きりにできるか、という観点だ。


 エリオット氏は、配車サービスでは未成年者の送迎について厳格な適用規定があることを指摘した上で、自動運転車では犯罪のリスクが避けられるメリットを挙げる。車載モニターで車内の様子も監視できるため、利用者が運転手に起因する事件に巻き込まれる可能性は少なく、安心して子どもを送迎できる。習い事の間は近くで待機させ、レッスンが終わった子どもと一緒に自宅に帰ってくるというタスクもこなせる自動運転車の登場で、さらなる時間の有効活用も進むとの見方だ。 


 一方、同氏はリスクにも言及する。ほかの車に巻き込まれた事故や何らかの不具合で止まってしまった場合だ。治安の悪いエリアや迅速な救援が難しい場所で立ち往生すれば、子どもにとってはトラウマになる可能性すらある。車内モニターも無力だ。車外に出られないように設定するのは問題が多く、実現は難しいだろう。脱出できないことがさらなる危険につながることもある。

 

 エリオット氏は自動運転車に一人きりになる場合のリスク対策として「同乗サービス」が生まれると予想する。子どもの具合が急変した場合や、追突事故などによる突然の停車に対応でき、円滑にコミュニケーションが取れるよう訓練を受けた同乗者を提供するサービスだ。今のような運転免許は必ずしも必要としないため、事業者は投資が抑えられて参入の敷居は下がるだろう。年齢を問わないことから、新たな雇用が生まれるチャンスでもある。

自動運転車が変える未来

 人間の仕事を機械が全て代行する時代の到来を不安視する声がある一方、新技術によって新たなサービスが登場する期待もある。同乗サービスの誕生はひとつの可能性だが、自動車社会の到来で多くの職業が生まれたように、自動運転技術は今後、産業構造にも大きな変化をもたらすだろう。 

 
 

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