聞けそうで聞けないM&Aの話

第1回

会社売却のタイミング

髙野 健二 2018年12月5日
 
業績如何にかかわらず、多くの経営者は常に不安と闘いながら前に進んでいます。
順風満帆に見える会社でも、当事者にとってみれば、悪戦苦闘の連続で増収増益を達成しているのが実情です。
悪戦苦闘の日々のなかで、少し歯車がくるった時に、ふと会社の売却が頭に浮かぶケースも少なくとも一度はあると思います。

売却したうえで改めてチャレンジ


実際に最近では、会社を売却してまとまったお金を手にして「食べるために働かなくてよい状態」を作ったうえで、売却した会社に残るという選択をされる50代の経営者の方も増えています。
業績も堅調で、急いで売却する必要のないネット販売の会社社長も、物流費の高騰や商材の確保などで長年ご苦労されてきた思いもあり、「好調もいつまで続くかわからない」と、ネット販売は強くない上場流通会社への売却を決められました。売却後にも会社に残り、独立系では出来なかったシナジーを期待して更なる成長に向けたチャレンジをされるそうです。


オーナーとしてやり残したことはないか?


一方で、売却を希望されながらも、ご自身でやり残したことがないかどうか葛藤されたうえで、売却せずに継続されるケースもあります。
数年後に「あの時に売却していれば」と後悔される可能性もありますが、逆の可能性も否定は出来ませんので、最後はご納得して決断されたか否かが重要だと思います。

株式市場の動向や金利動向などの経済環境、価格や雇用継続などの条件に合った相手先と巡り合うタイミング、オーナーの体調や会社の状況など様々な要素を検討されると思いますが、最後は「オーナーとしてやり残したことはなかったかどうか」この点がポイントになっているように思います。
 
 

プロフィール

株式会社M&Aコンサルティング
代表取締役/公認会計士 髙野 健二


BIG4メンバーファーム(現・新日本有限責任監査法人)で上場企業グループ等の会計監査、株式公開準備、買収監査(デューデリジェンス)、株価評価等のプロジェクトに参画。


その後、東証一部上場の専門商社やJASDAQ上場流通企業などのM&A担当・役員・顧問として、企業戦略立案・遂行の最前線で活躍した経験を持つ。


【主な役職】
ゲンダイエージェンシー株式会社(JASDAQ上場) 監査役(現任)、日本公認会計士協会東京会経営委員会委員長(2009年度、同委員会副委員長(2010年度)および同会M&A業務支援プロジェクトチーム構成員長、株式会社ノジマ執行役経営戦略グループ長(2007.6~2008.6)、東京都事業引継ぎ支援センター登録民間支援機関(現任)

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