ローコストで手軽に活用可能な「顔認識システムBeesight」

第4回

「認識速度が遅い」最適なハードウエアを探さなければ

飯塚 吉純 2017年1月27日
 
このコラムでは、エイコム株式会社で開発した、手軽に活用できる顔認識アプリケーション「Beesight」の開発秘話と、顔認識システムの様々なニーズと活用法、今後の展開などについて執筆していきたいと思う。

「Beesight」のβ版での「顔認識速度が遅い」という課題をどう解決したらよいのか、この課題は使用するハードウエアに依存するため、スペックの高い製品を使用しなければならない。Androidは、一般的にはタブレットやスマートフォンに使用されているOSであるが、顔認識のハードウエアとして使用する場合は、デスクトップ型PCの如く、通称セットトップボックス(STB:Set Top Box 以下STB)と呼ばれている弁当箱程度の大きさのマシンを使用する。通常Android版のSTBはケーブルテレビの受信端末やデジタルサイネージプレーヤーとして使用されており、特に高いスペックを必要とされている訳ではなかった。

仮にスペックの高いSTBが見つかったとしても、当社のシステムとして販売する場合は、継続して安定供給される製品が不可欠であった。当時テストしていたSTBは台湾製のAndroid のバージョン4.2 (通称KitKat版)であり、そこそこのスペックがあるSTBだったが、メーカー不詳で供給元の体制も不安の為、信頼できるSTBを早急に探す必要があった。Androidの STBのマシンスペックの測定は、ベンチマークというアプリでグラフィックステストなどのスコアを計測する事で、「BeeSight」の安定稼動が出来るか否かの大雑把な判断ができるのである。様々なSTBを探し計測した結果、日本製の4K映像再生用のSTBにたどりついたのである。価格は高いもののマシンスペックは今までの製品の中では最高で、メーカーの信頼性もあり、この日本製のSTBを使用する事に決定した。同時に画像の解析に重要なカメラにおいても、様々な製品をテストした結果、ツァイスのレンズを使用したUSBカメラを用いる事にした。やはりツァイスレンズの性能は素晴らしく、高性能なSTBと組み合わせる事で「顔認識速度が遅い」と言われた「Beesight」の認識速度は改善に至った。しかし、まだ様々な課題が残っている。10月にある展示会「シーテックジャパン」には最善のシステムで出展したい。解決しなければならない課題はまだまだ続くのである。熱く暑い夏となった。


※セット トップ ボックス (STB:Set Top Box) は、ケーブルテレビ放送や衛星放送、地上波テレビ放送、IP放送などの放送信号を受信して、一般のテレビで視聴可能な信号に変換する装置。ブラウン管時代に「テレビの筐体(TV)の上に置く箱」だったことからこの名がある。

※ツァイス:カール・ツァイス社のレンズの総称


「セットトップボックス」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2016年10月4日 (火) 15:15 UTC、URL: http://ja.wikipedia.org

 
 

プロフィール

エイコム株式会社
代表取締役 飯塚 吉純


1964年 東京都出身
1985年 東放学園専門学校 放送技術科卒業
様々な映像制作会社で映像撮影技術、営業などを経て、2002年に映像、Web制作を生業とする有限会社アーツエイハンを設立、代表取締役に就任。


2011年8月 デジタルサイネージ業務に特化したエイコム株式会社設立し代表取締役に就任。
コンテンツ制作、システム開発を行い2015年顔認識アプリ「Beesight」の開発開始する。


HP:エイコム株式会社

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