ローコストで手軽に活用可能な「顔認識システムBeesight」

第3回

ローコスト顔認識アプリケーション「Beesight」の特長と課題

飯塚 吉純 2017年1月20日
 
このコラムでは、エイコム株式会社で開発した、手軽に活用できる顔認識アプリケーション「Beesight」の開発秘話と、顔認識システムの様々なニーズと活用法、今後の展開などについて執筆していきたいと思う。

一般的に顔認識や顔認証は、画像解析システムのテクノロジーによる通称AIと呼ばれる人工知能であり解析技術である。

カメラから⼊⼒された顔の画像を、数十箇所の特徴点(トラッキングポイント)から対象の顔の特⻑を捉え、年齢層や性別、ムード(感情)のほか、顔や左右の目の座標、頭の回転、傾きなどの情報を取得、そして辞書ファイルにあるデータと照合する事により識別するのだ。辞書ファイルは、膨大なサンプリングデータからの深層学習(ディープランニング)であり、人間が普段行っているような学習能力を持たせる機械学習から生成されたものである。この顔認識技術をスタンドアローンのAndroidで動かす事により、下記の様な事に手軽に運用が可能である。

・マーケティングデータとして、コンテンツや商品などに興味を持って視点を移す人々に関わる情報を、高速で収集し、分析する。

ネットワーク接続を必要としないスタンドアローン運用であるが、認識された取得データはSTBの端末にCSVの形式で保存されるので、後々のデータ解析が可能になる。
解析用のWebサーバを構築する事で、、グラフィカルな形でレポー可能になる。

サイネージプレーヤ機能を設ける事により、デジタルサイネージと組み合わせ、
オーディエンス(広告メッセージの受け手)の属性に最適なコンテンツの表示が
可能。
・解析した人々の顔面画像等は⼀切保存しないため、個人情報法には一切抵触しない。
・既存のサーバ運用型に比べるとコストは十分の一程度

以上の様な特長で、既存のサーバー型の顔認識システムに比べると非常に優れたコストパフォーマンスのシステムである。
当社の開発も順調に進み2016年6月に初期版が完成しプレスリリースを配信した。
反響のあった数社へデモンストレーションを行うと、数々の問題点が指摘された。

・認識の速度が遅い。
・性別判定、特に40代以上の女性の認識率が良くない。
・Beesightと他のアプリケーションとの連動はできないのか。
・ソフトの単価はローコストであるが、流通の複数店舗で数多くの端末で運用する場合(1000ライセンス以上)で運用する場合のコストはもっと安価にならないのか。

このような課題を解決するために、様々なトライアンドエラーや「トンネルを抜けたらまたトンネル」だったというような日々が続いた。また、開発の醍醐味と同時に、本当に販売できるのか!?という大きな不安が脳裏を過るのであった。

 
 

プロフィール

エイコム株式会社
代表取締役 飯塚 吉純


1964年 東京都出身
1985年 東放学園専門学校 放送技術科卒業
様々な映像制作会社で映像撮影技術、営業などを経て、2002年に映像、Web制作を生業とする有限会社アーツエイハンを設立、代表取締役に就任。


2011年8月 デジタルサイネージ業務に特化したエイコム株式会社設立し代表取締役に就任。
コンテンツ制作、システム開発を行い2015年顔認識アプリ「Beesight」の開発開始する。


HP:エイコム株式会社

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