Indo Watcher

第9回

インド人が報告を苦手とする理由

木暮 知之 2020年6月8日
 


 インド出身の方と仕事をされると、問題点や課題についての報告が遅れたり報告そのものがなかったりする場面に遭遇することがあるかもしれません。業務報告をめぐる問題は多くのインド人に見られる傾向ですが、これは彼らの価値観や商習慣が関係しています。 


 インド人は「分からない」と答えることを恐れ、問題点やミスを報告することが自身のキャリアに影響を及ぼすと考える節があり、問題や課題を見つけても上長に伝えずに隠すことがあります。迅速な報告や問題点・課題を共有することはプロジェクト全体の利益になるため、インド人を含めたメンバー全員に徹底させなければなりません。


 そのためには、日本人とインド人の「心理的な壁」がなくなるようにオープンなコミュニケーションが取れる環境を作ったり、メンバーが問題を起こした場合でも個人の責任を追及するのではなく、プロジェクトの問題として捉える意識をメンバー全員に持たせることが大切です。チーム内で何でも話せる雰囲気を作ることは、プロジェクトの成功に一役買うはずです。


 学校の担任に悪事がばれないよう、真相を隠し通そうとした経験は誰でも1つぐらいはあるもの。言いたくないことを伏せておくインド人の心理にも同じようなところがあるのかもしれません。私の場合「怒らないから隠していることがあれば素直に言ってごらん」と言われて(オープンなコミュニケーション環境づくりだったわけですね)白状したものの、こっぴどく叱られたことがトラウマになっていることをこの場を借りて告白させていただきます。


 
 

プロフィール

ピーエムグローバル株式会社
代表取締役 木暮 知之

上智大学 比較文化学部卒 ボンド大学MBA

1991年東京銀行入行、ロンドン支店・投資顧問にて活躍した後、2000年にIT業界に転身。 米系ITコンサルタント会社を経て、2005年に日本初のグローバル・プロジェクトのマネジメント専門のコンサルタント会社「ピーエムグローバル株式会社」を創設。以来、数多くのグローバル・プロジェクトの推進に貢献する。

高校時代の留学から始まり、海外赴任、外資系企業での勤務、更にはオフショア開発等での経験から、異文化とのコミュニケーション能力に長け、グローバル・プロジェクトの推進に関しては定評がある。

海外では、外国人向けに日本人と上手く付き合うための「報・連・相」等のセミナーを行う一方、日本人にはグローバルで通用する人材の育成に携わる。

近年ではインドニュースの配信事業「インドウォッチャー」の編集者としても活躍している。


HP:ピーエムグローバル株式会社

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