Indo Watcher

第10回

お互いにストレスを感じる日本人とインド人

木暮 知之 2020年6月18日
 


 インド出身の方とのビジネスで直面する大きな問題のひとつが「時間に関する概念の違い」です。納期を守らない、会議の開始時刻に姿を現さない、議題と関係のない話を延々と続けるなど、どれもビジネスにおいては悪習と言えます。


 インド人はよく言えば「おおらかでのんびり」していますが、言い方を変えると「時間にだらしない」人が多い。これは時間厳守についての躾(しつけ)がなされないことや社会的に厳しい規律がないことなどが関係しているようです。 


 日本人はこうした時間感覚を持つインド人とのプロジェクトでストレスを感じることがよくあります。ただ、時間に執着する日本人にインド人も息苦しさを覚えています。こうした不満を同僚への愚痴で終わらせるか、お互いを理解しようと努めるかでプロジェクトの成果も大きく変わります。 



 相手への無理解という意味では、東京と大阪の関係性が思い浮かびます。私には大阪や関西全般への苦手意識を隠そうとしない東京出身の知人も、東京に対していつも辛辣な大阪在住の友人もいますが、話を聞いてみて分かったのは「相手の事をよく知らないし、分かろうともしていない」ということでした。大阪を初めて訪れた時に感じた人の優しさや温かさに、私は感動さえ覚えました。また、関東出身の私から見ても東京には優しい方が多いと感じます。相手を少し知ろうとするだけでも理解が進み、発展性のある関係につながることがあります。他者への無関心はとても残念な態度です。 


 日本人でさえ分かり合うのは難しいため、異文化で育ったインド出身の方を理解するのは容易ではないと感じるかもしれませんが、どちらも同じ人間。お互いに理解しようとすることでどんな問題も解決できるはずです。 


 
 

プロフィール

ピーエムグローバル株式会社
代表取締役 木暮 知之

上智大学 比較文化学部卒 ボンド大学MBA

1991年東京銀行入行、ロンドン支店・投資顧問にて活躍した後、2000年にIT業界に転身。 米系ITコンサルタント会社を経て、2005年に日本初のグローバル・プロジェクトのマネジメント専門のコンサルタント会社「ピーエムグローバル株式会社」を創設。以来、数多くのグローバル・プロジェクトの推進に貢献する。

高校時代の留学から始まり、海外赴任、外資系企業での勤務、更にはオフショア開発等での経験から、異文化とのコミュニケーション能力に長け、グローバル・プロジェクトの推進に関しては定評がある。

海外では、外国人向けに日本人と上手く付き合うための「報・連・相」等のセミナーを行う一方、日本人にはグローバルで通用する人材の育成に携わる。

近年ではインドニュースの配信事業「インドウォッチャー」の編集者としても活躍している。


HP:ピーエムグローバル株式会社

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