どうしたら「利益を出し続ける」会社になれるのか

第6回

目標と予定がない②

山中 一郎 2017年6月2日
 
前回は会社にとっての目標と、それを達成するための管理ツールである事業計画の有用性について述べてきました。

 ただそれをうまく運用するためには、いくつかの「コツ」がいります。今回は特に目標を設定する際の「コツ」について考えてみたいと思います。
 あなたの会社には目標がありますか?こう聞かれて「ハイ」と答えられる人はどのくらいいるのでしょうか? 確かに経営者の一部がそれを考えている会社は少なくないかもしれません。でもそれが従業員の多くに浸透している会社は、そうは多くはありません。

 それをするためには、目標が①合理的であること②理解されやすいこと③周知徹底されることが必要になります。
 

① 合理的であること

 目標が合理的であるということは、まずはその目標が会社の「正義」にかなっていることが必要です。このコラム第3回にも書きましたが、「正義」のない会社に、多くの従業員はついてきません。このため、目標は「正義」に反しないものでなくてはなりません。それが満たされるのであれば、目標は何でもよいのです。利益、資金、従業員の幸福度・・・。 目標は、会社が自由に選択すべきものです。もちろんそれが環境によって変化しても構いません。その時の会社にとって、最も必要なものを選択すべきです。

 ただしここで忘れてならない、2つの「コツ」があります。まず目標は「達成可能」なものである必要があります。「目標」を達成するために会社が行動することを前提にするのであれば、達成できない目標は極端に言えば作成しても意味がないのです。

 さらに会社の目標は何でも良いと言いましたが、会社は「存続しているからこそ、目標を達成できる」ということも忘れてはなりません。会社が存続していくためには資金、ひいては利益が必要です。目標を狙うあまり、会社の存続がおかしくなるのでは、目標を達成することはできなくなってしまいます。利益以外の目標を設定する場合は、存続できる程度の利益を確保することが重要です。
 

② 理解されやすいこと

 目標は達成することに意味があるのだとしたら、また達成するためには従業員全体の参加が必要なのだとしたら、目標は従業員全体に理解される必要があります。

 このためには、目標は従業員全体にとってわかりやすく、かつ理解に誤りがないことが必要になります。

 例えば「お客さんを幸せにする」という目標があるとして、全ての「お客さん」を幸せにするのか、特に常連を大切にするのか、さらにはどのように幸せにするのかによって、社員の具体的な日常行動は異なるはずです。

 ここでのコツは、目標を具体的に設定して、なるべく数値目標をそれに加えることです。

 上記であれば、「常連客の満足度」を向上させる。具体的にはリピーター客を30%以上増加させる。という目標がその例です。
 

③ 周知徹底されること

 目標は従業員全体の行動によって達成されるもので、一部の経営者の頑張りだけでは達成できません。そのためには、目標が従業員全体に周知徹底される必要があります。

 経営者が折に触れて、従業員に説明するなど、会社の目標とそれに対する協力をいつも行う必要があります。


 今回は「目標」を設定する際の「コツ」について考えてみました。次回はそれを達成するための道具である、事業計画の「コツ」について考えてみましょう。

以 上
 
 

プロフィール

朝日税理士法人
公認会計士・税理士 山中 一郎


朝日新和会計社(現あずさ監査法人)退職後、現在は朝日税理士法人代表社員および朝日ビジネスソリューション株式会社代表取締役。


国際税務業務、海外進出支援業務の他、株式上場支援業務、組織再編、ベンチャー支援等 の税務・コンサルティングサービスを行っている。


主な著書: 「図解&ケース ASEAN諸国との国際税務」(共著/中央経済社)、「図解 移転価格税制のしくみ 日本の実務と主要9か国の概要」(共著/中央経済社)、「なるほど図解M&Aのしくみ」(共著/中央経済社)、「事業計画策定マニュアル」(共著/PHP) など多数


HP:朝日税理士法人

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