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マネジメントを再考してみる 前編<現場マネジメント>

第33回

現場マネジャーの役割(矛盾解消)(中編)

「現場マネジャーには、上級マネジャーからの矛盾した要求を解消して部下に伝える役割が期待されているというお話でしたね。」

「そうなんだ。現場マネジャーは、表向きというか、組織図の上では一人の上級マネジャーの部下と表現されているが、実際には他分野の上級マネジャーからの指示も受け入れなければならない。だから、どうしても矛盾がある。そういう必然性があるんだ。それに対処するのが、現場マネジャーの役割なんだ。」

「そうなんですかね。そういう矛盾は、上級マネジャーのレベルで解消しておくのが、本来のあり方なのではないでしょうか?」

「そういう意見があることは、俺にも分かっているよ。しかし、俺も色々考えた末に、この役割は現場マネジャーに任せるのが一番じゃないかと考えるようになったんだ。」

「どういうことですか?」


上級マネジャーの対立構造が会社を強くする

「上級マネジャーは、トップが決めた基本方針について、自分の専門分野の範囲で取り組んでいる。例えば新製品を開発するという基本方針について、研究開発部門担当役員は『最新鋭の設備を設置した新施設を設けたい』という方針で検討するけれど、経理部門担当役員は『現場の我が社の財務状況からすると新施設は無理だ。旧設備の一部更新で対応して欲しい』という方針を打ち出したりする。」

「よくありそうな話ですね。」

「これにトップが英断を下し、新施設を設けることにした。しかしそれは、経理上の問題から目を背けるべきだという意味だろうか?経理部門担当役員に『新設備を導入することに決まったのだから、君の負けだ。収支のことはもう言ってはいけない』というべきなのだろうか?」

「いや、そうではないですね。話は逆です。敢えて資金上のリスクを取ると決めたら、経理上の問題には細心の注意を払いながら対応しなければなりません。」

「そうなんだ。新施設を設置するとともに、経理上のリスクにも対応しなければならない。両立させてこそ、意味のある経営判断だと言える。」

「確かに。資金リスクの存在を踏まえながらも投資を決定したわけですから、成果の刈り取りには貪欲になってもらわなければなりません。経理担当役員の言い分にも、耳を傾けなければならないということです。」

「そうなんだ。それはつまり・・・。」

「上級マネジャーレベルでは、矛盾があるのが当たり前だということを言いたい訳ですね。」

「そうなんだ。というか、そういう対立をするのが、上級マネジャーの役割だとさえ言える。ドラッカーも『上級マネジャー同士は仲良くする必要ない』とさえ言っている。」

「そういう矛盾を組織に持ち込んで現場に取り組ませ、解決させることこそが、組織の力の源泉だとでも言いたいのでしょうか?」

「ドラッカーは、そこまでは言ってはいないけどな。でも、真意はその辺にあるんじゃないかと、俺も思うよ。」


解消の方向性

「しかし、そうやって矛盾を作り出され、その対応を迫られる現場も、たまったものではないですね。」

「確かに中川課長の言う通りだ。だから俺は、矛盾解消について、もっともっと現場マネジャーをトレーニングする必要があるのではないかと、思っている。」

「矛盾解消についてトレーニングするですって!?そんなもの、あるのですか?」

「そうだよな。全くないとは言わないが、少ないよな。」

「そういう問題意識のもと、また、三上部長が開発中だったりするのですか?」

「まあ、そうなんだけれど。」

「例えば◯◯の法則みたいなものですか?」

「今のところ、以下のような10の方向性としてまとめてみた。参考にしてみてくれ。」

・原因を取り去る
・問題現象が起きないようにする
・問題現象を見えないにようにする
・リカバリー要素を加える
・対処する時間・チャンスを確保する
・問題現象に新たな意味合いを加える
・矛盾を包含する
・問題の重要性を下げる
・問題を見ないようにさせる
・問題意識を持たないようにする

コラムマネジメントを再考してみる 前編<現場マネジメント>

プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫

「世界の先進国では日本だけが一人負け」という話を聞くことがあります。世界が日本を羨んだ “Japan as No.1” からまだ40年ほどしか経っていないのに、当時、途上国といわれていた幾つかの国々の後塵を拝している現状です。

それを打開する方法の一つに、マネジメントを高度化していくことがあると思われます。日本のホワイトカラーの生産性は先進国では最低だといわれていますが、逆に言えば、マネジメントを改善すれば成果を飛躍的に伸ばすことができる可能性があります。

筆者は Bond-BBT MBA でMCS(マネジメント・コントロール・システム)論を学んで以来、マネジメントでもって企業の業績をあげる方法について研究してきました。マネジメントを合理的に考え直し、システムとして組み直すのです。StrateCutionsで行うマネジメント支援の理論的背景や方法論を、お知り頂ければと考えています。

企業概要

住所 〒160-0023
東京都 新宿区西新宿7-4-7 イマス浜田ビル 5階
設立 2015年10月1日
URL

http://stratecutions.jp/

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