マネジメントを再考してみる 前編<現場マネジメント>

第44回

現場マネジャーのマネジメント方法(リザルト・コントロール)(後編)

落藤 伸夫 2017年2月10日
 
「リザルト・コントロール、つまりはノルマ制と言って良いと思うのですが、意外と使える場面を選ぶといった感じですね。」

「そうなんだ。」

「間違った場面で使うと、どうなるのですか?」

「成果が出ないばかりか、働く人々のモチベーションを下げてしまう可能性がある。」

「それはマズイですね。気を付けなければ。ではリザルト・コントロールが使える場面を、ご説明頂けませんか?」


リザルト・コントロールが有効な状況

「中川課長が言ったように、リザルト・コントロールは常に有効な訳ではない。状況によってはリザルト・コントロールを利用できない場合もある。リザルト・コントロールは、以下の状況を全て満たしているときに機能するんだ。」


成果を有効に測定することができる

「まずは、成果を有効に測定することができる場合だな。」

「なるほど。成果を測定できなければコントロールのしようがないですからね。でも、そんなことはあまり生じないのではないですか?」

「それはまだまだ、中川課長が『課長』だからかもしれないぞ。」

「どういうことですか?」

「営業課だったら部下はセールスパーソンだけだから、彼らの成果を測定することはそんなに難しくない。」

「そうか、部長になると、バックも含まれてきますね。」

「そうなんだ。多くの関係者が表になり裏になりながら関与して成果が生まれる場合には、各々の貢献を客観的に測定するのは難しい。」

「だったら他の方法でマネジメントすれば良いではないですか。アクション・コントロールとか。」

「そうか?バックの仕事をアクションでマネジメントできるか?彼らの仕事についてベストの姿を、マネジャーが提示できるのか?」

「それは難しいですね。うーん。仰っている意味が分かりました。」


代用特性

「成果を数値で評価できない場合が往々にしてあります。そういう場合にはリザルト・コントロールを諦めるしかないのでしょうか?」

「成果そのものが測定できなくても代わりの指標を測定することによってコントロールできる場合がある。例えば品質は、それそのものを測定できない。顧客満足も同じだ。しかし品質は、誤差率や不良率で代用できるかもしれない。顧客満足はリピート率やクレーム件数で測れるかもしれない。」

「なるほど。」

「成果を測定する目的は、働き手に誠実な働きや創意工夫の発揮を促すことにある。成果そのもの(真の特性)を正確に測定する指標がなかったとしても、この目的を実現し得る代理の指標(代用特性)が存在するならば、これを測定してコントロールすることが可能なんだ。」


目標を与えられた者に十分な決定権(権限)が与えられている

「他にはないですか?」

「あるぞ。目標を与えられた者に十分な決定権が与えられているということだ。」

「決定権、ですか?」

「ノルマが与えられ、それを達成できるように誠実に仕事に取組み、創意工夫を発揮しようとしても、自分がやってみたいと思った取組みがいちいち上司に否定されたら、どう思う?」

「やり切れませんね。モチベーションが一気に下がると思います。」

「それは、どうして起こるのだろう?」

「それが三上部長が仰る『十分な決定権』なんですね。」

「そうだ。ノルマの達成方法について自分で創意工夫し、それを採用するか否かを自分で決定できるということなんだ。」

「ノルマを課す場合には、一緒に決定権も渡さなければならないということなのですね。分かりました。」

 
 
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プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫

「世界の先進国では日本だけが一人負け」という話を聞くことがあります。世界が日本を羨んだ “Japan as No.1” からまだ40年ほどしか経っていないのに、当時、途上国といわれていた幾つかの国々の後塵を拝している現状です。

それを打開する方法の一つに、マネジメントを高度化していくことがあると思われます。日本のホワイトカラーの生産性は先進国では最低だといわれていますが、逆に言えば、マネジメントを改善すれば成果を飛躍的に伸ばすことができる可能性があります。

筆者は Bond-BBT MBA でMCS(マネジメント・コントロール・システム)論を学んで以来、マネジメントでもって企業の業績をあげる方法について研究してきました。マネジメントを合理的に考え直し、システムとして組み直すのです。StrateCutionsで行うマネジメント支援の理論的背景や方法論を、お知り頂ければと考えています。

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