「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?

第42回

「資金を調達すると同時に経営改善を目指す」セミナー(お知らせもあります)

落藤 伸夫 2017年11月6日
 
みなさんにとって、金融機関借入による資金調達とは何でしょうか?「決まっているではないか。事業活動に必要な、企業にとって血液とも言われる資金を金融機関から借り入れることだよ。」確かにそうですね。しかし、これからは、それのスタンスでは思ったような資金調達ができなくなるかもしれません。

なぜ、そうなのか、ではどうすれば良いのか。それをご説明するセミナーを、現在、行なっています。先日は関東地方のある商工会議所で、お話しさせて頂きました。内容としては、このコラムに書かせて頂いていることがメインコンテンツですが、リアルな場でお話しするという特性を活かすためのプラスポイントもあります。今回の商工会議所セミナーがとても好評だったので、今回はそのシンプルな概略をご報告させて頂きます。また、当該セミナーのアンケートで「続編を!」というご要望を頂きましたので、その企画についてお知らせさせて頂きます。


ある数字

38,029
これは何の数字でしょうか?2016年に中小企業・零細企業が倒産もしくは休廃業・解散した件数です。このうち倒産件数は8,446件で、比較的落ち着いていると言われていますが、一方で休廃業・解散で事業を停止している企業が約3万社もあり、日本の企業数は急速に減少しています。

18,000
これは私が前職の日本政策金融公庫で審査した倒産案件数(概算)です。実際はもっと多く審査していると思われますが、正確に数字を記録していないので、記憶している大凡の数を約3割引しています。
倒産案件を審査していると、気が付くことがあります。倒産企業の借入件数が1件だけということは、ほとんどありません。ほとんどの案件で複数の借入があります。平均すると(私の実感値ですが)4、5件といったところでしょうか?時には10近い金融機関から20件以上の借入を行なっている案件もあります。

これは、何を意味しているでしょうか?「企業倒産の原因として『資金調達ができなかった』が挙げられることが多いですが、それだけではなさそうだ。『資金調達できても、そのお金を生かして事業改善ができていない。すなわち売上をあげ、収益をあげられる「儲かる企業」に変化できていない』ことも原因ではないか。」それが18,000件の倒産案件を審査した者としての実感です。


『捨てられる銀行』の意味するところ

昨年、『捨てられる銀行』という本が一世を風靡しました。金融庁が金融機関(特に地域金融機関)に「企業の価値向上、経済の持続的成長と地方創生に貢献する金融業」を目指すように勧め、「地域顧客にリスクを取れない金融機関は消滅する可能性がある」と警告しているというのです。

これは何を意味しているのでしょうか?貸し渋っていた金融機関が、これからはどんどん貸してくれるようになるという意味でしょうか?先ほどの私の仮説からすると、それは中小企業にとってベストなソリューションにはならない可能性があります。中小企業の倒産原因として『資金調達ができなかった』というよりも、『資金調達できても、そのお金を生かして事業改善ができない。すなわち売上をあげ、収益をあげられる「儲かる企業」に変化できていない』ことだと捉えるべきなら、そちらの対応がなされていないからです。


金融と経営支援の一体的な推進

では、金融庁は何を狙っているのか?それは平成23年に中小企業政策審議会企業力強化部会が提示した「金融と経営支援の一体的な推進 」という資料から読み取ることができると思われます。金融機関に、企業の価値向上、経済の持続的成長と地方創生に貢献するために求められているのは、中小企業にじゃんじゃんお金を貸すことではありません。お金を貸す時に必要であれば経営支援も一体的に提供することです。

これを裏読みすることにより、中小企業にとっての、これからの資金調達方法が理解できると思います。決算書の状況などから「この企業なら何の心配なく融資できる」というレベルに達していない企業でも、「私は今回の借入を機会に、事業改善を目指す!儲かる企業へ変革する。その応援として融資してくれないか」と依頼することです。


事業性評価融資を提案する

ちなみに決算書などから「この企業なら何の心配なく融資できる」と判断していくのが、これまでの「債務者格付け」という取組みでした。そのレベルに達していない企業でも経営支援しながら融資をすれば効果があがる企業を見つけていこうとするのが「事業性評価」の取組みです。先ほど述べた「私は今回の借入を機会に、事業改善を目指す!儲かる企業へ変革する。その応援として融資してくれないか」との依頼とは、実は金融機関に対して事業性評価融資を検討してくれないかと依頼することだったのです。

では、どうしたら事業性評価融資を依頼することになるのでしょうか?「事業性評価」とは、金融機関が「今、融資を申し込んだ企業が行なっている、もしくはこれから行おうとする取組みがビジネスとして成功するかどうかを評価する」ことを意味しています。評価するには題材が必要ですね。例えば中小企業が現在に行なっている、もしくはこれから行おうとする事業改善の取組みを明確化した事業計画書があれば、金融機関はその事業性を評価することが可能になります。中小企業が積極的に事業計画書を提出することにより、金融機関に対して事業性評価融資を依頼したことになるのです。


金融機関に「わかった」と言ってもらえる計画書:セミナー予告

では、事業計画書を提出すれば金融機関は必ず事業性を評価して融資をしてくれるのでしょうか?金融機関の立場からすると、それは”No”だと思われます。事業性評価融資は、債務者格付けの枠組みでは(つまり現状の決算書では)融資が受けられられない企業に対して、将来に現れてくるだろう業績(事業性)を評価して融資しようとするものです。事業計画書を作成したら、必ずそれを高く評価して融資するよう金融機関に強要するものではありません。

私も実は「これでは金融機関は事業性評価できないだろうな」と思う事業計画書に遭遇したことがあります。それは、インターネット上でダウンロードできる事業計画書をベースに、企業名や業種・主な取扱製品・サービスを書き換えたような事業計画書でした。新製品開発によって起死回生を図ると記載されてはいますが、どんな新製品を企画しているのか、どのようにそれを実現するのか、どうやってそれを販売していこうとするのか、事業計画書を読んだだけでは全くわかりません。そのような事業計画書では、事業性評価融資を引き出すことはできないでしょう。

では、どのような計画書なら事業性評価融資を依頼できるのか?これを知るには、金融機関がどういう考え方で事業計画書をチェックするのかを踏まえる必要があります。「今、我が社は、我が社の高い技術力を生かして新製品を企画している。これが実現できれば、我が社はV字回復するするであろう」と単に記載するだけでは、金融機関は首を縦に振らないでしょう。そこには、金融機関が知りたい情報が記載されていないからです。


では、金融機関が知りたい情報とは何か?これについてご説明するセミナーをInnovationS-i 主催IBCとして実施します。概要は、以下の通りです。


概要

タイトル:日本初!「中小企業が事業性評価融資を金融機関に提案する方法」を伝授します
日  時:11月29日(水)14:00~16:00
場  所:InnovationS-i セミナールーム(東京都千代田区神田錦町1-4-8 ブロケードビル6階)
受講対象:以下に該当する方々
・ 資金調達のためなら何でも全力を尽くすという企業経営者
・ そろそろ事業改善に着手しなければと思っていた企業経営者
・ 事業改善着手の決心は固まっているが具体策まで計画できずスタートを切れない企業経営者
・ 事業性評価融資について情報収集して今後に生かしたいと考えている真摯な企業経営者
・ 事業改善しながら資金調達したいと願う中小企業を支援する各分野の専門家

今回セミナーでは以下の4つのポイントを、みなさんの企業ですぐに使える「事業性評価融資依頼戦略シート」を作成しながらお伝えしていきます。
・元中小企業金融政策企画担当者だったからこそ知っている、「事業性評価融資」が中小企業にとって意味すること
・元保証審査マンだったからこそ知っている、「事業性評価融資」により金融機関の審査はどのように変わるのか
・元倒産審査マンだかこそ知っている、金融機関が「事業性評価融資を依頼する事業計画書」から知りたいと思っていること
・中小企業診断士・MBAだかこそ支援できる「事業性評価融資依頼戦略シート」の作り方


「資金調達の苦しみから逃れたい!そのために今、事業改善の取組みに着手したい!」という企業経営者のみなさま、『事業性評価』が到来した今、このフォーラムから資金調達できると共に儲ける力をアップした企業に生まれ変わる秘訣を見つけ出してください!


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プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。

コラム 「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?

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