「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?

第1回

新年を迎えるにあたって一年の計画

落藤 伸夫 2017年1月10日
 
みなさん

あけましておめでとうございます。
今年も皆さんのビジネスが益々ご発展されますよう、お祈りしております。

一年の計

新年を迎えるにあたって一年の計画を立てられた方も多いのではないかと思います。2016年は、2020年の東京オリンピックに向けた盛り上がりを感じさせる一方で、日銀による大胆な緩和措置はあまり効果を見せてくれず、アベノミクスも中小企業には十分な効果を及ぼしたとは言いがたい状況ではないかと思います。そのような環境下、今年こそは自ら活路を切り拓いていこうと決意された方々も多いのではないでしょうか。

こういう決意は、本当に大切なことではないかと思います。企業の命運を左右するのは、企業の、もっと言えば経営者の確固とした決心によるところ大だと思われるからです。私は日本政策金融公庫で倒産審査マンとして1万社以上の倒産企業案件を審査してきました。連鎖倒産など突発的な事件等により倒産する企業も少なくありませんが、大半の企業は売上が長らく低迷した末に倒産・廃業に至っています。同様の状況下で生きながらえ、時には発展している企業もある中で、その差はどこにあるのでしょうか?注意深く観察するうちに、企業もしくは経営者の決心が非常に大切だと感じるようになりました。日頃の行動に落とし込まれ、経営改善のための取組みが日常化・習慣化するほどの決意が結果を左右するのです。

計画実行の隘路

「とは言ってもねえ。企業で何かしようとすると資金が必要になる。そして中小企業には、その資金がない。長らく窮状にあえいでいる企業はなおさらだ。借入しようにも貸してくれる金融機関はない。その中で積極的行動に出ろ、その決意をするように、なんて言われてもねえ」こんな経営者の声が聞こえてきそうですね。仰ること、確かにそうだと思います。企業としての行動はストレートに資金に直結します。資金無くしてとれる行動は、ほとんどありません。その行動が積極的であればあるほど、資金が必要になるのが普通です。そういう状況下で融資を受けることさえままならないとすれば、気持ちが消極的になってしまうのも無理からぬことでしょう。

エポックメイキングだった2016年

その点で実は2016年はエポックメイキングな年でした。第1には、中小企業への資金の貸し手となる金融機関を巡る環境が大きく変わってきていることが明らかになってきたからです。橋本卓典さんの『捨てられる銀行』をお読みになった方も多いのではないでしょうか。そこでは金融機関を監督する金融庁の方針が大きく転換したと指摘されていました。これまでは不良債権に繋がりそうな融資を排除することに主眼が置かれていましたが、今後は、地域を支える中小企業を積極的・効果的に応援しているかが重視されるとのことです。中小企業への応援は、やってもやらなくても良いという程度の話ではありません。それをしなければ「捨てられる」ほど、重大な使命だとされたのです。

第2として、頑張って「儲ける力」をつけようとする中小企業を応援する施策が発表されたことです。2016年7月に「中小企業等経営強化法」が施行され、中小企業・小規模事業者そして中堅企業等に対して「経営力向上計画」を作成するよう推奨されています。「政府はいろいろと政策を作るけどね、それが中小企業にどれほど役に立つのだろう?」というような声もちらほらと耳にしますが、私は、最近の中小企業政策は王道を進んでいると感じています。

「儲ける力」を身に付けようとする企業への応援

「経営力向上計画」は、低迷する本業の改善に取り組んで収益の向上を目指す企業がその目論見を計画としてしっかりと表現するよう促すもので、それを作成して認定を受けた企業にはさまざまな支援策が適用されるとしています。まさに「儲ける力」を身に着けようとする企業を応援し、支えようとするものですね。「天は自らを助けるものを助ける」政策です。

「そうは言っても、中小企業を支援するという姿勢も一時的な状況なのではないか?いつの間にか元の黙阿弥になってしまうのではないか?」と思われる方もいるかもしれません。以前は、そのようなこともありました。しかし私は、今回の政策は、そう簡単には方向転換しないだろうと思っています。一昨年まで約30年間、政府系金融機関に勤務する者として、そして16年のキャリアを持つ中小企業診断士として、私は長年、中小企業政策をウオッチしてきました。現在の政策は、平成20年頃から続けられてきた検討の成果であり、思いつきで出て来たものではありません。「捨てられる銀行」で説明されている金融庁の劇的な方針変化も、中小企業庁が打ち出してきた中小企業支援政策と金融政策を整合させるために必要となった、いわば当然の流れといえるものです。歯車が噛み合って来たわけです。

中小企業が目指すべきこと:儲ける力

こういった状況で、中小企業は何を目指していけば良いか。答えは自然に出てきますね。「儲かる力」を身に付けるということです。「儲ける力」を身に付けようと努力する企業が、これからは支援されるようになります。融資を受けられるようになる訳です。

現在、「儲ける力を身に付けたい!そのために自分は最善の努力をする」と宣言する機会がたくさん準備されています。経営力向上計画も、その一つです。「面倒くさいよ。紙切れが儲けを産んでくれる訳でもないし」と言われる経営者もおられるかも知れません。おっしゃることに一理あると思いますが、こう考えてみるのはどうでしょう。

儲けるためにやらなければならないことはたくさんあります。それを実行して成功させるためには相当なエネルギーが必要でしょう。金融機関や政府は、そういうエネルギーがある中小企業を見つけて支援したいと思っています。そういう時に、計画書を作るエネルギーさえ絞り出せない企業が「自分は儲ける力を身に付けるためには何でもする」と言ったとして、それを信じたいと思えるでしょうか?という次第で、現在、「儲ける力」を身に付けたいと切に願っていること、そのためのエネルギーを内に秘めていることを示す方法として、計画書の作成が求められているのです。

儲ける力を身に付けたいと計画する

中小企業経営者の皆さん、新年を迎えるにあたって一年の計画を立てられましたか?その中に「儲ける力」を身に付けるための計画策定も含まれているでしょうか?今年はぜひ、それに取り組まれるようお勧めします。それはきっと、ご自身のメリットに、そして企業の繁栄に繋がりますよ。


(注)本コラム記事は、資金調達に係る一般的知識やノウハウをお伝えすることを目的としています。ご参考としてご活用ください。

 
 
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プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。

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