「事業性評価」が到来!あなたは資金調達できますか?

第26回

IT導入補助金経営計画書を活用する

落藤 伸夫 2017年7月10日
 
6月30日でもって、IT導入補助金の申請が締め切られました。本コラムの読者の皆さんの中にも、申し込みされた方が多いのではないでしょうか?

過当競争化する補助金申請については「もう少しなんとかならないだろうか」と感想を持たないわけではありませんが、そこで作成されるよう求められる申請書(経営計画書)については、「とても良く考えられたものだな」と感じています。補助金の申請書(計画書)は、審査する役所が「この計画には補助を出そう」と判断するための書類ではありますが、作成した中小企業にとっても、メリットがあるからです。「計画書に記載したことにしっかりと取り組むことで、経営をしっかりと改善していく」ことができるからです。


IT導入補助金の経営計画書

IT導入補助金で求められる計画書は、「ITを導入していかに生産性を高めるか」にフォーカスしています。IT導入補助金の申請書(経営計画書)は、「事業概要」から「事業改善についてのこれまでの取組み」、「事業の市場における強み・弱み」、「事業課題」、「将来計画」、そして「IT導入により実現したい効果」までを検討した上で、「労働生産性の向上」と、それに関連した「その他の独自の参考指標」を明らかにするよう、促すものでした。

この流れに沿って考えることで、我が社の現在や過去の実績を踏まえた上で、「もう少しパフォーマンスを向上させたい」の実現を阻んでいる弱みや、活かしきれていない強みを明らかにすることができました。次に、それら項目の中で早急に取り組みたい課題を決め、その解決方法としてITをどのように活用していくかを検討した上で、将来の成果を予想したのです。


事業性評価融資での情報提供

我が社の事業性を評価してもらうことで資金調達したいと考える企業は、金融機関に対して、情報提供しなければなりません。「我が社には、どんな可能性があるか」を説明するのです。それはつまり、我が社がいかにうまく事業を展開することができるか、いかにパフォーマンスをあげて収益につなげることができるかなどに関する説明です。

こういう視点でIT導入補助金の申請書(経営計画書)を見ると、その内容は、事業性評価による資金調達で金融機関に伝えたい情報のほとんどを網羅していることに気が付きます。これを活用しない手はありません。


メリットを強化する方法

ここでもう一つ、貴社の事業にも、事業性評価融資を受ける上でもメリットを強化できる方法について、お勧めしたいと思います。

ITは、生産性向上の切り札になりますが、ITを導入したら自然と生産性が高まるというものではありません。ITを導入して定型業務の作業量が減ったとしても、それを何か生産的な仕事に振り向けなければ生産性は高まらないでしょう。営業マンで顧客情報を共有すれば売上が高まるだろうと情報共有システムを導入しても、活用しなければ何のメリットもありません。在庫管理システムのように、活用するためには自ら準備作業を行わなければならないものもあります。

これまでいろいろな企業をご支援してきた経験からすると、計画を策定して業況改善に努力したいと考える企業はまだまだ少ないので、「経営計画」を提示すれば金融機関は「おっ、この企業は違うな」と思ってくれる可能性があります。アクションプランまで作成する企業はさらに少ないので、「おっ、この企業は本気かな」と考えてくれるかもしれません。


IT導入補助金が採択されて「これで1/3の負担でITシステムが導入できた、ラッキー」と考えるだけに留まるのは、実は大変、もったいないことではないかと思います。活用してこそ、企業の体質改善に繋がるのです。それを行う上で、IT活用に係るアクションプランはとても役に立ちます。アクションプランは、もうひとつ、貴社の事業性を評価してもらう上でも、とても力強い題材となります。IT導入補助金を申請された企業の皆さんには、是非、これに取り組んでいただければと思っています。

 
 
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プロフィール

StrateCutions
代表 落藤 伸夫


中小企業診断士・MBA
日本政策金融公庫に約30年勤めた後、中小企業診断士として独立。 企業を強くする戦略策定の支援と実行段階におけるマネジメント支援を得意とすると共に、前向きに努力する中小企業の資金調達も支援する。 「儲ける力」を身に付けたい企業を応援する現在の中小企業金融支援政策に共感し、事業計画・経営改善計画の立案・実行の支援にも力を入れている。

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