弁理士の著作権情報室

知っておきたい!【シーン別】著作権のルール

誰がプログラムの著作者になるの?

プログラムも、著作権法により著作物として認められる場合があります。詳細については著作物と認められるプログラム認められないプログラムを参照してください。その場合、誰が著作者になるかについては、一般の著作物とは異なるプログラム特有の規定がありますので、以下説明させて頂きます。これに関連して、プログラムには著作者人格権の特例がありますので、それも説明させて頂きます。

誰がプログラムの著作者になるの?

プログラム著作物の著作者は誰になるのでしょうか?


著作権法により、著作物を創作した者が著作者になるのが原則ですが、以下の5要件を満たす場合は職務著作とされ、著作者は創作した者ではなく使用者が著作者となります。一般の著作物の著作者については、「著作者」になる人、ならない人について教えてくださいをご覧ください。

(1)創作が使用者の発意に基づきされた。
(2)創作が使用者の業務に従事する者がした
(3)創作が職務上された
(4)著作物が使用者の名義で公表された
(5)契約や勤務規則などに特段の定めがない

しかし、プログラムの場合はさらに例外があり、(4)の要件を満たさなくても他の4つの要件を満たせば、職務著作として、創作した者ではなく使用者が著作者となります。これは、企業等で内部利用だけ行うもの、委託した企業等だけに提供するものなど、公表を予定しないものが多く、また、機械組み込みプログラムの様なものが多いからです。

従って、公表されないプログラムや無名で公表されたプログラム、他の法人等の名義で公開されたプログラム、従業員の個人名義で公表されたプログラムなども、一般の著作物と異なり、職務著作として、創作をした者ではなく使用者が著作者になります。
ただし、昭和60年12月31日以前に創作されたプログラムは、通常の著作物と同様に、(4)の要件を満たさない場合は職務著作とならず、使用者ではなく創作をした者が著作者となります。

(1)の要件については、使用者が著作物の作成を企画、構想し、業務に従事する者に具体的に作成を命じる場合、あるいは、業務に従事する者が使用者の承諾を得て著作物を作成する場合には、使用者の発意があるとすることは明らかですが、プログラムの場合、そうではない場合も多い様です。この場合でも、使用者と業務に従事する者との間に雇用関係があり、使用者の業務計画に従って、業務に従事する者が所定の職務を遂行している場合には、使用者の具体的な指示あるいは承諾がなくとも、業務に従事する者の職務の遂行上、当該著作物の作成が予定又は予期される限り、(1)の要件を満たすとされています。なお、使用者は会社等の法人に限らず、個人であってもこのような条件に当てはまる限り、使用者として(1)の要件を満たすことができます。

同様に(3)の要件も、業務に従事する者に直接命令されたもののほかに、業務に従事する者の職務上、プログラムを作成することが予定又は予期される行為も含まれるものされています。

サブルーチンのあるプログラムにおける著作者


プログラム著作物特有の問題として、別な著作者のサブルーチンを用いる場合が多くなっています。その場合、サブルーチンに著作物性がある場合、サブルーチンの創作者等はサブルーチンの著作者であるとともに、ブログラム全体がサブルーチンの創作者等の二次的著作物に当たると解されています。その結果、プログラム全体の著作物性がサブルーチン以外にも存在する場合は、プログラム全体の創作者等が著作者となるだけでなく、他にサブルーチンの創作者等も二次的著作物としての著作者になります。他方、プログラム全体の著作物性がサブルーチンのみにある場合は、サブルーチンの創作者等だけが二次的著作物としての著作者になります。

最近、アジャイル開発が珍しくなくなり、メインルーチンが先に完成され、後でサブルーチンが開発されるのも珍しくなくなっています。この場合、メインルーチンが先に開発されているのでサブルーチンの二次的著作者と表現することに争いがありますが、この場合であっても、サブルーチンとメインルーチンのうち著作物性があるプログラムの創作者等が著作者になり、その両方に著作物性がある場合は、メインルーチンの創作者等が著作者となるだけでなく、サブルーチンの創作者等も著作者になります。サブルーチンとメインルーチンの両方が独自では著作物性がないが、全体のプログラムとして著作物性が認められる場合は極めて稀だと思われますが、その場合は、両方の創作者等による共同著作と考えざるを得ません。

プログラムにおける著作者人格権の特例


著作者には著作者人格権があり、その一つに同一性保持権が含まれています。これは、著作者は、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けない権利です。しかし、プログラムについては、通常の著作物に比べて同一性保持権が働かない改変の範囲が広く、特定のコンピュータで利用できるようにしたり、より効果的に利用し得るようにするための改変も、やむを得ない改変として同一性保持権が働きません。しかし、著作権や著作者人格権を回避するためだけを目的とした改変などは、原則同一性保持権が働きます。

※ この記事は執筆時の法令等に則って書かれています。

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