弁理士の著作権情報室

著作権Q&A ~著作権の基本を解説します~

著作権はいつからいつまで続くの?

著作物を創作した者つまり著作者は、著作権を有します。この著作権は、何の手続きを行わなくても、著作物を創作するだけで発生します。この様な著作権はいつから発生するのでしょうか?また、著作権は、永遠に続く権利なのでしょうか?著作権に終わりはあるのでしょうか?

著作権はいつからいつまで続くの?

著作権はいつ発生するか


著作権は、上述したように著作物を創作することで発生します。従って、著作権がいつ発生するかというと、著作物を創作したときに発生します。著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したもの」です。つまり、「著作物」は「表現したもの」でなければなりません。このため、「表現されたとき」が、「著作物を創作したとき」になり、著作権の発生時になります。つまり、例えば著作物が「歌」である場合には、頭の中で「歌」を思いついたときではなく、「歌」を歌ったときが「著作物を創作したとき」となり著作権の発生時になります。歌を誰も聞いていなくても、楽譜にしたり、歌を録音したりして歌を記録しなくても、かまいません。「歌」を歌うことで、著作権は発生します。ただし、誰も聞いていない状況や、歌を記録していない場合では、本当に歌を歌ったのか等の証明をすることが難しく、著作権の発生時がいつか争いになる可能性があります。この様な争いを避けるためには、著作物を記録して、記録物について公証役場で確定日付を付与してもらう等して日付が証明できるようにした方がよいでしょう。

著作権の終わりは


著作権には終わりがあります。「一定期間」が経過した著作物等については、その権利が消滅することにより、社会全体の共有財産として自由に利用できるようになります。つまり、著作物を創作したときから、この「一定期間」が経過するまでの期間が、著作権の存続期間となります。では、「一定期間」とは、どの様なものでしょうか?映画の著作物と、映画以外の著作物とで、この「一定期間」は異なります。

◎映画の著作物
映画の著作物は、著作物の公表後70年が「一定期間」になります。
では、映画の著作物が公表されなかったら、永遠に著作権は存続するのかというと、そうではありません。創作後70年以内に公表されない場合には、著作物の創作後70年が「一定期間」となります。

◎映画の著作物以外
映画以外の著作物は、個人の著作物と団体名義(法人名義等)の著作物とで「一定期間」が異なります。
〔個人の著作物〕
原則、著作者の死後70年が「一定期間」になります。著作者が複数人いる場合には、最後に死んだ著作者の死後70年になります。なお、著作者名が公表されていない無名の著作物であったり、ペンネーム等の変名で公表されている場合には、著作物の公表後70年が「一定期間」になります。また、著作物が創作後70年以内に公表されない場合には、創作後70年が「一定期間」になります。もっとも、例外があり、著作者の変名が周知なものである場合等には、著作物の公表後70年等ではなく、原則が適用されて、著作者の死後70年が一定期間になります。
なお、どのような者が著作者になるかについて、詳しく知りたい場合には、「『著作者』になる人、ならない人について教えてください」をご覧ください。

〔団体名義の著作物〕
原則、著作物の公表後70年が「一定期間」になります。
なお、著作物が創作後70年以内に公表されない場合には、創作後70年が「一定期間」になります。

上述した死後、公表後、創作後の期間の計算は、死亡、 公表、創作の翌年の1月1日から起算されます。死んだ日、公表した日、創作した日から計算されないことに注意が必要です。また、ベルヌ条約や万国著作権条約で保護義務を負う外国人の著作物は日本でも保護されますが、上述した著作権の存続期間とは異なった期間が適用される場合があります。サンフランシスコ平和条約の規定に基づいて、第二次世界大戦の連合国及び連合国民の著作物について、存続期間が加算される場合もあります(戦時加算)。

著作権の存続期間は長いか


著作権の存続期間は、特許、実用新案権、意匠権、商標権といった産業財産権に比較すると、存続期間が長いです。例えば、個人の著作物であって映画以外の著作物である場合、著作者が30歳で著作物を創作して、80歳で亡くなったとします。著作者の存命中の存続期間50年に加えて、死後の70年が加算され、著作権は120年も存続することになります!
特許は、特許出願日から20年で消滅します。実用新案権は、実用新案登録出願日から10年で消滅します。意匠権は、意匠登録出願日から25年で消滅します。著作権の存続期間に比べるととても短いですね。ただし、商標権については、商標権が発生してから(設定登録されてから)10年が存続期間なのですが、更新をすることで存続期間が延長され、半永久的に権利を維持することができます。このため、商標権については、著作権より存続期間が長くなる場合があります。
また、著作権を維持するためには、コストがかかりませんが、産業財産権を維持するためには、特許庁に対する料金の支払いが必要になります。特許、実用新案権、意匠権については、毎年の年金を支払わなければ権利を維持することができませんので、年金の未払いによって、特許、実用新案権、意匠権が存続期間よりも前に消滅する場合もあります。

法律の改正と著作権の存続期間


著作権の存続期間ですが、2018年12月30日に環太平洋連携協定参加11カ国による新協定が発効される前は、映画以外の著作物に関して、「70年」であるものは「50年」でした。2018年12月30日の時点で存続している著作権の存続期間については、「50年」ではなく「70年」が適用されますが、2018年12月30日の前日の時点で存続していない著作権については、蘇ることはありません。なお、現著作権法(昭和46(1971)年1月1日に施行)は、旧著作権法(明治32(1899)年制定)とは、著作権の存続期間が異なります。旧著作権法下の著作物の著作権の存続期間について、現著作権法の存続期間と比べて、旧著作権法の存続期間の方が長い場合は、その長い方が適用されます。

※ この記事は執筆時の法令等に則って書かれています。

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