教育・書籍の著作権

学校の文化祭や運動会・体育祭で知っておいたほうがよい著作権

弁理士の著作権情報室

こんなことしませんか?


文化祭で、演劇の上演をしたり、音楽の演奏をしたり、踊ったり、歌を歌ったりしませんか。文化祭や運動会・体育祭で、ポスターやプラカード・看板などを作ったりしませんか。運動会などで楽曲をBGMとして構内放送で流したりしませんか。皆でお揃いのTシャツを作ることはありませんか。こんなとき、著作権に気を付けましょう。
知っておいたほうがよい著作権について説明していきます。

学校の文化祭や運動会・体育祭で知っておいたほうがよい著作権

著作権者の許可をもらうのが原則です!


著作権者の許可をもらわないで、他人の著作物である演劇の上演をしたり、音楽の演奏をしたり、踊ったり、歌を歌ったり、有名なキャラクターなどをポスターやプラカード・看板などに描いたり、楽曲をBGMとして構内放送で流したり、有名なキャラクターなどを描いたTシャツを作ったりすると、上演権・演奏権、複製権侵害になるおそれがあります。なお、どのような種類の著作権があるかについては、「弁理士の著作権情報室」の「~著作権ってどんな権利?~」で確認できます。

学校の文化祭や運動会・体育祭のためでもだめ?


著作権法は、著作物すなわち文化的な所産の保護ということを前提にしつつも、文化的所産の公正な利用という点も考慮して、著作権とともに著作権の制限規定も設けられています。
そして、文化祭や運動会・体育祭で他の人の著作物を利用して、演劇の上演をしたり、音楽の演奏をしたり、踊ったり、歌を歌ったり、楽曲をBGMとして構内放送で流すことは、営利目的で、聴衆や観衆から料金をとるようなことをしなければ、また、演劇の上演をしたり、音楽の演奏をしたり、踊ったり、歌を歌ったりする人に報酬が支払われるようなことがなければ、この場合は他人の著作物を利用することができます。
「美女と野獣」を劇団四季風に演じたり、踊ったりすることができます。ジャニーズのグループの曲・踊りを真似て歌ったり・踊ったりすることもできます。但し、これらに自分たちの独創性も加味しようとアレンジしたような場合は、著作権の制限規定の範囲外となり、もとになった著作物の著作権者の許可が必要になりますので注意して下さい。
有名なキャラクターなどを文化祭や運動会・体育祭のポスターやプラカード・看板などで使用することもできます。しかし、これが認められるのは、文化祭や運動会・体育祭という学校の授業の中での利用だからであり、文化祭等という教育活動を終えた後も、例えば常設的に展示するような場合は、「授業の過程における利用」でないとうことで、著作権の制限規定の範囲外となり、著作権侵害になる可能性があります。また、キャラクターを用いたポスターやプラカード・看板などの製作を外部に委託すると、「教育を担任する者及び授業を受ける者」の複製行為でないとして著作権の制限規定の範囲外となるおそれがあり、この場合その著作物の著作権者の許可をもらったほうがよいです。また、このポスターを大量に複製して来校者全員に配るような場合は、「著作権者の利益を不当に害する」おそれがあるということで、これも著作権の制限規定の範囲外となるおそれがありますので、その著作物の著作権者の許可をもらったほうがよいです。注意しましょう。
また、有名なキャラクターなどを描いたクラスTシャツを作って皆で着るはやめたほうが良いと思います。このTシャツ作りは文化祭や運動会・体育祭という「授業の過程における利用」に必ずしもなるとは言えないからです。運動会・体育祭後も日常生活で着るかもしれないからです。自分たちで考えたすてきなデザインのTシャツを作成するようにしましょう。

<参考資料>
・加戸守行著「著作権法逐条講義七訂新版」

令和8年度 日本弁理士会著作権委員会委員

弁理士 上田 精一

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