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経営判断に役立つ指標とは?中小企業が押さえるべき重要な数値

#経営計画・改善

経営判断に役立つ指標とは?中小企業が押さえるべき重要な数値
企業の経営判断を行う際、直感や経験だけに頼るのではなく、客観的なデータを活用することが重要です。特に中小企業においては、限られたリソースを効率的に活用するためにも、経営指標を正しく理解し、活用することが求められます。本記事では、中小企業が押さえておくべき重要な経営指標について解説し、実際の経営にどのように役立てることができるのかを紹介します。

財務指標

収益性指標

●売上高営業利益率:営業利益 ÷ 売上高 × 100
・企業の本業の収益力を示す指標
・業界平均と比較し、自社の収益性を把握するのに有効

●ROE(自己資本利益率):当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
・自己資本をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標
・高いほど投資効率が良い

●ROA(総資産利益率):当期純利益 ÷ 総資産 × 100
・総資産をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標
・企業の経営効率の評価に役立つ

安全性指標

●自己資本比率:自己資本 ÷ 総資本 × 100
・企業の財務の健全性を示す指標
・低すぎると借入依存度が高く、財務リスクが増加

●流動比率:流動資産 ÷ 流動負債 × 100
・短期的な支払い能力を示す指標
・100%以上が望ましいが、業界や業態によって適正水準は異なる

生産性指標

●労働生産性:付加価値 ÷ 従業員数
・従業員一人あたりが生み出す付加価値を測る指標。
・高いほど効率的な経営ができていることを示す

●在庫回転率:売上高 ÷ 平均在庫高
・在庫の効率的な管理状況を把握する指標
・低い場合は過剰在庫、高すぎる場合は品切れリスクがある

非財務指標

●顧客満足度(CS)
・顧客の満足度を測る指標
・リピート率や口コミ評価を分析し、サービス向上に活用

●従業員エンゲージメント
・従業員のモチベーションや会社への愛着度を示す指標
・離職率や社内アンケートの結果を分析し、働きやすい環境づくりに活用

●ネットプロモータースコア(NPS)
・顧客が企業を他者に推奨する意向を数値化したもの
・ブランド力やサービス品質の評価に役立つ

経営指標を活用するポイント

① 定期的なモニタリング
・経営指標は一度分析するだけでなく、定期的に測定し、トレンドを把握することが重要
・週次・月次・四半期ごとなど主要指標を確認し、早期に問題を察知

② 目標設定とKPI管理
・企業の成長戦略に沿った指標を設定し、適切なKPI(重要業績評価指標)を管理
・部署ごとに適した指標を定め、達成度を確認

③ 指標を組み合わせて分析
・1つの指標だけに頼るのではなく、複数の指標を組み合わせて分析
(例)売上が伸びても利益率が下がっていれば、コスト管理に問題がある可能性

まとめ

経営指標を活用することで、企業の現状を可視化し、より的確な経営判断が可能になります。特に中小企業においては、限られたリソースを有効活用するためにも、財務指標・非財務指標を適切にモニタリングし、経営の質を高めていくことが重要です。定期的に指標をチェックし、経営改善につなげていきましょう。

編集局の声

数字が示す結果の背景には、現場で働く従業員の努力や、顧客との信頼関係、企業文化など、数値化しにくい要素が存在します。指標はあくまで意思決定をサポートするためのものです。数字の良し悪しだけでなく、実際のビジネスの現場や市場の変化も踏まえて、柔軟な判断を行うことが経営者には求められます。企業の成長には、数値と実態の両面をバランスよく見極める視点が不可欠です。

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