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事業再設計で浮かび上がる「ズレた事業」捨てずに活かす経営判断とは

#経営計画・改善

事業再設計で浮かび上がる「ズレた事業」捨てずに活かす経営判断とは
事業の見直しや再設計を進めていくと、「この事業は、今後の主軸と少し違うかもしれない」と感じる瞬間が訪れます。売上はある。顧客もいる。担当者も頑張っている。しかし、会社として目指す方向や事業ドメインとは、どこか噛み合っていない。こうした「ズレた事業」は、成長過程にある企業ほど生まれやすいものです。問題は、それを「失敗事業」「不要な事業」と短絡的に扱ってしまうことです。本記事では、事業再設計の過程で切り出しを検討する1事業を、捨てるのではなく、どう活かすかという視点で整理していきます。

    なぜ「ズレた事業」は生まれるのか

    ズレた事業が生まれる背景には、次のような理由があります。
    ・顧客要望に応え続ける中で派生した事業
    ・過去の成功体験をもとに始めたが、環境が変わった事業
    ・特定の人材やスキルに依存して成り立っている事業
    ・本業を補完するつもりが、独立した存在になった事業
    これらは、その時点では合理的な判断で生まれたものです。だからこそ、後になって違和感を覚えても、「簡単には手放せない」状態になります。

    切り出しを考えるべきサインとは

    感覚だけで判断するのではなく、次のようなサインが出ていないかを確認することが重要です。
    ・経営会議で議論される頻度が極端に少ない
    ・主軸事業とのシナジーが説明しづらい
    ・将来戦略を描く際に、位置づけが曖昧になる
    ・社内で「この事業は何のためにあるのか」が共有されていない
    これらは、事業自体の良し悪しではなく、会社全体との関係性の問題です。

    切り出した1事業にある5つの選択肢

    事業を切り出す=撤退、ではありません。状況に応じて、次のような選択肢が考えられます。

    ① 主軸事業から切り離して「別枠事業」として整理する
    社内ではあるが、KPIや評価軸を分けて運営する方法です。経営判断をシンプルにしやすくなります。

    ② 子会社化・事業部独立
    事業の自立性が高い場合、有効な選択です。責任と裁量が明確になり、成長余地が見えやすくなります。

    ③ 外部パートナーとの連携・事業譲渡
    自社にとってはズレていても、他社には価値があるケースも多くあります。

    ④ スピンアウト(社外独立)
    人材の挑戦を支援しつつ、関係性を維持する形です。

    ⑤ 実験事業として位置づけ直す
    短期収益ではなく、将来の可能性として扱う判断もあります。

    重要なのは、「今の会社にどうフィットするか」だけでなく、その事業がどこで最も活きるのかを考えることです。

    「感情」と「経営」を切り分ける視点

    切り出しの判断で最も難しいのは、感情との向き合い方です。
    ・長年取り組んできた
    ・特定の社員が支えてきた
    ・自分自身の思い入れがある
    これらを無視する必要はありません。ただし、感情を理由に判断を先送りすると、主軸事業にも悪影響が出てしまいます。「この事業をどう終わらせるか」ではなく、「どう次につなぐか」という視点に立つことが、経営者の役割です。

    事業再設計とは「捨てること」ではない

    事業再設計の本質は、整理と選択です。すべてを抱え込むことが強さではありません。
    切り出した事業は、
    ・会社の中で役割を変える
    ・場所を変えて生き続ける
    ・誰かの挑戦として次に進む
    そうした未来への配置換えによって、企業全体はより強くなります。

    まとめ

    事業ドメインとズレた事業は、経営の失敗ではありません。むしろ、ここまで事業を広げてきた証でもあります。重要なのは、その事業を「抱え続けるか」ではなく「どう活かし、どう手放すか」を考えること。その判断一つで、主軸事業の成長スピードも、組織の健全性も大きく変わります。

    編集局の声

    事業を整理し、選択することは、経営者にとって孤独な判断になりがちです。しかし、第三者の視点や同じ立場の経営者との対話によって、「切り出す勇気」や「次につなぐヒント」が見えてくることも少なくありません。一人で悩まず、外の視点を取り入れることも、事業再設計の大切なプロセスです。経営の選択に迷ったときこそ、対話の場を活用してみてください。

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