革新ビジネスアワード2025大賞は、熟練の技術を次世代に継承する革新的な取り組みが高く評価された堀江車輌電装が受賞。
今年で15回目を迎えた「革新ビジネスアワード2025」(主催:イノベーションズアイ)は、最終審査のプレゼン大会と表彰式が2025年12月9日に秋葉原UDXで開催された。優れた革新ビジネスを展開する企業として注目を集めた6社が優秀賞(ファイナリスト)に選出され、その6社によるプレゼンテーション大会が行われた。
開会にあたり、実行委員長のイノベーションズアイ 代表 加藤俊之の挨拶に続き、西武信用金庫 理事長 髙橋一朗氏、財界研究所 代表取締役社長・主幹 村田博文氏、第一法規 編集制作局 編集第四部「会社法務A2Z」編集長 井原一道氏らが挨拶、来賓の方々からは、革新的なビジネスに挑戦する企業への期待と激励の言葉が寄せられた。
白熱したプレゼンテーション大会を経て、支援機関による審査、来場者投票、さらに事前のWeb投票の結果より、大賞と特別協賛賞「西武信用金庫賞」(提供:西武信用金庫)の選定が行われた。
大賞には、鉄道車両の整備現場が抱える技能伝承や作業効率化の課題に対し、AIやARなどの先端技術を活用した独自の作業支援ソリューションを提供し、熟練の技術を次世代に継承する革新的な取り組みが高く評価された堀江車輌電装が受賞。西武信用金庫賞には、認知科学に基づく映像制作サービス「Vision Maker」を通じて、企業のブランディング、リクルーティング支援を行っている青山プランニングアーツが受賞した。
また、表彰式後には、ファイナリストをはじめ、来賓、支援機関、来場者が参加する交流会が開催された。会場では活発に名刺交換や情報交換が行われ、参加者同士の新たなつながりが生まれる有意義な時間となった。
革新ビジネスアワード2025大賞
堀江車輌電装株式会社
■ 受賞ポイント
● 鉄道車両の製造・整備といった高度な職人技が求められる分野において、AIを活用した技能伝承の仕組みを構築し、属人化しがちな技術を体系化している点。
● ARグラスを用いた作業支援システムにより、作業品質の均一化と効率化を実現し、現場力の底上げと人材育成を同時に進めるモデルを確立している点。
● 人手不足・技術継承という、日本の製造業が直面する構造的課題に対し、現場目線で実装された実用性の高いソリューションを提示している点。
● 鉄道分野にとどまらず、他の製造業やインフラ分野への応用も期待でき、社会的インパクトと将来性の高さが評価された点。
■ 受賞コメント
堀江車輌電装株式会社
代表取締役 堀江 泰氏
この度は、革新ビジネスアワード2025において大賞という栄誉ある賞をいただき、心より感謝申し上げます。
私たちは2017年にもこのアワードに参加させていただき、その時から今日まで、事業を通じた社会課題の解決に取り組んでまいりました。弊社は祖父が設立してから58期目を迎え、鉄道事業一筋で歩んでまいりました。
私自身、32歳で事業承継してから13年、ヘルメットをかぶり作業着を着て、夏は暑く冬は寒い現場を駆け回った経験が、今のAI・デジタル分野への挑戦につながっています。現場で働いた時に感じた課題感が、今日の評価に至る原点となりました。
この賞は、58年間にわたり弊社で働いてきた大先輩たち、そして現場で共に汗を流してきた社員たちと二人三脚で築き上げてきた成果です。地に足をつけて取り組んできたことが、このような形で評価されたことを大変嬉しく思います。
今後は、開発しているシステムをさらに加速させながら、日本全国、そして世界へとイノベーションを広げてまいります。この受賞に甘んじることなく、引き続き社会に貢献できるよう精進してまいります。
※ 当日のコメントより抜粋
西武信用金庫賞(提供:西武信用金庫)
青山プランニングアーツ
■ 受賞ポイント
● 認知科学を応用した映像制作手法により、「記憶に残り、行動につながる」映像を生み出し、従来のPRや映像表現とは異なる価値を提供している点。
● 人口減少社会において、企業側の論理が通用しにくくなっている現状を捉え、社会・顧客・学生から「どう見えるか」という外部視点を重視したブランディングモデルを構築している点。
● 新たな技術を用いて、企業と社会との認識ギャップを可視化・解消する仕組みを提示し、選ばれる企業づくりを支援する実効性の高いモデルである点。
● 映像を軸に、ブランディングや採用、理念浸透など幅広い用途に活用でき、特に中小企業にとって大きな味方となる可能性が高く評価された点。
■ 受賞コメント
青山プランニングアーツ
代表取締役COO 尾中 俊之氏
このような貴重な賞をいただき、大変光栄に存じます。
当社で取り組んでいる事業が、少しでも世の中のためになるようにという思いで、今回発表させていただきました。この受賞を自信として、今後も社会に貢献できるよう、より一層尽力してまいります。
※ 当日のコメントより抜粋
革新ビジネスアワード2025優秀賞(順不同)
株式会社NEXT81
■ 受賞ポイント
● 越境ECマーケットプレイス「YAICHI」を通じて、まだ知られていない地方の名産品を発掘し、良質な日本ブランドを海外へ発信している点。
● 地方産品の海外展開を後押しすることで、地域経済の活性化に寄与している点。
● ヤマト運輸との協業による「YAICHI TRAVEL」によって、訪日外国人が購入した商品をコンビニから自宅へ発送できる仕組みを構築し、手ぶら観光の推進と日本製品の国際的な流通促進に貢献している点。
株式会社 全就連
■ 受賞ポイント
● 多様化・複雑化する労働契約に対応するため、AIを活用した独自クラウドシステム「JCデータバンク」を開発し、効率的な契約管理を実現している点。
● 社労士による契約管理の代行を組み合わせることで、企業の負担を軽減しながら、高い正確性と専門性を備えた運用が可能となっている点。
● 契約管理にとどまらず、人事課題の解決や人材の戦略的活用につながる仕組みを提供し、企業の人事・労務領域における革新的な価値創出を実現している点。
合同会社ジーフロッグ
■ 受賞ポイント
● ミャンマー現地機関との強固なネットワークを活かし、日本や海外で活躍できる人材の発掘・育成・コンサルティングを包括的に行っている点。
● ミャンマーに日本語学校を開校し、語学教育を通じて現地人材のスキル強化・キャリア形成を支援している点。
● ガイダンス、入出国手続きなどの一貫したサポート体制を提供し、さらにタイへの事業拡大を進めるなど、グローバル人材支援の領域を広げている点。
株式会社With us
■ 受賞ポイント
● 事・子育てで培われたスキルを「仕事に活かせる能力」として捉え、女性の再就職に対する固定観念を変える新しい価値観を提案している点。
● 専門的な講習を提供することで、子育てを終えた女性が希望する職種で活躍できるよう、スキル習得から職業選択までを体系的に支援している点。
● 求人企業の紹介から就職後のフォローまで、一貫したサポート体制を構築し、女性のキャリア再構築を実現する持続性の高い支援モデルを提供している点。






















