現金が不要なオフィス向け無人販売機で商品を購入する会社員=東京・大手町
生体認証技術などを開発するITベンチャー、Liquid(リキッド、東京都千代田区)はパナソニックと共同で、現金が不要なオフィス向け無人販売の実証実験を開始した。リキッドの指紋認証技術とパナソニックの無線識別(RFID)タグを使うことで、利用者は手ぶらで商品を購入できる。
実験は、三菱地所が所有する大手町ビル(東京都千代田区)に2月1日にオープンした「Inspired.Lab」で3月末まで実施する。
リキッドが提供する生体認証スキャナーで事前に指紋を登録した利用者がショーケースから欲しい商品を選ぶとパナソニックのRFID読み取り技術でその商品を確認。リキッドの生体認証と連動した決済ソリューション「PASS」により自動的に支払いが完了する。
利用者は現金の出し入れが不要になるほか、セルフ形式のバーコード読み取りや漏洩が心配なパスワードの入力、クレジットカード紛失の恐れから解放される。このため安全で利便性の高い決済を実現できる。
導入側はオフィスの狭小スペースでも設置が可能となり、スタッフの無人化によるコストダウンを図ることができる。またRFIDのリアルタイム在庫情報から商品の需要を高精度・高頻度に予測。利益が最大化する供給スケジュールを端末に自動提示する機能を開発する予定という。
両社は今後、相互に持つ高精度な認識・認証技術を核に無人販売サービスを拡大していく考え。
「フジサンケイビジネスアイ」