パケットファブリック・ジャパン株式会社

大容量データを高速転送 バイク便に対抗

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ギガクラスの映像データを高速で安定的に転送するサービスを、ビデオ編集や映像配信などを手がける日本ブイ・テイ・アール(日本VTR、東京都中央区)が始めた。

大容量データを安心してインターネットで送信することができず、バイク便などを使っていた顧客に乗り換えを促す。売り上げは当初、年間1000万円を見込む。

この「高速ファイル転送サービス」の提供に必要な送信サーバーやネット接続などのシステムインフラは、ネットワーク関連サービスのインターナップ・ジャパン(同千代田区)が開発した。インフラ利用料として日本VTRは月22万円を支払い、同社は1日3万円で同サービスを提供する。

映像業界向け

日本VTRは、テレビ番組のロケ現場で収録した映像データを急いで編集したり、海外とやり取りしたりするときの利用を想定しており、映像業界を中心に今月から顧客開拓に乗り出した。受信サーバーへの接続スピードは1秒間に最大100メガビット、使用可能な通信容量は500ギガバイト。

通常、データ転送には1ギガ程度で10時間以上かかり、途中で中断すると最初からやり直さなければならない。このため転送終了時間が読めず、編集業務などに支障をきたすケースも少なくないという。

そこでデータ容量が大きい場合は、バイク便や手持ちに切り替える企業も出ている。転送に時間がかかるなら届けた方が早いためだが、渋滞や天候不順などで到着時刻が見通せなかったり、急ぎ利用する場合はドライバーが不在だったりと時間的・人的制約を受けることも多い。

日本VTRは「情報の鮮度を重視する映像業界なので安定した高速回線インフラへのニーズは強い。バイク便と戦う」(大西亨・技術部長)ことを決め、大容量データを高品質に転送できる技術をもつインターナップに開発を持ちかけた。

同社は顧客目線でソフトウエアを選定して提供するのに強みを持つ。今回は映像編集向けに便利な機能が備わった海外の高速ファイル転送アプリを選択。その上で、本番同様のインフラ環境を整備して検証。十分に実施可能なことが分かったため、「通常なら日本VTRと契約してからテストしてもらうが、自信があったので検証環境を無償提供」(インターナップの間庭一宏・技術部マネージャー)。日本VTRも効果を確認し、サービス提供に乗り出した。

専用サーバー確保

求められるスピードを確保するため、サービスを利用できるのは送信サーバー1台当たり1社に限定した。通常のファイル転送サービスは1つの送信サーバーを共有して使用しており、同時に利用するユーザーが増えると転送スピードが低下する。これを防ぐため、貸し出したユーザー専有とした。

またデータをダウンロードする際、インターナップ独自の通信経路制御技術「インテリジェント・ルーティング」を採用、通信障害などの問題地点を回避し最適ルートに誘導することでスピードのロスを軽減する。

加えて、顧客の使い勝手を考慮し1日単位で貸し出すことにした。月額制でのサービス提供が多いが、利用回数が月数回の場合は利用料が割高になる。1日貸しにすると使いたいときだけ使えるため、利用するユーザーが増えると判断した。

「フジサンケイビジネスアイ」

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