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上場企業だけじゃない!証券会社が中小企業に関わるシーンとは?

#M&A・事業承継

上場企業だけじゃない!証券会社が中小企業に関わるシーンとは?
「証券会社は上場企業のための存在」と思っていませんか?確かに株式取引やIPO(新規上場)に関するイメージが強い証券会社ですが、実は中小企業でも関係を持つべき場面が多々あります。資金調達や事業承継、M&A、企業価値評価などの重要局面で、証券会社の知見が必要になるケースは増加しています。本記事では、上場企業でなくとも証券会社が関わる具体的なシーンと、中小企業にとってのメリットや注意点を紹介します。

    証券会社が中小企業に関わる主なケース

    M&A(合併・買収)のアドバイザーとして

    中小企業のM&Aが活発になる中、証券会社は「仲介」ではなく「アドバイザリー」として中立的な立場で助言を行うことがあります。企業価値の算出、買収候補の選定、条件交渉など、専門的なサポートを受けることで、スムーズで公正な取引が実現できます。

    事業承継・後継者不在への対応

    中小企業の経営者の高齢化に伴い、事業承継が大きな課題となっています。証券会社は、企業評価や株式の譲渡設計、承継スキームの提案などで支援する役割を担うケースがあります。これにより、親族内承継だけでなく、MBO(マネジメント・バイアウト)や第三者承継といった選択肢も広がります。

    未上場企業向け私募債の発行支援

    地方銀行などが行う私募債発行の支援とともに、証券会社が関与する場合もあります。未上場企業が信用力を示す手段として、私募債の活用が注目されており、金融機関や取引先への信頼アピールにもつながります。

    成長企業向けのプレIPO支援

    将来的に上場を目指す企業に対して、証券会社が経営管理体制の整備や資本政策の助言を行うことがあります。「今は上場の予定がなくても、5年後には」と考えている企業にとっては、早期に関係性を築くことで将来的な成長ステージの選択肢が広がります。

    資本政策・企業評価のアドバイザー

    証券会社のもう一つの役割が、企業の価値評価や資本政策の助言です。たとえば、外部投資家からの出資や従業員持株制度の設計など、企業の成長フェーズに応じた資本設計の相談先として関わります。

    中小企業にとってのメリット

    ●専門的なアドバイスが受けられる
    会計・法務・金融にまたがる複雑な意思決定も、証券会社の知見で道筋が明確になります。

    ●信用力の向上
    証券会社と関係を持つことは、企業の成長性や透明性への信頼感を高める効果があります。

    ●選択肢が広がる
    事業承継やM&Aの際も、税理士や弁護士だけでなく、金融視点からの戦略提案が加わります。

    関わる際の注意点

    ●手数料や契約条件の確認が重要
    アドバイザリー契約には報酬体系が明示されています。着手金・成功報酬など、内容を事前に十分確認しましょう。

    ●すぐに上場を勧められるわけではない
    上場は一つの選択肢であり、無理に勧められるものではありません。自社に合ったフェーズの支援を受ける意識が大切です。

    ●社内体制の整備が必要な場合もある
    証券会社の助言を最大限に活かすには、一定の財務情報の開示や体制整備が求められることもあります。

    まとめ

    証券会社との関係は「上場準備企業だけのもの」ではありません。むしろ、中小企業だからこそ資金・人材・継承といった経営課題を解決するために、証券会社の金融知見を活用する余地が大きいのです。将来的な選択肢を広げる意味でも、信頼できる証券会社と早い段階から情報交換を始めてみるのも一つの戦略です。

    編集局の声

    証券会社は、株式市場に関する知識だけでなく、「企業の未来をどうつくるか」に関わる専門家です。中小企業の経営課題に応える存在として、もっと身近に捉えてみませんか?今は上場予定がなくても、将来の可能性を考える経営者の皆さまにとって、有益なパートナーとなるかもしれません。

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