農業用ロボット:普及の波が押し寄せる
農業用ロボット:普及の波が押し寄せる
ヒトの労働力とロボットの活用を組み合わせることで競争力向上が可能、
向こう10年のコスト低下により利用用途の拡大が期待される (ラックスリサーチ調べ)
2016年7月11日 – 先端技術の技術評価と市場分析を専門とする米調査会社ラックスリサーチ(本社:ボストン、社長:デニス・フィルビン、www.luxresearchinc.com)の調査によると、農業におけるロボットの利活用は 世界的に増加しつつあり、今後農業市場を大きく変えていくことがわかりました。ただし、 現時点でもコスト高が導入への主なハードルとなっています。
ラックスリサーチのアナリスト、サラ・オルソンは、『ロボット革命の種をまく: 自動化システムは如何に精密農業に取り入れられているか(“Planting the Seeds of a Robot Revolution: How Autonomous Systems Are Integrating into Precision Agriculture“)』と題したレポートにて、次のように指摘しています。
『農業用ロボットは未だ価格が高い点が普及への壁となっています。ただし、今後、農業労働力の欠如を受け人件費増加が予想される中、ロボットによる作業の正確性への評価が高まり、またシステムの低価格化も予想されるため、農業ロボット導入が増加することが予想されます。』
ラックスリサーチでは農業分野の自動化技術と農業向けロボット開発企業の評価を実施しました。以下が調査結果の一部です。
• トウモロコシ農園向けロボットは農業従事者の人件費と見合うレベル。 自動操舵システムを搭載したトラクターや刈り取り機の利用は大規模なトウモロコシ農園においてはコスト効率が良く、すでに10%のシェアを達成しています。米国市場においては、 自動操舵あるいは遠隔操作が可能な農機の導入コストと人件費との差は小さく、2020年までに無視できるレベルまで下がる見込みです。
• 欧州市場のレタス栽培は2028年時期に自動化される。 農薬規制が厳しい欧州市場において、レタス栽培向け除草自動化システムはすでに人件費と対抗できるレベルとなっています。間引き作業は現在も手作業で行われていますが、2028年にはロボット導入コストは人件費と同レベルまで低価格化する見込みです。
• 日本市場ではイチゴ収穫機械導入が事業機会。 複数の農家での共同利用を前提とした場合、日本市場でのイチゴ収穫ロボット利用は人件費と同程度と言えます。イチゴの摘み取りは人手と時間がかかり、また日本では就農人口の平均年齢は70歳と高齢化が進んでいるため、ロボット利用の方が安くなるのは時間の問題と言えます。
前出のレポート、『ロボット革命の種をまく: 自動化システムは如何に精密農業に取り入れられているか(“Planting the Seeds of a Robot Revolution: How Autonomous Systems Are Integrating into Precision Agriculture“)』及び『オートノマスシステム(Autonomous Systems 2.0)』インテリジェンスサービスにて提供しております。
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ラックスリサーチについてラックスリサーチは先端技術分野に特化したアドバイザリーサービスを提供する調査・コンサルティング会社(本社:米国ボストン)です。IoT、化学品・材料、ヘルスケア、エネルギー、農業、食品など多くの先端技術を調査対象とし、グローバルな視点での技術評価、アプリケーション別の事業性、政策・規制、ビジネスモデルを調査・分析しております。特に事業会社における成長戦略の一環である新分野・新事業参入やオープンイノベーション実現のご支援を行っております。詳細については、弊社ホームページ(www.luxresearchinc.com)をご覧ください。
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