株式会社青山プランニングアーツ 代表取締役COO   尾中 俊之氏

映像で企業のブランド価値向上を支援

認知科学に基づく映像制作を手掛ける青山プランニングアーツが、顧客企業の営業支援からブランド価値向上にビジネス領域を広げている。将来的にはコンサルティングにもつなげる考えだ。尾中俊之代表取締役COOは「ブランディングのビジネスモデルの“型”を創り上げるとともに、それに必要な人材を揃え組織力を高める」と意気込む。認知科学を活用したビジネスを展開する唯一の企業として知名度を高め顧客開拓に力を注ぐ。IPOも狙う。

イノベーションズアイ主催の「革新ビジネスアワード2025」で特別協賛賞「西武信用金庫賞」(提供・西武信用金庫)を受賞した
認知科学の応用により記憶に残る映像を制作しマーケティングに生かす革新的サービスの開発が評価された。これがきっかけとなり、西武信金から、他の金融機関との違いを出せるブランディング映像の制作依頼を受けた。「人にやさしい」「地域にやさしい」「未来にやさしい」といった我々の思いをドキュメンタリータッチの映像で表現してほしいとのことだった。このため、顧客と対面で会って話を傾聴して寄り添うという経営姿勢、すなわち「あなたたちの西武信金」をアピールできる映像をつくることにした。
企業のブランディングづくりを支援するビジネスが増えているのか
企業のビジョンやブランディングなどを映像で訴求する「ヴィジョンメーカー」という商材をもっており、ブランド価値向上に活用したいという顧客に提供する機会が増えている。商品・サービスの買い手(ユーザー)の心にポジティブなブランドイメージを築くことでブランドロイヤルティー(ユーザーがブランドに抱く愛情や信頼)を高めるのに有効だ。そのために企業ブランドを物語として認知し記憶できるように設計し映像化している。
企業にとってブランド管理も重要になってくる
ブランディングガバナンスが問われる。つまり、ブランド価値を最大化するためには組織全体で適切に管理する必要があり、管理できないとブランド価値を毀損してしまいかねない。適切な管理はブランドの信頼性の維持・向上につながるだけでなく、創業者・経営者の理念・思いを伝えることができる。このため、社員のエンゲージメント(愛社精神)向上やリクルーティングに役立つ。経営者が自ら話すより客観的な映像のほうが思いを伝えやすい。
ビジネスとして成り立っているのか
制作中を含めて十数社から依頼を受けた。エッセンシャルワークを担う企業もある。人手不足で黒字倒産を懸念しなければならないので「3K職場のイメージを払拭したい。若い人を採用するには必要」といわれた。ヴィジョンメーカーはブランディング、リクルーティングに欠かせないツールといえる。これでビジネスの幅も広がった。これまでは「ザ・ワールドヴィジョン」という営業支援ツールがユーザーの購買意思決定の迅速化やロイヤルティー向上に寄与し、顧客拡大につながった。こうして獲得したナレッジ(有益な情報・経験・技術)を生かすことでブランディングビジネスにつなげていける。例えばザ・ワールドヴィジョンを通じて来店客の欲しいもの(好み)を理解していたため、顧客に寄り添った施策を提案することで、コンサルビジネスへの展開を可能にできる。
ビジネスの幅が広がるのにあわせて従業員を増やす必要があるのでは
現状は15人だが、2026年末には19人になる予定だ。プロデューサー、営業スタッフ、秘書など必要な人材を募集して採用している。仕事が増えているのでリクルートを急いでいる。多様な人材が集まることで評価手法も変わってくる。例えば尖ったアイデアをもつ人材は映像制作の現場で腕を大いに振るってくれるが、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を求めてもなかなか返ってこないので評価は難しい。こうしたアートセンスあふれる人材と、真面目に仕事をこなす人材の両方をどう納得させるか。経営者の器が問われるようで頭を悩ます。
事業は順調なのか
ヴィジョンメーカーが立ち上がったため、業績は右肩上がりで推移している。現状は営業支援のほうの売り上げが多いが、2年後をめどにブランディングのほうのビジネスモデルの型を創り上げる。そのためにAIを活用してフォーマットをつくり、誰もがビジネスに携われるようにビジネスを標準化する。4年後には大きな柱に育て上げ、売り上げ比率は7対3で大きくなっていると見ている。これにより増収増益のビジネスモデルを構築し、IPOを視野にいれ、具体的に検討を進めていきたいと考えている。認知科学という独自領域を持っており、ライバルはいないと自負している。すでに成功体験もある。すべての業種のどんなニーズにも対応できるので、顧客も安心して依頼できるはずだ。

尾中 俊之(おなか・としゆき)
株式会社青山プランニングアーツ 代表取締役COO

1989年生まれ。法政大学院卒業後、2014年にソフトバンクテクノロジーに入社。
SE、SIierとしてMicrosoft365を用いたポータルサイトの自社サービス開発・構築やワークフローサービス構築等、エンタープライズ企業向けの事業に従事。2017年に株式会社青山プランニングアーツへ入社、トヨタ販売店向け営業支援システムの商流づくり、拡販に従事。
2020年取締役COOに就任 カスタマージャーニーのポジション別に認知科学を組み入れた映像商材を発案、構築。
現在は経営理念、ブランディング、リクルーティングにおける思いの見える化において新たな商材を構築、拡販を目指す。

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