株式会社青山プランニングアーツ 代表取締役COO   尾中俊之

認知科学で企業の販促支援、唯一無二で攻勢かける

企業にとって市場での競争力向上に欠かせないのが認知度。高いほど顧客が製品・サービスを選ぶ際の優先度が高まり、信頼性も増すからだ。そのために青山プランニングアーツは認知科学を活用し、企業が発信したい情報を顧客に的確かつ効果的に届けるコンテンツを開発から提供まで一貫して手がけている。尾中俊之代表取締役COO(最高執行責任者)は「認知科学を活用してコンテンツを設計するビジネスを展開しているライバルは他にいない。販促支援ツールとして唯一無二のビジネスモデルを強化していく」と顧客獲得に挑む。

――認知科学とは
情報処理の観点から、生体、特に人の知の働きや性質を理解する学問ととらえており、心理学や人工知能(AI)、言語学、神経科学、哲学といった様々な分野を横断し、意思決定につながる科学と認識している。当社では視覚から入る情報を経て総合的に脳が判断し、興味ある情報に関して記憶し意思決定を促すのに必要な仕組みと理解。人の注意や感情、記憶、意思決定を科学的に制御・誘導するとともに、迷わず行動できるよう導線を科学的に設計している。
――どんなコンテンツがあるのか
認知科学をベースに研究開発し、社会実験を行ったコンテンツとして「ザ・ワールドヴィジョン」がある。脳科学の権威である山口大学医学部・鈴木倫保教授と共同で約5年間にわたり脳波実験を実施。その結果、脳を刺激するコンテンツ映像を視聴することで前頭葉の集中力が高まり、記憶量が紙カタログの約7倍に向上することを証明した。これを受けて全国のトヨタ自動車販売店50か所で2018年から5年間、社会実験を行った結果、顧客の意思決定を迅速化しロイヤリティ(愛着、信頼)を高めるプレゼンテーションツールとして「使える」ことが分かり、現在も営業活動の効率化と売上向上を目指すSFA(営業支援)ツールとして活用されている。
――どんな内容なのか
製品・サービスを顧客にアピールするスピードを速めるポイントは「全体概要」「詳細説明」「お客様の声」「専門家の声」の4つ。これら4本の動画(2~3分)を、画面の分割と拡大を繰り返しながら多面的に見せることで、顧客の理解を促し、記憶に定着させる。使いやすさやデザイン、機能性といったユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)を向上させることで、購入を前向きに検討してもらいやすくなる。そのぶん商談時間の短縮につながり、他のお客さまとの接触機会を増やすことができる。また、経験の浅い販売スタッフの知識量や会話術を映像で補填できるため、課題である「うまく伝えられない」を解消し、スタッフによる提供サービスの差を埋めることができる。つまり量(商談時間の短縮)も質(顧客満足)も高められるわけだ。
――品ぞろえは
ザ・ワールドヴィジョンを起点としてコンテンツを展開している。企業が提供する製品・サービスの購入を促すには、まず関心の壁を乗り越える、つまり興味をもってもらう必要がある。こうした認知拡大・興味喚起につなげるコンテンツとして用意しているのが、認知科学に基づくショート映像「サイバーヴィジョン」だ。SNSやCMを使って脳を活性化し、「いいな」「ほしいな」という興味を持たせる。従来のCMはアルファ波の排出に傾斜しているが、サイバーヴィジョンはアルファ波に加え、ドーパミンも排出。脳がワクワクする状態(うれしい・楽しいなど)をつくれるため、潜在顧客へのアプローチに有効といえる。
――関心の壁を越えた後に有効なツールは
サイバーヴィジョンで認知前・無関心を興味喚起につなげた後の認知・理解には、潜在顧客の来店導線を築く「バーチャルドア」と、顧客の行動喚起に必要な情報を提供する「クオリア」を活用する。クオリアは購買行動を起こさせることを目的としており、「買わされるのでは?」という脳内の潜在的な不安による(購入を途中でやめる)離脱を防ぐ。見込み顧客へのアプローチに最適で、購入に向けたネクストアクション(来店)を促すことができる。来店客にはザ・ワールドヴィジョンでイメージ訴求やCS向上を図り前向き検討に移行させ、本格検討につなげる。
――製品・サービスの訴求という販促支援以外のコンテンツは
会社のイメージやビジョンの浸透、ブランディングの強化などを図るコンテンツとして「ヴィジョンメーカー」を開発した。ポジティブイメージを形成するアルファ波と脳の集中力を高めるガンマ波が排出される映像となり、視聴することで、言葉では伝えにくいニュアンスや複雑な考えを伝えることができる。創業者の理念が伝わるため、社員のエンゲージメント(愛着心)向上や人手不足で需要に応えきれない業界ではリクルーティングにも有効だ。
――今後の展開は
強みを生かすことに尽きる。認知科学に基づいたコンテンツ制作を行うため、通常のコンテンツと比較して科学的制作が可能で、企業も販促支援ツールとして導入しやすい。多くのトヨタ販売店で活用されている実績は大きく、ここで得たナレッジ(有益な情報、経験、技術)を生かさない手はない。我々が提供するコンテンツは商材単価が高く、寿命が長いものに効果的だ。営業スタッフの負担が大きい商材を映像でサポートできるため、今後は自動車業界に加え、金融や住宅・不動産などにも声をかけていき、販路拡大を目指す。
――豊富な品ぞろえも強みだ
我々はコンテンツの開発から提供までワンストップで賄える。しかもクリエイティブ(撮影、編集含む)部門は高いクオリティーの映像といったアート面においても定評がある。その上、(製品・サービスの認知・理解・検討・購入という一連の流れである)カスタマージャーニーに応じたコンテンツを認知科学に基づいて提供できる。このビジネスでライバルはいないと自任しており、企業の戦略に応じたコンテンツを開発・提供していくことができる。戦略も一緒に考えるコンサルティングも強い知的集団として、こうした唯一無二を強化していく。

尾中 俊之(おなか としゆき)
株式会社青山プランニングアーツ 代表取締役 COO

1989年生まれ。法政大学院卒業後、2014年にソフトバンクテクノロジーに入社。

SE、SIierとしてMicrosoft365を用いたポータルサイトの自社サービス開発・構築やワークフローサービス構築等、エンタープライズ企業向けの事業に従事。2017年に株式会社青山プランニングアーツへ入社、トヨタ販売店向け営業支援システムの商流づくり、拡販に従事。

2020年取締役COOに就任 カスタマージャーニーのポジション別に認知科学を組み入れた映像商材を発案、構築。

現在は経営理念、ブランディング、リクルーティングにおける思いの見える化において新たな商材を構築、拡販を目指す。

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