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株式会社レガーロ 代表取締役   髙倉 博

劣化予測で看板事故回避

看板の企画設計などを手掛けるレガーロは、劣化予測により看板事故を回避し安全・安心を届けるサービス「看板ドック」を提供する。看板業界を安全第一の業界に変え、看板で悲しんだり苦しんだりする人をゼロにするためだ。これが評価され、イノベーションズアイ主催の「革新ビジネスアワード2023」で大賞に輝いた。採用企業も増えており、看板ドックを扱う協力店ネットワークも広がる。手応え十分の髙倉博代表取締役は「劣化予測(未来予測)を看板から店舗全体に広げる」と意気込む。

――革新ビジネスアワードで大賞を受賞した
外部が評価するアワードで大賞という「1番」に選ばれたことは大きい。2番とは意味合いが全く違うからで、取引先の担当者も「会社で稟議を上げやすい」と喜んでくれた。金融機関などへの説明もしやすくなった。過去の大賞受賞企業はその後も成長している。我々も負けずに事業を伸ばす。
――アワードで強調したことは
当日は、多くの審査員を前に、私はプレゼンのトップバッターを務めた。「看板は点検していても事故が起きる」という社会的課題を解決するために看板ドックを開発したと話した。看板の点検は従来の目視から非破壊検査機による電子の目による点検に変え、データを独自の方法で解析。独自の安全基準に照らした上で、①数値をもって分かりやすくカルテとして報告②補修延命の技術によってコストダウンを実現③看板専用の保険を付けてトータルに安全安心を保証―など全容を説明した。
――そもそも看板ドックとは何か
看板にまつわる困りごとといえば、点検しているのに事故が発生することだ。建築基準法のような安全基準がないからで、職人による経験や感覚値に依存している。有識者によるチェックもなく、データ管理もできていない。こうした問題を解決するため看板の安全性を数値化しカルテで報告するのが看板ドックだ。顧客が設置した看板の安全・安心を守るため、人間ドックのような精密検査をして、詳しく分かりやすく検査結果を報告する。看板には看板ドックが必要なのだ。
――提供するサービスの内容は
看板ドックのカルテで劣化具合が可視化されており、必要な部分だけ補修工事ができる。この補修により看板の延命を図るのが「看板リペア」だ。危ない看板を撤去するにも新設するにもコストがかかるが、延命によりコストダウンを図ることができる。このほかに、屋外広告物の申請にまつわる業務を代行して効率化を図る「看板ラクスル」、躯体筐体の再利用でコストダウンを実現する「看板パワフル」、さらに看板の設置環境などから視認性や可読性、判読性について訴求効果を測定して必要な場所や数を明確に提案する「看板アピールネス診断」を加えた。
――顧客の反応は
サービス内容を拡充できたのは、顧客から「こんなサービスはないのか」などと「次」を求められてきたからだ。マーケティングコストをかけずに、顧客の困りごとに応えることでサービスメニューを増やすことができ、看板にまつわる困りごとを解決できる態勢が整った。看板業界は「看板を作ってなんぼの世界」で、作り直すという発想はなかった。補修延命コストは新設の3分の1で済むが、強度は新設時と変わらない。数値による裏付けもあり安全な上、専用保険も用意した。安全・安心とコストダウンの両立を図れるので顧客から喜ばれている。
――採用企業は増えているのか
採用企業は大手コンビニエンスストアチェーンや外食チェーンなど7社で、検討中も9社だ。大手チェーンを押さえていくので市場シェアも相当高まる。社内の人員を段階的に増やし、60社を超す協力会社や技術者、職人の力を借りて看板ドックの品質、価格、納期を整えてきたからだ。SDGs(持続可能な開発目標)にも貢献できる看板ドックの必要性と重要性が認められたと感謝している。サービスが揃ったことから「サステナブルサインのレガーロ」と発信している。
――「作って壊す」という業界の常識を壊すことに業界の反応は
多くの看板を設置するコンビニチェーンと組むことになり、(顧客を奪われた)既存の看板屋から「邪魔される」「つぶされる」と危惧したが、看板ドックを認めてくれたコンビニ側が相手と話す機会を設けてくれた。これで不安がなくなった。今後は看板業界を安全第一の業界に変えるために互いに協力していく。
――今後の展開は
人間ドックは検査を受けて問題があるかないかを調べ、問題が見つかると治療を受ける。さらに、もっと元気になりたい、健康寿命を伸ばしたいと思う。元気とは、看板を抱える店舗では集客力であり、売り上げアップだ。店舗も長く使ってほしい。つまり健康寿命を延ばすことだ。我々は看板ドックを軸に、防犯カメラや厨房など店舗設備の劣化予測なども担うことで店舗全体を元気にしたい。看板に関わらず顧客の困りごとという大きなくくりの中で、課題に的確に応えていく。
――海外市場も狙えるのでは
2024年1月、米ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES」を視察した。出展している海外のベンチャー企業は世界に挑むというエネルギーにあふれていた。会場を歩き回って感じたのは「劣化予測×SDGs」に価値があるということ。劣化予測の技術を磨き、看板を活用したデータ収集もビジネスとしてありうる。我々も看板ドックで世界を目指す。日本1から世界1だ。まずはアジアを攻める。進出している顧客も多く、現地店舗の看板の安全管理に乗り出す。また危ない看板も多いと聞くので市場調査も開始する。
――看板だけでなく、店舗の困りごとを解決するネットワークの会長を務める
多店舗展開する企業と店舗向けサービスを手掛ける企業との情報交換会「縁活倶楽部」の立ち上げに関わり、初代会長に就いた。この仲間たちと一緒に「安全で安心な街づくり」に取り組みたい。劣化予測(未来予測)を看板から店舗、さらに街を元気にするのに生かす。元気な高齢者が住む街に子や孫が会いに行く。その街(コミュニティー)には介護施設や病院といった医療モールのほか、親の面倒を見る子が働けるテレワーク施設、孫を預かる託児所、3世代が楽しめる飲食店や娯楽施設も設ける。地方の中核都市に元気な街をつくり、地方創生につなげる。高齢者が住みやすく、健康寿命を伸ばせる街づくりは、レガーロだけではできないので人脈を生かす。

髙倉 博(たかくら・ひろし)
株式会社レガーロ 代表取締役

アパレル会社で専務を務めていた父と専業主婦で育児に専念する母の元に生まれる。

兄弟と比較して勉学的な面では優秀ではなく、自由奔放で天真爛漫ではあったが、仕事に打ち込む父の姿を見て父と同じように会社を経営することを夢見ていた。

1998年レガーロを創業。創業当初はアパレル関係の仕事に従事していたが、2004年看板用LEDに出会い看板業界に参入。
看板業界で悪戦苦闘する中で、【看板で悲しむ人をゼロにする】というミッションに出会い看板ドック事業を開始。
現在に至る。

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