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株式会社D.DiRECT 代表取締役   青木 洋光

開業医から信頼される医療コンサルタント ヘルスケアタワーに開業医集結し患者を誘客、経営する薬局にも誘導

神奈川県西部(西湘地域)を拠点に、開業医から頼りにされる医療コンサルティングなどで顧客を増やすD.DiRECT。開業用地の手配やクリニックの設計といった立ち上げだけでなく、経営もサポートするため、医師から診療に集中できると高く評価されている。住みやすい街づくりにも力を入れており、その一環として病院や薬局が集まるヘルスケアタワーを建設した。青木洋光代表取締役は「患者が満足し医師が潤うまで支援する。ずっと付き合うし、隅から隅までフォローする。そのためにもコンサルの質を高める」と強調。社名の由来である「ディレクト・オブ・ドリーム」、すなわち「顧客の夢の演出者」を追い求める。

――医師の開業支援に乗り出すきっけかは
地元のゼネコンに勤務していたとき、クライアントだったクリニックの創業・開業支援として開業する場所(土地)探しから建物の設計などをサポートしていた。さらに看護師や受付スタッフなどの募集、所管手続きまで寄り添ってきたため、医師の開業支援のロジックが分かるようになった。また、その医師から『自分のクリニックの顧問になってくれないか』と打診されたこともあって、コンサルタントとして独立することを決めた。
――とはいえ、起業は簡単なことではないと思うが
医師が開業時に必要とする相談相手、例えば土地は不動産業者、クリニックの設計は建設事務所、所管手続きは税理士など士業といったようにすべて違う。しかし私なら一人、すなわちワンストップで対応できる。開業を考える医師にとって時間もコストも抑えられる。ゼネコン時代は『何でも屋』だったからだ。受注するためには何でも手伝うので、士業とも知り合う。地元(小田原市)のゼネコンで培った約20年の実績があるので迷わずに独立できた。
――医療コンサルでは立ち上げから開業後までサポートするということだが
医師にとって最適な場所探しからクリニックの設計、人員募集、開業に必要な行政手続きはもちろん、開業後の経営もサポートする。患者の満足度を上げるための従業員指導やクレーム対応のほか、医師の相談に応じ早期解決を図る。医師と経営者の『二足のわらじ』は難しく、経営面の煩わしいことは我々が引き受け、医師は診察に専念できる環境を整える手伝いをする。土地や建物といったハードと、クリニック経営といったソフトの両面でサポートできるのが強みだ。
――不動産関係にも力を入れている
小田原駅前にヘルスケアタワーを企画した。2階に内科、3階に小児科、4階に歯科、5階は医療関係者の休憩所などオペレーション施設、6階は漢方内科を入れた。1階は薬局で我々が経営している。薬局は医師頼みで、患者が増えれば処方箋をもって薬局に来てもらえる。
――集客センターになっているわけだ
小児科に合わせて6階に、発熱(37.5度以上)した子供を預かる病児保育園を開設した。1日3人までだが、行政に依頼されて2年前に立ち上げた。点ではなく線でつなげることで人が集まり、薬局経営にもプラスになる。同様な取り組みとして昨年、伊勢原市(神奈川県)に、整形外科医の開業を支援した際に、薬局を支店の形で開設した。
さらにヘルスケアタワーの近くに企業主導型保育施設を開設した。平成28年に内閣府が始めた企業向け助成制度を活用しており、認可外施設だが国から助成金が支給されるため認可施設と同等の利用料を実現できている。定員は15人で、現状は0歳児3人、1歳児と2歳児が6人ずつ通っている。企業主導型保育施設は水平展開より質の向上を優先する。保育士教育を徹底し、質の高い保育を提供する。数を増やすより、その方が稼働率は高まると考えているからだ。
――住みやすい街づくりに向けた取り組みは
小田原駅周辺の再開発に取り組んでいる。ハードの空間だけでなく、ソフトと融合した街づくりが重要で、地域の声を聞きながら安心して人が集い、住める地域社会づくりに貢献していきたい。
――経営についての考え方は
売り上げは年間1憶1000万円ほどで堅調に推移している。身の丈経営、堅実経営を心掛けている。顧客満足度を考えると数を増やすより質を向上させるほうが利益率は高く、経営も安定する。実は当社には営業担当はいない。私と設計士2人、経理のパート社員だけだが、コンサルとして手伝う中で新たなビジネスチャンスが生まれる。相談に応えることが営業になっているわけで、医師の相談相手はやはり医師で、そうした中で『青木に相談すればいい』となっている。
――今後の展開は
開業したいという医師は多い。開業の相談に乗るが、人口が減少する中では診療内容が競合しないことも重要になる。患者の奪い合いになるからだ。その一環としてマーケティングにも力を入れている。例えばクリニックのホームページに春は花粉症、夏は皮膚病、そして冬はインフルエンザといった旬な情報を出すことで患者の集客につなげる。コストをかけずに済む(グーグルマップでの検索結果で上位に表示させる)MEOも重要施策になる。患者が来ればクリニックは潤う。そのためのフォローをする。クリニックをつくって終わりではない。ずっと付き合い、支援していくのがわれわれだ。
また、医師も高齢化しており後継者問題がいずれ出てくる。代替わりの医師をリザーブしておく必要があり、フォローアップ業務を視野に入れるリスクマネジメントが求められるようになる。そのためにも医師とコミュニケーションを密に取っていく。
青木 洋光(あおき・ひろみつ)
代表取締役
神奈川県内の中堅ゼネコンで約20年間、企画・デザイン・企業運営の業務に携わり多くの実績を積む。

2002年 株式会社D.DiRECTを設立。

独学で医療機関の開業支援を学び、専門家からの助言や市場調査・企画・運営・サポートを経て自分のスタイルを確立した。

「人は財産であり、物に拘るのでは無く、人に拘りが必要である」という持論を掲げ、これから出会うすべての人へ思いやりのある提案を作り上げている。


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