ボングゥー著作権法務行政書士事務所 所長・行政書士 堀越 総明氏
『トラブル未然防止のためには、最初が肝心』
  著作権のリーガルサービスを気軽に利用して欲しい。

取材日:2012年10月10日


ボングゥー著作権法務行政書士事務所 所長・行政書士 堀越 総明氏

「著作権」に特化された行政書士事務所というのは、珍しいですね。
 もともと、2006年から株式会社ボングゥーというクリエイティブコンテンツの企画会社を経営しています。若手アーティストとのネットワークを活かして、アートイベントの企画・運営、オリジナルアニメーションやキャラクターの制作などを手掛けています。

 このような事業をしていると、著作権とは切っても切れない関係で、私自身も著作権の知識を持っていないと、とてもやっていけません。だったら、専門的に著作権に関する法律を習得して著作権のコンサルタントとして事業化してしまおうと思い、クリエイティブコンテンツの企画会社とは別に、2011年にこの部門だけを「ボングゥー著作権法務行政書士事務所」として新たに設立しました。そのような経緯がありますので、単に法律的な側面だけでなく、クリエイティブ業界のことも熟知している上でのきめ細かなサポートができる点が他にはない「強み」といえると思います。

 著作権のトラブルを未然に防ぐには、著作物を制作した最初のタイミングでの対応が肝心です。例えば、あるイラストを知り合いに頼んだとします。良好な関係のときには問題は起きませんが、何かをきっかけに、人間関係がこじれたりして「あのイラストは自分が描いたものだから使わないでくれ」となってしまうことがあります。こうした場合、著作権は、制作した側にありますから依頼した相手は、そのイラストの著作権を制作者の納得する金額で買い取るか、 イラストの使用を放棄するかしかありません。同じようなケースが、ホームページなどのWEB制作を依頼したときにも発生します。例えば、知り合いの小さなWEB制作会社に口約束に近い形でホームページを制作してもらったとします。その後のホームページの管理もその制作会社に頼んでいましたが、後日、他の会社にホームページの管理を切り替えようと考えました。そのときに「ホームページの著作権はウチ(最初の制作会社)のものだから、ファイルデータも渡せませんし、今後このホームページの使用も認めません」と言われたら、やはり、最初の制作会社が納得する金額で著作権を買い取るかホームページの使用を放棄するかしかなくなります。これは、あくまでもわかりやすく説明するための極端な例ですが、一旦トラブルになってしまったら、訴訟に発展する場合もあります。ですから私が、行政書士として「著作権」に関するご相談に乗るのは、様々なケースを想定してトラブルを未然に防ぐサポートが目的です。まずは、ビジネスで他人の著作物を使用する方々の気軽に相談できる窓口としてご活用いただければうれしく思います。

もうひとつ、最近では「著作隣接権」(※)への関心も高まっています。
【(※)「著作隣接権」とは、歌手、楽器演奏、演技などの実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者に認められた権利】

実際、弊社でも芸能関係の相談も増えています。また、タレントさんがブログやツィッターなど個人で文章を創作して、自由に発信できる時代ですから、著作権の線引きも複雑です。対応をおろそかにすると大きな事故や損失になることもありますから、業種に関係なく不安や疑問に思ったら、まずは私たちのような専門家に相談することをお勧めします。
日本は、海外に比べて「著作権」に関する意識は、高いのでしょうか?
 まずは「著作権」の前提であるクリエイティブワークに対する意識ですが、欧米に比べれば、残念ながら高いとはいえないと思います。欧米では、クリエイティブワークの価値は高く認知されています。適正な報酬も支払われるし、活躍の場も用意されています。そうした中から優秀なクリエイターも生まれてきて、文化の発展にも寄与するようになります。文化が発展すれば経済も発展します。こうした社会状況の中で、欧米では「著作権」に対しても高い意識が根付いているといえます。

 一方、日本では、クリエイティブワークに対する意識同様に、「著作権」に対する意識も高くはありません。また社会全体の課題として、日本は、著作権について学ぶ機会もありませんでした。
 そのためか、日常生活の中で、著作権法違反とは知らずに平気で著作権侵害をしているケースが多く見受けられます。現在は、国として学校教育の中に「著作権教育」を取り入れるように進めていて、徐々に授業に組み入れている学校も増えてきています。
お仕事をされている中で大切にしていることがあれば教えて下さい。
やはり、クリエイティブコンテンツの企画の事業、著作権コンサルタントとしての仕事両方に共通していえることですが「お客様の満足を実現するために一生懸命にやること」です。そのためには、「専門性」=「特化できるもの」が必要だと思っています。私の事業はどちらも特化しているものがあります。クリエイティブコンテンツの企画会社の方は「若手アーティストとのネットワークを活用した現代アート」に特化していますし、行政書士の方では「著作権」に特化しています。こうして仕事していくことが結果として、お客様の満足を生み出し、またオンリーワンの存在になれるのだと考えています。

今後も、著作権の問題点を提起したり、正しい知識を社会に伝えたり、「著作権といえばボングゥー」となるように目指していきたいです。
インタビュー:河合 美智子

略歴

ボングゥー著作権法務行政書士事務所
所長・行政書士 堀越 総明氏

1968年東京都生まれ 東京都行政書士会所属 東京都行政書士会著作権相談員 東京都行政書士会任意団体著作権ビジネス研究会会員 株式会社ボングゥー代表取締役
大手企業の勤務を経て、2006年にアート・マネジメント・カンパニーの「株式会社ボングゥー」を設立。若手アーティストとのネットワークを構築して、地方公共団体や大手百貨店主催の現代アートの展覧会を数多くプロデュースする。またキャラクターやアニメーションの企画も多く手掛け、足立区のゆるキャラ<アダチン>のアニメーションは、You Tubeで累計再生回数60万回の大ヒットとなる。
株式会社ボングゥーでの多くの著作物の取り扱いの経験から、2011年「ボングゥー著作権法務行政書士事務所」を設立。著作権に特化した行政書士として、美術、文芸、音楽、映画、芸能、漫画、アニメ、ゲーム、WEB制作、広告などのビジネスで著作物を利用する業界の企業やアーティスト・クリエイターを対象に、法務コンサルタントを行っている。
著作権に関する相談から、契約書作成や文化庁への著作権登録に至るリーガルサービス、またアーティスト・クリエイターによる会社設立のサポートなど、親身でわかりやすいアドバイスと書類作成は高い評価を受けている。

キーワードから企業を探す
地域から企業を探す
注目企業ランキング< 週間 >