
サーチファーム・ジャパンの専任チームによる会議。日本企業のグローバル化などを背景に女性管理職に対するニーズが高まるとみて結成された
■女性管理職を専門にスカウト
グローバル化などを背景に、日系企業の間では女性管理職を採用しようとする機運が高まっている。これを受ける形で、人材スカウト業のサーチファーム・ジャパン(東京都千代田区)は、女性管理職のスカウトを行う専任チームを結成した。チームのメンバーである吉永操・エグゼクティブコーディネーターは「活動は試行錯誤の連続になると思うが、女性の管理職比率の向上に寄与していきたい」と意欲を示す。
同社の場合、2012年度に入って、女性管理職の登用に関する相談や実際の採用案件は、前年度比3倍増の150件と急増。相談を寄せる企業の業種も変わりつつある。従来は小売り・サービスが主力だったが、製造業が大幅に増えているのだ。
メーカーが“台頭”してきているのは、グローバル展開の加速と密接にかかわっている。海外進出では、現地社員の採用が不可欠だが、外国人女性は「日本人女性がどの程度活躍しているか」を重視する。それなのに女性の登用が進んでいないことが判明すれば「女性を差別する企業」というイメージを与え、採用活動で不利となるからだ。
また、欧米などの投資家は、CSR(企業の社会的責任)という観点から企業価値を判断する傾向も強い。女性の活用に熱心でないと“投資不適格”との烙印(らくいん)を押される可能性もある。
サーチファームの専任チームは、こうした事情から結成された。同社は4グループで構成されているが、チームは社内横断的な形でメンバーを集め、約10人で立ち上げた。別の会社で管理職を経験したり、子育てや介護経験などが豊富なスタッフなど、自らの経験に基づき適切なアドバイスを行い、成功事例を積み重ねていく。とくに「グローバル企業やものづくり企業を中心に攻勢をかける」(吉永コーディネーター)計画だ。
専任チームの立ち上げに伴い、同社のヘッドハンターが接触した女性管理職100人を対象にアンケートを実施した。それによると88%が「現状より上のポジションを目指したい」と回答。また、92%が「キャリアアップや自己実現のために転職を考えたことがある」と答えている。
一方、82%は在籍企業が女性活用について積極的な取り組みを行っているとした。しかし、厚生労働省の雇用均等基本調査(2011年度版)によると、従業員5000人以上の大企業における管理職の女性登用比率は3%にも達していないのが現状だ。(伊藤俊祐)
「フジサンケイビジネスアイ」