【Next Stage】オークファン・武永修一社長
■競売情報で急成長 海外展開を本格化

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オークファン・武永修一社長

 ネットオークションの相場情報サイトを運営しているオークファン(東京都渋谷区)が急成長を続けている。過去3年は倍々ゲームが続き、設立から5年足らずで株式公開の準備に着手するまでになった。武永修一社長は来年から海外市場への事業拡大も本格化する考えだ。

--事業モデルは

 「国内外のネットオークションの価格情報を金融市場での相場情報のようにきめ細かく大量に提供している。簡単なデータ閲覧は無料だが、有料で詳細なデータを利用できる。大手小売りチェーンもマーケティングなどでデータを利用している。サイトの有料会員からの収入、サイト閲覧者がリンク先企業を訪問したときなどに支払われるアフィリエイト収入、データ販売収入、広告収入が中心だ」

--サイト有料者はどんな人

 「サイトの利用者は月間850万人で、うち6割がオークションの売り手。サイト内で閲覧できる過去3年分の取引データは、オークション売買の差額で利益を狙う『せどり』と呼ばれる取引を行う利用者には値決めをする際の貴重な情報になる」

--会社設立のきっかけは

 「私は学生時代からリサイクルショップや質屋さんで商品を仕入れるなどして、せどりをやっていたが、現在の事業の母体になる個人サイトを見つけ、この事業にほれ込んだ。譲渡してくれるようお願いし、半年かかってようやく認めてもらった。まさに転機。これがなければおそらく今でもネットのリサイクル業をしていただろう」

--その後の業績は順調?

 「2007~08年は絶不調だった。収益化はまったくできず、データを蓄積するサーバーに多額の投資をしたことなどからお金がなくなった。09年からようやく収入が伸び始め、何とか危機を乗り越えた。現在は株式公開の準備を進めている」

--海外市場への展開は

 「来年から中国語や英語圏などでスマートフォンやタブレット端末向けに国際展開を本格化することを検討している。当社にはデータ蓄積や関連企業との関係構築など競争上の強みもあり、世界市場でナンバーワンを目指したい」

--お手本にする企業は

 「金融情報を配信しているトムソン・ロイター・マーケッツやブルームバーグ・エル・ピー、文書ソフトPDFなどで知られるアドビシステムズなど、特定の分野で強みを持つ企業。3000万~5000万人の利用者を持つ知名度の高い企業にしたい」(佐藤健二)

【プロフィル】武永修一

 たけなが・しゅういち 京都大学法学部在学中に、個人でオークション事業を開始。2004年デファクトスタンダード設立。06年価格比較メディア事業「オークファン」とブランド宅配買い取り事業「ブランドキング」を営業譲渡により取得。07年オークファンを新設分割。社長に就任。33歳。兵庫県出身。

                   ◇

【会社概要】オークファン
 ▽本 社=東京都渋谷区道玄坂1-21-14 渋谷TODビル8F
 ▽設 立=2007年6月
 ▽資本金=1億7611万円
 ▽従業員=45人(インターン含む)
 ▽事業内容=ネットオークション利用者向け情報サイト運営、データ事業

「フジサンケイビジネスアイ」

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