ベンチャー企業や起業家を支援するあきない総合研究所(東京都港区)は、日本を含めたアジア16拠点のオフィスを活用し、使った時間だけ料金を支払う利用課金制サービス「クラウドオフィス」の提供を開始した。同社はオフィス環境の提供が可能なパートナー企業の募集を進め、3年後にはアジア全域で100拠点への展開を目指す。
「クラウドオフィス」は、本社や営業拠点となるオフィスを利用課金制で提供することにより、今まで固定費であったオフィスコストを変動費として最小限に抑えられるのが最大の特徴だ。
地方企業の都心進出、営業立ち寄り拠点の確保や都心企業の営業エリア拡大、アジアを中心とした海外展開を迅速、かつ経済的に実現できる。アジア地域では日本企業の海外進出を支援する企業と提携し、そのオフィスの一部を海外立ち寄り拠点として提供するのと同時に、ベンチャー企業のネットワーク拡大や進出支援を実施する。
アジアから日本への進出を計画している企業にとっても、スピーディーに低コストでオフィス環境が構築できる。
当初、日本で利用可能なオフィスは、同社が現在、レンタルオフィス「Katanaオフィス」として展開している汐留オフィス(東京都港区)、渋谷オフィス(東京都渋谷区)、横浜オフィス(横浜市中区)、淀屋橋オフィス(大阪市中央区)の4直営拠点と、宮城県、埼玉県、福岡県、沖縄県のパートナー企業が運営している4つの提携オフィス。
アジア地域では北京、上海、大連、香港、シンガポール、ホーチミンなどに拠点を持つパートナー企業の提携オフィス8カ所を整備した。
オフィスの設備としてはインターネット環境やビジネスシート、複合機、打ち合わせブースなどを用意した。料金は月額1000円で3時間まで全拠点で利用可能。3時間を超える場合は、1時間500円の追加料金が必要となる。利用可能な時間帯は、一部のオフィスを除いて平日の午前9時から午後6時まで。有料オプションで登記・住所利用、郵送物受取、電話番号取得、電話応対代行サービスなどが受けられる。
利用方法は直営拠点の場合、Web上で金額をチャージして決済に利用するサーバー型プリペイドによる利用ポイント事前購入・チャージ方式を採用。ソニーが開発した非接触ICチップ「Felica」を搭載したカード(Suica、PASMO、ICOCAなど)や携帯電話(おサイフケータイ)などで利用できる。
提携オフィスの場合は事前予約が必要だが、将来的には直営拠点と同様のサーバー型プリペイド方式を導入する予定だ。
同社では「家賃の概念を利用課金という概念に変える」(吉田雅紀代表取締役)ことで、利用者が拡大すると判断しており、日本を含めたアジア地域で広くパートナー企業を募集していく考えだ。3年後をめどに、日本で50拠点、インド、中国などのアジアで50拠点を確保し、アジア全域におけるネットワークの構築を目指す。
クラウドオフィス
http://cloud.katana.bz/
「フジサンケイビジネスアイ」